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福田を抜き、本当の浦和の男へ 興梠慎三

日野遼太郎

2019/04/28 22:28

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“鹿島アントラーズ”の興梠慎三
“浦和レッズ”の興梠慎三

みなさんは、この宮崎出身の万能FWといえば、どちらのクラブでの活躍を思い出すのだらうか?

実は浦和サポーターである私でも、観戦機会が増加した17シーズンの初めまでは、どうしても「鹿島アントラーズの興梠慎三」という感覚が抜けなかった。13年に浦和に加入して最初の4年間程は試合観戦にほとんど行けていなかったので、興梠がここまで浦和サポーターに愛されていると実感できずにいたからだと思う。

しかし今になっては、完全に「浦和レッズの興梠慎三」の虜である。4シーズンも認めきれていなかったのに、17年シーズンの幕開けとなるゼロックス杯の鹿島アントラーズvs浦和レッズの試合を観に行った時、一瞬で心を掴まれてしまった。
今回はなぜ私も含め、浦和レッズサポーターは興梠慎三に心を掴まれてしまうのか個人的に考えてみた。

興梠慎三×浦和レッズ

興梠慎三は少し変わった経歴の選手と言えるかもしれない。もちろん高卒プロ入りで今が2クラブ目、なんていうのは珍しいことでもなんでもない。しかし渡ってきたクラブが「鹿島アントラーズ」と「浦和レッズ」である。Jリーグ好きなら誰もが知ってる超ライバルクラブ同士だ。彼自身あっけらかんとしているので、あまり深くは考えていなかったのかもしれないが、当時高校生の私でもあまり好意的には見れなかった。
そもそも彼をメディアを通して見ると、口数が少なくて気難しそうな印象を抱く人も多いと思う。それはチームメイト達も同じらしく、毎年2月頃に行われる「浦和レッズキックオフイベント」では司会者が新卒選手に「誰と話しづらい?」などという質問をし、「興梠さんです。」と答えるという下りが恒例になっている有様だ。

興梠慎三×レッズサポーター

そんな彼がなぜ今ではレッズサポーターにここまで愛されているのか、というのは彼のパーソナリティと、浦和サポの好きな選手のキャラクターにヒントがある。
元々浦和サポは「浦和の男なら」という言葉がある様に、硬派な雰囲気の選手が好きな風潮がある。
多くを語らず結果で示す選手。負けも素直に受け入れチームの為に戦える選手。
そんな昔ながらの男臭いタイプの選手が愛されてきた歴史がある中で、鹿島から移籍したこの九州人FWは、言葉ではなく背中で、そしてプレーで当時ミシャ体制2年目のチームを引っ張った。FWながら攻撃に守備に要所でしっかり貢献する頭の良さや、どんな結果でも受け入れる芯の強さを併せ持った彼が浦和サポーターに愛されるのは必然だったのかもしれない。

兄の経営する「ローストチキンコオロギ」を浦和駅前にもオープンし、生涯浦和宣言までして浦和レッズのフロント入りもしたいと明言している興梠は、現在「Mr.レッズ」福田正博の浦和J1個人最多ゴールにあと1ゴールに迫っており、記録更新ももうすぐだ。
レッズのレジェンドの記録を抜き、名実共に浦和のレジェンドの仲間入りを果たすことで、令和に時代を変えても、より一層深くレッズサポーターに愛されていくのだろう。

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