水沼宏太選手のプレースタイルからみるセレッソ大阪で求められる選手像
by Cerezo OSAKA
水沼宏太選手のプレースタイルとして1番最初に思い浮かぶのは「ハードワーク」ではないでしょうか。
2015年シーズンを例にしてみると、サガン鳥栖がシーズンを通して最も走行距離が長かった試合は、2ndステージ第14節vs名古屋グランパスの試合でチーム合計122.46kmを記録しました。この数値は2015年に行われたJ1全試合のなかで第6位となる数値です。この試合、水沼選手は90分のフル出場を果たし、走行距離はチームTOPの12.52km、スプリント回数(スプリント:時速24km以上の走行)もチームTOPとなる26回を記録しています。数値からチームへの貢献はとてつもなく大きいことがわかります。
ハードワークに加えて、プレースキックやミドルシュート、クロスの精度も大きな武器です。サガン鳥栖時代のアシスト数を振り返ると、2012年は8本(チーム内1位)、2014年は6本(チーム内1位)と素晴らしい記録を残しています。サガン鳥栖には豊田陽平という屈強で高さもあるFWがいることも要因のひとつではありますが、右足だけではなく、左足のクロスも非常に精度の高いボールを供給することが出来ます。2015年シーズンはアシスト数こそ3本と低調でしたが、ゴール数は豊田陽平の16得点に次ぐ7得点を記録しています。父である水沼貴史氏を彷彿とさせるペナルティエリア内でのドリブル突破からのゴールや、前線からのプレスでボールを奪取してからのショートカウンターでのゴール、直接FKを沈めるなどゴールパターンも多彩であることも魅力です。
このプレースタイルが「堅守速攻」を掲げるサガン鳥栖のサッカーを支えてきたと言っても過言ではありません。
2017年シーズンからセレッソ大阪を率いる尹晶煥新監督はサガン鳥栖躍進の土台を作ってきました。彼は規律を重んじる監督であり、早くも就任直後から尹晶煥流の改革に着手しています。例として「茶髪禁止令」の可能性を示唆したり、体力面、戦術面だけではなく若手のプロ意識向上させるために早朝6時50分開始の「3部練習」を取り入れたりするなど真摯にサッカーに向き合うことを選手に課しています。目標は一桁順位でのフィニッシュと謙虚ではありますが、「守備を堅くするのは当たり前。」と昨シーズンJ2で42試合46失点の守備陣を再建することは至上命令だと言えます。水沼選手の加入は尹晶煥新監督が目指すサッカーに欠かすことが出来ないピースであることは間違いありません。チームには世代別代表での戦友である柿谷曜一郎や日本代表の山口蛍が在籍しています。彼らとの息の合ったプレーを披露することが出来れば、2012年シーズンのサガン鳥栖のようなJ1昇格初年度の上位進出も可能となるでしょう。
セレッソ大阪への移籍を後押しした恩師への恩返しを果たすための、水沼宏太選手のチャレンジはまだ始まったばかりです。
動画
直接FK
ループシュート
強烈なボレーシュート
水沼貴史ボレーシュート
1 2