FT: JPN 🇯🇵 2-1 NZL 🇳🇿
Japan kickstart their preparations for #Russia2018 with a win over New Zealand in a friendly match! pic.twitter.com/bUC9QryGaz
— The-AFC.com (@theafcdotcom) 2017年10月7日
キリンカップでニュージーランドとハイチと対戦した日本代表。
結果は1勝1分だが両試合とも内容の乏しい結果に終わり、特にハイチ戦後はハリルホジッチ監督が「就任後最悪の試合」と吐き捨てるなど、後味の悪い大会となった。
当然のように各メディアでもこの2試合に関して批判の声が散見されているが、筆者は今回のキリンカップに対し事前に成否を判断する3つの基準を個人的に設けた。
・最低2選手が新戦力として起用の目処が立つ
・2トップや3バックなど新しいシステム採用の目処が立つ
・1点がどうしても欲しい状況での打開策
今月のキリンカップはW杯まで数少ない貴重なテストマッチ。
最低でも下記3つのうち1つは収穫として終えて欲しいと願っています。・最低2選手が新戦力として起用の目処が立つ
・2トップや3バックなど新しいシステム採用の目処が立つ
・1点がどうしても欲しい状況での打開策#日本代表— 岩崎 充 (@Iwasaki18M) 2017年10月3日
果たしてこの3つの基準に対して、結果はどうだったのか。
最低2選手の新戦力として起用目処
Kurumaya vs Haití. #JPN pic.twitter.com/yOda0UV80l
— Selección Japonesa (@SeleccionJapon) 2017年10月10日
アジア最終予選で主力として起用されたメンバー以外に、新たに主力級のプレーを見せた選手はいたのだろうか。
候補としては杉本健勇、武藤嘉紀、小林祐希、車屋紳太郎、東口順昭の5名に加え、常連だがこれまでほぼスタメン起用のなかった槙野智章も今回出場機会があった。
武藤は、原口や乾がいる左サイドにスピードに加え高さという別のプラス要素をチームにもたらした。乾のようにタメを作ることはできないが、大迫との連携も良くニュージーランド戦では日本が放り込んだロングボールに対し、相手DFに互角以上の戦いを見せていた。
それだけにもう少し出場時間を与えて欲しかったというのが正直な感想で、それは車屋にも当てはまる。
ハイチ戦の3点目に絡んだクロスもそうだが、攻撃参加時のポジション取りも良く長友を脅かす存在となる可能性は感じさせてくれたものの、やはり判断するには出場時間が少なすぎたと感じた。
ゴールという結果を残した杉本だが、相手のハイチが異常にスロースタートだった序盤はそつなくプレーしたものの途中から存在は薄れてしまった。
小林は2戦とも良くボールに絡み一定の存在感を示し、現在の主力(長谷部、井手口、山口ら)にはないパスワークでの崩しに意欲を見せた。この6名の中では唯一起用の目処が立った選手と言えなくもない。
2トップや3バックなど新しいシステム採用の目処
El comandante. #VahidHalilhodzic pic.twitter.com/bp4tl3PGmn
— Selección Japonesa (@SeleccionJapon) 2017年10月10日
4−2−3−1と4−3−3を併用するハリルホジッチ監督だが、これ以外のフォーメーションは今の所見られていない。
これまでの監督の戦歴を見る限り3バックの採用は残念ながら現実的にはなさそうだが、2トップに関しては採用の可能性を示唆する前日会見もあった。
だが蓋をあげてみれば2戦とも同じフォーメーションで挑み、途中からシステムを変更するというチャレンジも見ることはできなかった。
個人的には久保をより中央寄りのポジションに置き、大迫との2トップが見たかったのだが・・
1点がどうしても欲しい状況での打開策
Inui vs Haití. #JPN pic.twitter.com/qzltw91jXg
— Selección Japonesa (@SeleccionJapon) 2017年10月10日
これまでのハリルジャパンには、1点が欲しい状況で取る常套手段がない。
前述のような試合途中でのシステム変更もなければ、前線に上背のある選手を投入するといった交代策もこれまで見られていない。
ザックジャパンでは長友を途中から一列ポジションを上げるという策もあったが、そういった効果的な配置変更も見たことがない。
この点について今回収穫と言えるのは、左サイドの乾の途中起用ではないかと思う。
現状左サイドは原口と乾がポジション争いをしているが、ニュージーランド戦では左サイドで起用された武藤と交代で乾が同ポジションで出場すると、持ち前の推進力とキープ力で何度も攻撃の起点となった。結果的に決勝ゴールを演出したのも乾だった。
武藤や原口とはまた違うプレーで攻撃にアクセントを加える乾の存在は大きく、また武藤や原口がより守備面での貢献度が高いことを考えると、やはり点が欲しいタイミングでの途中起用は最適な選択ではないだろうか。
総合してみると、3つの基準のうちクリアしたのは乾の途中起用という1点のみ。最低限の収穫は得たものの、やはり物足りない結果となってしまった。
来月に控える強豪ブラジル・ベルギーとの海外遠征、今度は格上相手にどんな収穫が得られるだろうか。