来年1月5日より、「AFCアジアカップ2019」がアラブ首長国連邦で開催される。今大会では、主力として定着しているメンバーはもちろん、他メンバーの見どころも多いだろう。今回は、現在までの発表を中心に、各要素を考えていきたい。
応援してくださった全ての皆さま、ご声援ありがとうございました!年が明けたらいよいよアジアカップです!引き続き、よろしくお願いします!#daihyo
🏆AFCアジアカップUAE2019
1/9 vs🇹🇲トルクメニスタン
1/13 vs🇴🇲オマーン
1/17 vs🇺🇿ウズベキスタンhttps://t.co/jUEkZxmXbm pic.twitter.com/0d98FQ2LNe— サッカー日本代表 (@jfa_samuraiblue) 2018年11月21日
■選出メンバーは下馬評どおり 香川招集は見送り
発表された日本代表のメンバーは、以下のとおり。
【GK】
・東口順昭(G大阪)
・権田修一(鳥栖)
・シュミット・ダニエル(仙台)【DF】
・長友佑都(ガラタサライ)
・槙野智章(浦和)
・吉田麻也(サウサンプトン)
・佐々木翔(広島)
・酒井宏樹(マルセイユ)
・室屋成(FC東京)
・三浦弦太(G大阪)
・冨安健洋(シントトロイデン)【MF】
・青山敏弘(広島)
・原口元気(ハノーバー)
・柴崎岳(ヘタフェ)
・遠藤航(シントトロイデン)
・伊東純也(柏)
・中島翔哉(ポルティモネンセ)
・南野拓実(ザルツブルク)
・守田英正(川崎)
・堂安律(フローニンゲン)【FW】
・大迫勇也(ブレーメン)
・武藤嘉紀(ニューカッスル) ※浅野拓磨(ハノーバー)は負傷により辞退
・北川航也(清水)
陣容は、ほぼ発表前に報道されていた予想どおりの陣容となった。フォーメーションは、2ボランチを据える4-2-3-1が有力だ。
サプライズ招集も期待された香川真司(ドルトムント)は、チームであまり試合に出場できていないこともさることながら、移籍話もあるため見送りとなった。個人的には乾貴士(ベティス)や岡崎慎司(レスター)の招集も期待したが、あえなく落選となった。森保一監督の選んだ選手は若手が多く(就任当初からそうだが)、あらためて世代交代を印象づける格好となった。以下、ポジション別に少し見ていきたい。
■GK:混戦模様のGK陣 森保監督が選ぶのは安定感か将来性か
経験などを考慮すれば、GKの第1チョイスは、ウルグアイ戦などに出場した東口となるだろう。しかし、東口は11月のベネズエラ戦とキルギス戦に出場しておらず、権田を選ぶというチョイスも考えられる。
また、将来を見据えれば、ベネズエラ戦に出場した197cm(一部報道では198cmになったとも)の26歳、シュミットを育成したいところだろう。ようやく日本に現れた世界水準の体格のGKだけに、期待値は高い。ただしシュミットは、Jリーグで失点につながるミスが少なくない。接戦で相手に押し込まれた時、悪目立ちする可能性がある。それでもチームの将来の総合力アップを選ぶなら、森保監督は失点を覚悟の上でシュミットを起用するだろう。
安定感か、将来性か。アジア杯という真剣勝負の舞台でどちらを選択するのか。GKのチョイスから、森保監督のアジア杯での狙いが見て取れそうだ。
■DF:サイドバック勢に問題なければ盤石か 冨安のさらなる成長に期待
一時は出場は絶望かと思われた長友は、早期復帰を果たし、何とかアジア杯に間に合った。膝の負傷で一時欠場していた酒井もすでに復帰している。二人とも、復帰後は順調に試合へ出ているため、コンディション面や試合感もそれほど問題はないだろう(他方、二人が長期で離脱するガラタサライとマルセイユは困るだろう)。
CL初戦、3-0の勝利で最高のスタート。
6年ぶりのアンセムは鳥肌たった。
この場所で仕事ができることに大きな幸せを感じる。
A very good start.
Çok iyi bir başlangıç. pic.twitter.com/7ksERZLepL— Yuto Nagatomo | 長友佑都 (@YutoNagatomo5) 2018年9月18日
センターバックの吉田は、レギュラーとして試合に出場することはもちろん、チームの精神的支柱としての役割が求められる。吉田の相方をつとめるのは、冨安または槙野だろうか。特に11月5日に20歳の誕生日を迎えたばかりの冨安は、堂安らとともに、今後長きにわたって代表入りする可能性がある、大事な人材だ。アジア杯を経て、さらなる成長を期待したい。
■MF:中島・南野・堂安の3人は迫力抜群 柴崎の出来もポイント
新日本代表の象徴的存在となっている中島・南野・堂安の3人は、個々の能力が高い上にコンビネーションも良く、迫力抜群。攻撃力の高さはウルグアイ戦で折り紙つきだ。今大会における日本代表の浮沈のカギを握るのは、この3人だろう。
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アジア杯に挑む日本代表 #堂安律、年内最終戦でゴールなるか!
\オランダ エールディヴィジ 18/19シーズン
第17節 フォルトゥナ シッタールト vs フローニンゲン
🗓️12/22(土)26:20~【生中継】
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3人が突出した力を持っているのは確かだが、アジアでは日本に対して守備固めを展開してくるチームが少なくない。それでもなお3人が快進撃を続けるなら、今後のW杯予選や本戦も考えると非常に喜ばしい。移籍がささやかれる中島と堂安は、アジア杯での活躍次第で、強豪チームへ移籍する可能性もあるだろう。
中盤のもう1つのポイントは、彼ら3人にパスを供給することになるであろう柴崎。所属クラブでは、15日のレアル・ソシエダ戦に久々の先発出場を果たしたとはいえ、チーム戦術と噛み合わずに出場機会を減らしており、試合勘の鈍りがまだ気になるところ。大会序盤は、遠藤・青山らの働きが大切になるだろう。柴崎は、勝ち進んで出場機会を増やせば、W杯時のような優れたパフォーマンスを披露してくれるかもしれない。
■FW:大迫スタメンは確定的 サブメンバーの活躍が上位進出のカギ
ロシアW杯後に刷新された攻撃陣は、中島ら3人のトライアングルに大迫の1トップを用いる形が、現時点のベストだ。今大会において、大迫のスタメン出場はほぼ間違いないだろう。
懸念材料はサブメンバーだ。これまでの試合を見ても、大迫、中島ら海外組の4人が抜けてサブメンバー中心の編成に切り替わると(ベネズエラ戦やキルギス戦を見るかぎり)、海外組と国内組の意識の違いと言えばいいのか、前線メンバーのオフザボールの動きに違いが出る。一部シーンでボールの出し手が困るシーンも見受けられるなど、前線の攻撃力の低下が否めない。杉本健勇(C大阪)らが選外になったのは、偶然ではないだろう。
長丁場のアジア杯では、全試合を同じメンバーで乗り切るというのは考えにくい。伊東、北川、そして初招集の武藤の活躍が望まれる。彼らの中から、11年のカタール大会決勝でボレーシュートを決めた李忠成のようなスーパーサブが出てくれば、上位進出の可能性は高まるだろう。
■日本以外の優勝候補はイラン、韓国、オーストラリア、サウジアラビアか
優勝を目指す日本の対抗馬として、15年大会で優勝したオーストラリア、ロシアW杯出場のサウジアラビア、ソン・フンミン(トッテナム)やキ・ソンヨン(ニューカッスル)率いる韓国、優勝争いに食い込むと報道されているイランなどが挙げられる。日本にとって、厳しい戦いが予想されるだろう。
もう一つ日本が警戒するべきは、審判の笛だろう。過去の日本代表も、不可解なジャッジに苦しめられてきた。判定にイラつく若手選手が出てくると、チーム全体の動きに影響が出るかもしれない。かつては長谷部誠が担っていた審判とのコミュニケーションを、吉田や長友などベテラン選手がしっかり担う必要がある。ただし、今大会からは、ロシアW杯などで導入されたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の導入が採用される見通し。VAR導入により、大会のジャッジの傾向がどのように変化するのかも注目だ。
日本のアジア杯1試合目は、来年1月9日に行われるトルクメニスタン戦。2月1日まで繰り広げられる今大会で、日本代表はどんな姿を見せるのか。そしてどんなドラマが待っているのだろうか。