チームの強化に欠かせない外国人選手。彼らは「外国人枠」という規定に基づいて試合に出場しています。Jで活躍する助っ人というとブラジル人選手や、最近多い北欧出身の選手を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。そんな中で、最近Jリーグが力を入れているマーケットが「東南アジア」。今回はJリーグに所属する東南アジア国籍の選手を紹介します!
「アジア枠」そして新たに設定された「提携国枠」
今となっては馴染みの深い「アジア枠」は、2009年から適用されているルールです。外国人枠3人に加えて、アジア国籍の選手を1名出場させることができます。これによって韓国やオーストラリアといったアジアの強豪国の選手がJリーグに多く在籍するようになりました。また、韓国やオーストラリアもアジア枠を設けており、KリーグやAリーグでプレーする日本人も年々増加しています。ACLで日本人対決が見られるようになったのも、これに起因しています。
FCソウルでプレーする高萩洋次郎選手by 塩韓スポーツ
そして2014年に決定したのが「提携国枠」です。アジア枠とは別に、Jリーグが提携を結んでいる国の選手をさらに1名プレーさせることができます。現在これを締結しているのはタイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、インドネシア、イラン、マレーシア、カタールの9か国。これまではチームの強化を考えた結果、アジア枠は実力国の有名選手に使用しているチームが多かったのですが、この提携国枠によって東南アジアの選手もJリーグに加入しやすい環境が整ったのです。
ベトナムからの刺客 ベトナムのメッシとピルロ?
今シーズンJリーグに2人のベトナム人選手が加入しました。1人目はグエン コンフォン選手。彼はベトナムのホアンアイン・ザライFCから水戸ホーリーホックに移籍してきました。昨シーズンの成績は25試合6得点。ポジションはFWです。年齢は21歳で歳手倉森ジャパンが優勝したAFCU-23選手権にも10番を着けて出場しました。チームは3連敗で大会を去り、彼自身も1得点という結果には満足していないでしょう。しかも最終戦のUAE戦で鎖骨を骨折。これによってチームへの合流も遅れてしまいます。第12節でデビューを果たしたもののここまでわずか1試合の出場。才能の片鱗を見せることはできていません。しかし、この動画でもわかるように独力で得点する力を持っている選手です。U-23日本代表のディフェンス陣を切り裂く最初のプレーは圧巻です。
そんなグエン コンフォン選手には「ベトナムのメッシ」との異名があります。繊細なタッチで相手を抜き去るプレーが得意なドリブラーで、国民からの期待の表れだと思います。しかし本人は「メッシとはレベルが違いすぎる。少しプレッシャーを感じるというかあまり嬉しくはない」とコメントしております。ベトナムでは絶大な人気を誇り、トップスピードでも足元の技術が全く落ちません。メッシと比較されるので左利きだと思われがちですが、実は右利きの選手なのです。
by サッカーアンテナ
グエン トゥアン アイン選手もグエン コンフォン選手と同様に、ホアンアイン・ザライFCでプレーしていました。昨季は26試合出場1得点。今季は横浜FCでプレーしています。彼も21歳と若い選手で、AFCU-23選手権にも出場していました。UAE戦では素晴らしいミドルシュートを決めています。
ボランチを本職とする選手で、卓越した足元のテクニックと相手の寄せをものともしない判断力が持ち味です。そんな彼にも「ベトナムのピルロ」や「ベトナムのロナウジーニョ」という異名がついています。ベトナム屈指のテクニシャンであることは間違いありません。横浜FCのボランチには寺田紳一選手や佐藤謙介選手といったパサーが揃っていますから、試合に出場するためには相当なアピールが必要でしょう。両選手ともJ2に所属しているので、ベトナム人対決がもしかしたら見られるかもしれません!
以前にはこんな東南アジア選手も!
ベトナム人Jリーガーと言えば、コンサドーレ札幌に2013年に在籍したレ コン ビン選手でしょう。短い在籍期間ながら、公式戦11試合4得点の結果を残しました。先日はビンズオンの一員としてACLの舞台でFC東京と対戦していましたね。さらには2014年にヴァンフォーレ甲府に加入し、今季は北海道コンサドーレ札幌に移籍したイルファン選手もインドネシア人のプレーヤーです。twitterのフォロワーが470万人を超えることでも話題になりました。(日本代表香川真司選手のおよそ4倍!)彼の武器は爆発的なスピードでJリーグ通算7試合に出場しています。
by 2chまとめ+
東南アジアの国々は現時点でW杯に出るほどの実力はありません。しかしアジア全体の強化のためにもこうした「提携国枠」を設けることは非常に大切です。最近はアジアの至る所で日本人がプレーするようになってきました。国際大会で結果を残せていないアジアサッカーを盛り上げるためにも、内部の競争意識の激化に期待しましょう!