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伝説の名将でも壊せない人種の壁……

Footmedia

2020/06/10 12:18

2020/06/09 21:48

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NEWS

マンチェスター・ユナイテッドで活躍した元トリニダードトバゴ代表のドワイト・ヨーク(48歳)が、監督業に乗り出す際に直面した“壁”について語った。英紙『Daily Mail』が伝えている。

ヨークといえば、アストンヴィラで活躍したあとにユナイテッドへ移籍し、アンディー・コールとの黄金コンビで1999年にトレブルを達成したことで有名な元ストライカーだ。そんな彼でも、監督職のチャンスを貰えないと『beIN SPORTS』の番組で苦悩を語ったという。

ヨークは、恩師サー・アレックス・ファーガソンの推薦状を引っ提げて、古巣ヴィラの監督職に志願したことがあるという。しかし全く相手にされず、面接にさえ呼んで貰えなかったというのだ。

「ファーガソン監督はまるで父親のように接してくれるのさ。だから私はヴィラの監督職に応募する際に相談した。するとファーガソン監督は色々な経験則を教えてくれた。そしてわざわざヴィラに電話をかけて、私を推薦してくれたのさ。」

「ファーガソン監督はいつも言ってくれた。何か必要なことがあれば何でも言えと。監督業に進む際には私が保証人になってやると。でも、ファーガソン監督の推薦があっても、私は今だって面接にも漕ぎつけないのさ。それが私たちの直面する現実なんだ。」

問題は人種の壁にあるとヨークは主張する。「白人の選手は、ほとんど経験を積まなくてもすぐに監督のイスが用意される。現在のプレミアリーグに黒人監督はいないしね。」

「欧州の主要リーグにもいるかい? いても1人くらいだろう。それどころかコーチスタッフの顔触れだってそうさ。20年の選手キャリアの中で、黒人のコーチスタッフには1人くらいしか出会わなかった。マッサージ師さ。」


昨年、イングランドの2~4部を取り仕切るEFLは、“ルーニー・ルール”を導入した。これはアメフトのNFLで誕生したルールで、新監督を雇用する際には必ずマイノリティの人種の候補者も面接することが義務付けられている。

しかしヨークは「馬鹿げているね。全く実施されていないよ」と語る。その根拠として、元イングランド代表のDFソル・キャンベルを挙げる。キャンベルはアーセナル時代に無敗優勝を経験した世界的なプレーヤーだが、4部のグリムズビー・タウンの監督職を断られたことがあるのだ。

ヨークは、とにかくチャンスが欲しいと叫ぶ。「私は2度もヴィラの監督職に応募したが、経験が足らないと断られた。でも、チャンスを貰えなければどうやって経験を積めばいいのさ。我々が求めているのはチャンスなんだ。面接の機会をくれと頼んでいるだけなんだ。」

果たして、ヨークの悲痛の叫びは届くのだろうか。

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