2017年シーズンも湘南ベルマーレの監督継続が決定したチョウ・キジェ監督。
監督就任後、2度目のJ2降格ながら指揮官の継続を選んだ湘南ベルマーレに求められているチョウ監督を掘り下げてみました!
「湘南スタイル」を作り上げた『信念の人』
2012年に湘南ベルマーレの監督として就任したチョウ監督。プロリーグの監督として監督自身初めてのチームであり、そこから5年間の活動の中で「湘南スタイル」と呼ばれるサッカーを作り上げました。
この「湘南スタイル」とはチーム全体がとにかく走る、圧倒的な運動量とチャンスとなるとCBですら前線へ駆け上がる全員攻撃、さらに前線からの激しいプレッシングなどが魅力的なサッカー。
その運動量の凄さを実感するデータとして、2016年のJ1においてチーム走行距離平均で2位(1位はサガン鳥栖)、スプリント回数平均(10m〜30mを時速24km以上のダッシュをした回数)では190回で1位を獲得しています。
ヨーロッパのサッカー戦術に精通し、Jリーグでも唯一といえるサッカーを作り上げたチョウ監督からは自身の理想とするサッカーに対する信念を強く感じます。
実業団出身のチョウ監督
by Sportsnavi
京都府出身の在日韓国人であるチョウ監督。早稲田大学卒業後の1991年、後に柏レイソルとなる日立製作所に入社、サッカー部に入部します。
日立製作所サッカー部時代では、吉田達磨氏(2017年よりヴァンフォーレ甲府監督)や大熊裕司氏(現セレッソ大阪アカデミーダイレクター兼U-23監督/U-18総監督)、横山雄次氏(現栃木FC監督)、大倉智氏(前湘南ベルマーレ代表取締役社長、現いわきスポーツクラブ代表取締役)など現在のJリーグを支える人物達が同僚でした。
この5人で日本サッカーに関してチョウ監督を中心に熱い議論を何時間も交わすなど、現在につながる関係を築いていきました。
1993年のJリーグ発足後、柏レイソル・浦和レッドダイヤモンズ・ヴィッセル神戸に所属後、1997年に現役を引退したチョウ監督は引退翌年の1998年にサッカー指導者となるべく、ドイツ・ケルン体育大学へ留学。
2000年に帰国後、川崎フロンターレのアシスタントコーチに就任し、指導者としてのキャリアをスタートさせました。
湘南から日本代表選手を育て上げる
湘南ベルマーレとの関係は2005年にジュニアユース監督に就任した時から始まりました。翌年にユース監督へ就任し2008年まで指導する中で、当時地元中学のサッカー部に所属をしていたリオ・オリンピック代表キャプテンの遠藤航選手(現浦和レッドダイヤモンズ)をスカウトするなど、後にチームを支える逸材を発掘しています。
2012年にトップチーム監督就任後は現日本代表監督のハリルホジッチ監督が目指す「インテンシティ」の高いサッカーを推し進める中で、現日本代表の永木亮太選手(現鹿島アントラーズ)をキャプテンに指名するなど、遠藤航選手とともに日本代表クラスの選手を育て上げてきました。
by NumberWeb
現在の日本サッカー界において稀有なサッカーを展開し、大きな存在感を放っているチョウ・キジェ監督。2017年はJ2での闘いとなりますが、チョウサッカーをどのように進化させるのか目が離せませんね!