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海外プロリーグへ挑戦し続ける男・菊池康平さんインタビュー 前編

編集部

2015/09/25 18:30

2015/10/11 21:14

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– ところで、菊池さんは大学の時は何を専攻されていたのでしょうか?

文学部史学地理学科地理学専攻という凄いマニアックな専攻でした笑。附属の高校から大学に内部進学できるのも半分強で、色々な学部がある中でも文学部は他の学部より競争率が低かったんです。自分は国語や本を読むことが好きだったので、ライバルも少ないし、好きと言えば好きな分野だったこともあり文学部にしようと思いました。

ただ、ギリギリの成績だったので、特に史学地理学科、中でも地理学専攻は競争率が低く、地理の授業も好きだったのでここにしようと笑。地理学のパンフレットを見たら色々な国を訪れ、石を探したり発掘すると記載されていて、「色々な所に行けるのかー」と思って、「地理やります!」と言って入ることができました。浅はか過ぎて、恥ずかしい限りです・・・。

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大学生活もほとんど全てサッカーに費やした

– 実際に地理学専攻に行ってみてどうでしたか?

地獄でしたね笑。川に流れている石とか砂を集めて測量したり、理解はしようと一生懸命に取り組んだのですが、断面図とかどうしても書くことができず苦しんでいました。どれだけ頑張って授業を聞いても、等高線や断面図を書くテストでは0点とか、本当に辛かったです。授業を聞いてもロクに分からないし、全然面白くないし、それでも出席はしないといけないので、本当に辛かった。なので1,2年は大学に週2とかしか顔を出していませんでした。結局最後にツケが来て、4年生のときに週6で学校に行く羽目になりましたが・・・。

– 学業以外にバイトやらサークル活動やら大学生らしい生活はしていたんでしょうか?

バイトはたくさんやっていました。海外挑戦のお金を貯めるためにジムのインストラクター、パン、ケーキ屋、警備員、塾の先生などなど。頑張ってもどうしても理解できない授業に出るよりも、バイトの方が刺激的で成長できると思っていました。

– メジャーではない海外のプロリーグの情報が当時なかなかない中で、どのようにチャレンジする国を決めて、チームの練習に参加したり、テストを受けるまでに至ったんですか?

香港などは「足」「球」「蹴」みたいにサッカーを連想させる漢字が書いてあるサイトを探したんです。そういうサイトにカレンダーっぽいものがあって、シーズンのスケジュールを知りたいので、例えば開幕戦が8月10日だったら、6月の半ばや7月くらいから練習をやるだろうと予想をつけて行ってました。

怖いのは、例えば当時フィジーであったんですが、前年と同じスケジュールでシーズンが行われないリーグもあったりするんです。ただ、まぁはじめは結局ネット頼みでした。英語のサイトはもちろん、Yahoo香港のように現地に特化したポータルサイトだったり、とにかく色々な検索の仕方をして、小さな情報でもどんどんノートに貯めていきました。あとは、現地で知り合った選手に他国リーグの情報とかいつからいつまでやってるとかも聞いて、それらを参考にどんどんネットで検索かけていく。

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現地の情報はとにかく手探りで得ていった

それでもフィジーのようにはずれがあったり、移籍期間があったりもします。例えば、8月10日開幕だとしたら7月末までしか、選手登録できないとか。そんな情報は意外とどこにも書いてなかったりします。意外とシーズン開始の直前まで練習をはじめないとか、意外とかなり前からやるとか、本当に国によって違うんです。正直行ってみないと分からないという部分もありますし、去年の情報自体が当てにならないこともありました。当時は、その他の海外の選手も含め誰しもが同じ状況だったと思います。

ある意味、今よりも行った者勝ちというのはあったんじゃないでしょうか。行ってみて、実は今年はシーズンが早まって、「来月から試合あるけどまだ外国人が取れてないからおまえ入るか?」といったことがなきにしもあらず。今よりも動いた方が勝てるという時代だったと思いますね。

– あたりをつけてとりあえず現地に行ってみて、じゃあそこから練習やプロテストに参加するためのチーム探しは具体的にどうしていたのでしょうか?Jリーグとかで、いきなり「練習参加させてくださーい!」と押しかけても参加させてもらえないと思うんですが。

例えば、香港ではサッカー協会に行って住所や連絡先の書いてあるチームリストをもらいました。サイトを見たりすると去年の順位とかが載ってるので、順位の低いチームからアプローチしていました。うまくいっている上位のチームだとあまりもうチームをいじらないのかなとか思って。面白いのが、リストの連絡先としてオーナーや監督の携帯の番号が載っているんです。そこにかけると、「今年は違うチームに行くんだよ」とか会話がかみ合わないこともありました笑。そのあとに行ったオーストラリアとかでも、監督の連絡先が載ってたので電話して、「お前誰だ?」みたいな感じになって、名前とか身長とか大体定番で聞かれることをあらかじめ用意しておいて、事情を説明しました。

⑬2012年8月:カンボジア練習参加 - ???
カンボジアにて。とにかく行動あるのみ。行動しないと何も始まらない

その際、英語でまくしたてられても分からないので、必ず先に聞いていたのはグラウンドの住所と最寄り駅。それで地図を買って、グラウンドに行ってました。聞き取りミスで、行ってみたらグラウンドなんてなかったりということもありました。でも、なんとか現地で1チームでも練習に入れちゃえば、そこで友達ができて、電話番号交換したりして色々聞けたりするんで、最初の1チーム目が肝心ですね。

– そんな簡単に練習に参加できちゃうものなんですか?

練習には大体参加できますね。ポイントは着替えた状態でいくことだと思います笑。スパイクもあらかじめ履いて行って、選手に「よぅ」と握手していって、「監督は誰だ?」と聞いて、監督のところに行くと、上から下までじっと見られて、「もう着替えているんだったら、仕方ないから今日は練習に参加していけ」なんて言ってくれて。そこでいいプレーを見せれば、「明日も15時から練習しているからまた来い」と言ってもらえたりします。その積み重ね。

「来週末練習試合にオーナーが来るからそこに来て結果を出せ。オーナーが認めれば契約できるぞ」と発破をかけてくれたりします。ただ、中にはマレーシアで初日に「お前もう来なくていい」と切られたこともありました。

– さすがの菊池さんもその場合はもう行かないんですよね?笑

でも、オーストラリアで一度合同トライアウトで、紅白戦やって、良かった選手だけが名前呼ばれて明日来いっていうときに、名前呼ばれなかったんですが、英語が分からないふりして行ったことはあります。「おまえ、名前呼ばれてないだろ」って言われたんですが、英語が分からないってことで、「もうしょうがないから出ろ」って言われて、そこで3得点しちゃって、「お前いいね」ってことでまた呼ばれたりとか。トライアウトみたいな形だとそういう英語分からないふりって方法が通じたこともありますね笑。

– ハートの強さが半端ないですね笑

失うものがなかったので笑。まぁ本当に日本よりは全然チャンスあると思いますよ。シンガポールとかもさすがに今はもっとリーグ環境も整備されていると思いますが、自分から行けば1日は絶対チャンスもらえると思います。

ナガの練習参加
カンボジアにて。恥ずかしがって行動しなければ、なにも起きないが、行動すれば道が開けるかもしれない

 

後編では海外挑戦中のトラブルや現在のお仕事、そして将来について、様々なことをお聞きしました。

海外プロリーグへ挑戦し続ける男・菊池康平さんインタビュー 後編

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