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Jリーグを盛り上げる実況・能政夕介 インタビュー

Kai Kadomatsu

2017/09/26 08:00

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能政夕介氏インタビュー

ゲスト 能政夕介-楽天(株)を経てフリーアナウンサーへ2013年11月より転身。Jリーグ、なでしこリーグ、高校野球、アメフトの実況や結婚式・イベント等の各種司会を全国で行う。 滋賀県のえふえむ草津では第2,4木曜9時~11時の間でDJ担当。コミュニケーションに関する講演・研修や個人レッスン、オンライン講座等も実施している。

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——よろしくお願いします。大学卒業後に楽天でサラリーマンとして働かれていたそうですが、どういうことがきっかけで楽天に就職されたのですか?

(能政)一応、アナウンサー志望でテレビ局、マスコミも受けたんですけど、あまりここに行きたいというところが少なかったんですよね。読売テレビはスポーツ放送が多くて、ここでアナウンサーになれたらいいなっていうぐらいの感覚で受けてみたのですが、三次面接で落ちてしまったんです。結局、その年はあれほど応募があったアナウンサーを誰一人取らなかったという結果に愕然としまして、この仕事はよっぽどの人でなければなれないぞと理解したんですね。

——そこから楽天への経緯はどのような形ですか?

(能政)ここで自分の中の就活の視点を変更したところ、当時好きなものであったインターネットに興味が湧いてきたんです。その頃は、三木谷さんがTBSを買収しようとしているとニュースを見ていると、メディアとインターネットが繋がったら何か面白いことができるんじゃないかと思いました。大学時代に入っていた大学放送局の経験からインターネット放送を楽天でできたら面白そうだなと考えたのがきっかけで就職志願をした形です。当時、その他にも企業から内定を頂いていたんですが、その中でも楽天が様々な事業をやっていて一番面白そうで、なおかつこれからも成長ができそうでした。

——楽天で4年間勤務された後に、同級生の方と起業されたとお聞きしています。具体的にどのような事業を行っていたのですか?

(能政)よく調べていますね(笑)僕が退職後に4人で会社を作ろうとしたんですが、その当時は何をするかとかは具体的には何も決めずに始めました。その後、ようやく見えてきた事業がセミナー系のものなんですが、自分がやりたいこととは違ったんですよね。そして、その友人たちとの意識のズレが出てきて、自分のやりたいことを友人に伝えて、そこから何のノウハウもなく2013年の11月からフリーアナウンサーとして独立しました。最初は何も仕事はなかったですけどね。でも、局アナだったとしても3、4年程で今のような仕事をやらしてもらえないだろうなと思います。

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——フリーアナウンサーの方でサラリーマンと起業を経験されてる方なんて中々いらっしゃらないですよね。近年、能政さんが立ち上げましたKotokakeのHPを拝見させて頂きました。ライフスタイルの中で『話す』という事を大切にしている方だと感じました。

(能政)そうですね。僕は昔、とても病弱で小学校の頃も喘息の影響で半分くらいしか出席できてなかったんですけど、小学校のころはサッカーを少しやっていてプレイをすることを通じて友人が増えたり、周りと関わったりして楽しかったなと思いますし、今も毎月フットサルを主催したりしているんで、当時から見たりやったりすることは好きでしたね。ですが、特に中心となってブイブイ言わせていたという訳ではなかったです。ただ、国語、特に朗読をすることがとても好きで、呼んだり声を出したりすることは好きでしたね。

——能政さんの話を伺うと、今の職業になる予兆が所々に見られますね。

(能政)今でこそ局アナではなくて、フリーで良かったと思いますね。僕はわがままというか好きな事をやりたいと思う人物なので、技術はまだまだ未熟ですし、経験もまだまだ積み上げられていませんが、フリーとして色々なことができて自分の成長を実感できる環境はとても幸せだと感じますね。 それにしてこのキャリアでこの仕事をできているのは奇跡だと言ってもいいくらいで、僕は寺西先生(寺西裕一アナウンサー)に師事をしていて、お仕事を貰っていたりしているんですが、3年前に関西でスポーツ実況の仕事をしてみたいと思ったところ、スポーツを専門でやっていたので、ここで勉強をさせてもらおうと師事を始めたんですよね。

スポーツ実況のキャリアとしての出発点は高校野球でして、これまた運よくその年(2014年)の7月に奈良の試合でデビューをしたんです。 そこから、アメフトのネット中継とかもしつつ転機となったのが、昨年のなでしこジャパンがリオオリンピックに出場できなかった時期です。以前からサッカーの実況をしたいと言っていた僕に「一度やってみないか」と話が来て、そこで初めてサッカーの実況というものをやらしてもらいました。

そして、1年後には今の役目を頂いたので、サッカーのキャリアとしては1年しかないですが、ネット配信のDAZNは局のアナウンサーが出来ないので、フリーのアナウンサーがやっています。関東にはサッカーができるフリーの方が多くいるんですが、関西の方はあんまりいないこともあり、僕がやらして貰っているんです。DAZNは外資系の企業なので今後J2・J3の試合が採算が取れないと判断して撤退をする可能性も無きにしも非ずという状況なので、いつ仕事がなくなるという恐怖感もありますし、他の実況を聴いてても自分はまだまだ駄目だと思う事も多々あるんですが、それでもこの仕事は楽しいですし、やりがいをとても感じられる素晴らしいものだとも思います。

次ページ:良い実況をする際に気にかけているもの

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