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浦和レッズの守備力が安定した最大の功労者・俳優の阿部寛さん似で注目のマウリシオ選手

扇ガ谷 道房

2018/08/28 11:55

2018/08/27 23:42

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NEWS

昨シーズン夏、守備力が崩壊しかかった浦和レッズは、ミハエロ・ペトロヴィッチ監督(現・北海道コンサドーレ札幌)の契約を解除し、新たなDF力強化に乗り出しました。
その柱となったのがポルトガルのマリティモから獲得したブラジル人DFのマウリシオ・デ・カルヴァーリョ・アントニオ選手(以降マウリシオ選手と記載)でした。新加入以来浦和レッズのセンター・バックの定位置を守り、守備の安定化に貢献しています。
彫りの深いエキゾチックな顔立ちなのに、日本人俳優に似ている事も話題の選手です。

プロキャリアはブラジルとポルトガルで

マウリシオ選手は1992年ブラジルのサンパウロ生まれの26歳。一見すると、もっと老けて見えるのですが、以外にもまだ若い選手なんです。
サンパウロFCの下部組織で育ち、育成年代では、U15,U18のブラジル代表に選出された経験の持ち主で、将来を嘱望され2010年アウダックス・サンパウロEC(現・グレミオ・オザスコ・アウダックス)でプロデビューを果たします。
U18ブラジル代表時代には、選手として二度来日経験があるそうです。
その後、 ペロタス、ペナポレンセ、ジュベントス-SPに所属した後、2014年に当時ポルトガル2部リーグのポルティモネンセSCに移籍し、海外デビューを果たします。
当時のポルティモネンセSCには、現在浦和レッズで同僚のファブリシオ選手、サガン鳥栖の金崎夢生選手、2011年に浦和レッズに在籍していたブラジル人のマゾーラ選手が在籍していました。
  
その後2015年にはFCポルトB、2016年にはマリティモに移籍という具合に、マウリシオ選手はほぼ1シーズン毎に所属クラブを変えるという、目まぐるしい移籍を繰り返して来ました。
  

浦和レッズのレジェンドが移籍に関与

  
2017年7月、マリティモのDFとしてUEFAヨーロッパリーグに出場した2週間後、マウリシオ選手は浦和レッズのDFとして来日しました。
  
実は、マウリシオ選手が浦和レッズに加入するきっかけを作ったのは、元浦和レッズのロブソン・ポンテ氏と言われています。ロブソン・ポンテ氏は、2005年から2010年まで浦和レッズに在籍し、浦和レッズ史上最強と言われた2006年のJリーグ初制覇メンバーの中心選手であり、2007年のJリーグMVP選手となった浦和レッズのレジェンドの一人として有名な元選手です。
  
現役引退後、2016年末からポルティモネンセSCのテクニカルディレクターに就任しており、マウリシオ選手との関係もこの時から始まった様です。
  
浦和レッズを離れて以降も、浦和レッズの状態をいつも気に留めて、折を見ては来日されていたポンテ氏が、ポルトガルでスカウティングに関与していたというのは、何とも嬉しいお話しではないでしょうか。

デビュー戦は南米カップ戦王者のブラジルクラブ・シャペコエンセ戦

  
マウリシオ選手の浦和レッズでのデビュー戦は、Jリーグのゲームではなく、2017年8月15日に埼玉スタジアム2002で行われた”スルガ銀行チャンピオンシップ2017 SAITAMA”。

Jリーグカップ優勝クラブと、南米の公式カップ戦優勝クラブが一発勝負で雌雄を決するという異色の大会です。相手は南米カップ戦王者の母国ブラジルクラブのシャペコエンセ。実は悲劇的なドラマの末の南米王者の決定でした。
  
詳細は筆者既著「衝撃の墜落事故に見舞われたシャペコエンセが埼玉スタジアム2002に。スルガ銀行チャンピオンシップをご存じですか?」をご覧下さい。
  
マウリシオ選手はCBのポジションで出場し、堅固な守備力を発揮して、完封勝利に貢献します。
Jリーグデビューは8月19日埼玉スタジアムで行われた第23節のFC東京戦。1得点を許してしまうものの、このゲームからマウリシオ選手はCBの定位置を獲得し、浦和レッズの守備の要として活躍を始めたのです。

テレビ朝日「やべっちFC」での一発ネタが話題に!

マウリシオ選手のプレイスタイルの特徴は沈着冷静さであると筆者は考えております。それは性格的なパーソナリティから来るものでもありますが、自らの防御能力の限界点を認識した上で、相手との距離感判断や行動予測の能力が高いと判断しています。
  
ですから、振り切られたり、体力負けしたり、不用意に自らの裏のスペースに攻撃される等、危機的状況を作らせないDFとしての安定感があります。攻守のバランスを崩してしまい、建て直しの必要が生じた浦和レッズのCBとして、最適なDFがマウリシオ選手だと言えます。
  
自らは、「自分の良さは速さ、プレースピードやテクニカル面だと思います。センターバックとしての求められている役割を、右でも左でも良いバランスで、自分の与えられているタスクはピッチの中で十分できると思います。」と述べられています。DFとしてはCBに限らず、どこでも対応できるという自信に溢れています。
  
一方、アジア王者として臨んだ昨年末のFIFAクラブワールドカップにおいて、マウリシオ選手は大会通算2ゴールを決めて、クリスチアーノ・ロナウド選手と共に大会得点王に輝きました。DF能力だけでなく、ミドルシュート力やヘディングの能力も侮れない選手です。
  
話しは変わりますが、毎週日曜日深夜0時5分から放映されるテレビ朝日の人気サッカー番組「やべっちFC」をご存知の方も多いと思います。Jリーグ開幕前に各クラブのキャンプ状況を選手がレポートする事で人気の”デジっちが行く”で、今年の浦和レッズのレポートの中でとても話題になった選手がマウリシオ選手でした。
  
来日初のキャンプで、日本語もままならない中、「阿部寛じゃねーわー!」と、俳優の阿部寛さんに似ていると言われる自身についての一発ネタを披露したからです。確かに似ている!
  
髭面で、比較的顔の表情に変化が無いのが特徴のマウリシオ選手ですが、「阿部寛じゃねーわー!」で一躍お茶目さに火が点きました。二人が一緒にテレビの画面に映る機会を是非作って欲しいものです。映画「テルマエロマエ」でも良いです!
  
浦和レッズの守備力が安定した最大の功労者であるマウリシオ選手。この8月2日、ブラジル地元紙『LANCE』がブラジルの名門クラブである「フラメンゴが獲得に興味を示している」と報じた為、去就が注目されましたが、本人は「その噂はまったく関係ないと思っていると」一蹴しました。
浦和レッズの順位挽回の為に、マウリシオ選手にはまだまだ堅固に活躍して欲しいものです。そして阿部寛さんとも共演を果たして欲しいものです。

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