2019年Jリーグ 新天地を選んだ男たち

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開幕が迫る2019年のJリーグ。シーズンオフはここまで多くの選手の移籍がみられた。
新天地での選手たちには大きな期待が寄せられ、またそれぞれにドラマがある。

山口蛍 求められる新天地でのリーダーシップ

下部組織から所属し、長年にわたりセレッソ大阪の『顔』としての存在でもあった山口蛍。今回のヴィッセル神戸への移籍はまさに衝撃的だった。現在28歳、ワールドカップの舞台も2度経験していて、今季行われた移籍の中でも最大のビッグネームと言ってもいいだろう。

イニエスタ、ポドルスキをはじめ、新戦力として元スペイン代表ダビド・ビジャ、さらにアジアチャンピオンの鹿島アントラーズからサイドバックの西大伍も加入。Jリーグ史上屈指の巨大戦力を擁し、初タイトルはもちろん『バルサ化』に向けて歩みを進めるヴィッセルにおいて山口蛍の存在はあらゆる意味で注目を集めるだろう。ボランチというフィールドの中央に位置し、持ち前のスタミナや対人能力を発揮するのはもちろん、スター軍団をコントロールする役割も求められる。
 
 また、古巣のセレッソとの試合は必見、今年の『神阪ダービー』は異様な雰囲気の中での戦いになることは必至だ。ヴィッセルでの背番号は5。セレッソ時代の6は敢えて背負わず、新しいチャレンジに挑む。

■得点量産を期待 鈴木武蔵

昨シーズン、V・ファーレン長崎で11得点を挙げ、キャリアハイの成績を残した鈴木武蔵。北海道コンサドーレ札幌という新天地でさらなる飛躍を狙う。
 
プロデビュー以前から海外クラブも関心を示すなど才能は高く評価され続けた。リオ五輪代表としてゴールを挙げる等、その片鱗を覗かせる活躍はあったものの、Jリーグではレンタル移籍を重ねるなどレギュラーとして定着までに至らなかった。長崎へ移籍した昨年、9月15日の名古屋戦で自身初のハットトリックを達成するなどようやく期待の得点能力を発揮する。

 知将・ペトロビッチが率いるコンサドーレは昨季4位とACL争いに絡む躍進を遂げた。長年、得点源として活躍したFW都倉賢が抜け、武蔵にかかる期待は計り知れない。2019年、再び上位進出を目指すクラブにとって高い身体能力を誇る生粋のストライカ―鈴木武蔵の得点量産は必要不可欠だ。

■初の移籍となるサガン鳥栖・原輝綺

 J2アルビレックス新潟より加入の原輝綺はサガン鳥栖の2年越しのラブコールに応えた形となった。
2年前、新潟ではクラブ史上初となる高卒ルーキーとして開幕スタメンに名を連ね、大型新人として話題を呼ぶ。当時からサッカーセンスは光るものがありセンターバックの他、ボランチや左右のサイドバックもこなし、貴重なユーティリティプレイヤーとして新潟を支えた。また、世代別日本代表に選出され、2017年のU-20ワールドカップや昨年のアジア大会にも出場している。

サガン鳥栖への移籍は原にとって2年振りのJ1での戦いとなる。昨年は怪我により長期離脱も経験し、プロ3年目の今年は言うまでもなく重要、且つ、過酷な戦いが予想されるだろう。

 2017年、新潟のJ2降格が決まったシーズン終盤、多くの主力選手の流出が予想された。その中の一人でもあった原は当時から鳥栖への移籍が噂されたものの、真っ先に残留を表明、翌年も新潟のユニフォームを纏いJ2での戦いを選ぶ。若き才能の決断に多くのサポーターは喜びを隠さず、そして送られる声援はより熱量を増した。

「プレーヤーとして、また人として成長した姿を皆様にみせられるようこれからも日々努力していきます」
新潟を去る際、彼の残したコメントだ。

来年の東京五輪も見据え、新天地で戦う原輝綺の成長を、サガン鳥栖サポーターならずとも見守っていきたい。

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サガン鳥栖に関わる全ての皆様 よろしくお願います!

原輝綺 Teruki Haraさん(@teruki_official0730)がシェアした投稿 –

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