Shooty

大宮アルディージャのドラガン・ムルジャ選手はJ1得点王争いの台風の目か!

扇ガ谷 道房

2016/03/18 08:11

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

NEWS

毎年J1リーグの熾烈な降格争いを繰り広げながら、何とか残留を続けた大宮アルディージャでしたが、一昨年のシーズンでとうとう降格決定。しかし昨年のJ2リーグを見事に制して一年でJ1に復帰しました。
その原動力になったのが、セルビア人ストライカーのドラガン・ムルジャ選手(以降ムルジャ選手と記載)。昨シーズンはJ2で得点ランキング二位という見事な活躍でした。知名度が高いとは言えない選手ですが、自国リーグでの申し分無い実績と、代表選手としてWカップメンバーにも選出されている経験の持ち主です。
今年のJ1リーグでは得点王争いの台風の目になるのではと筆者はとても期待している選手です。

ドラガン・ムルジャ1
by theWORLD

スタートはレッドスター・ベオグラードから

ムルジャ選手はユーゴスラビア(現セルビア)出身。1984年生まれの32歳。レッドスター・ベオグラードというセルビアの首都にある名門サッカー・クラブでサッカー人生を開始しました。
レッドスター・ベオグラードはユーゴスラビア時代から最も成功したサッカー・クラブで、リーグ優勝25回、UEFAチャンピオンズ・カップやインターコンチネンタル・カップの優勝経験もある、ヨーロッパの強豪サッカー・クラブです。
日本人にもなじみがあるクラブで、現浦和レッズのミハイロ・ペトロヴィッチ監督、元名古屋グランパスの選手であり監督であったピクシーことドラガン・ストイコヴィッチ氏、元日本代表の鈴木隆行氏などが所属していた事でも知られています。
ムルジャ選手はこのレッドスター・ベオグラードの下部組織からサッカー人生を開始して、セルビア以外にもベルギー、ロシア、スイスのクラブに在籍するなど、ヨーロッパ数カ国でサッカー選手としての経験を積み上げて来ました。

ドラガン・ムルジャ2
by SOCCER DIGEST WEB

セルビア・リーグで二度の得点王に

現在のアルディージャでもストライカーとして活躍していますが、セルビア時代から得点嗅覚に優れたストライカーで、セルビア・スーペルリーガで二度も得点王に輝いているのです。
初めての得点王は2009年シーズン。FKヴォイヴォディナ・ノヴィサドというクラブに所属していた時代で、チームの年間総得点51得点中の22得点をたたき出して初の栄誉に輝きました。
二度目の得点王は2013年シーズン。古巣のレッドスター・ベオグラードに復帰して19得点で得点王に輝き、MVPも獲得しました。そしてクラブも7年振りのセルビア・スーペルリーガ優勝。ムルジャ選手はクラブの優勝に大貢献したのです。

ドラガン・ムルジャ3
by パパママサッカードットコム

セルビア代表として日本戦で2得点

セルビア・スーペルリーガで二度の得点王に輝いているストライカーですから、勿論のことセルビア代表にも選出されています。
2008年11月のブルガリアとの親善試合で途中出場でセルビア代表デビュー。代表として初の得点をするのは何と2010年4月のキリンチャレンジカップ日本代表戦なんです。
長居スタジアムで行われた岡田ジャパンとのこのゲームで、ムルジャ選手は前半だけで2点を決めて、セルビアが3対0で勝利しました。
実はムルジャ選手のセルビア代表としての得点は、現在までこの日本代表戦での2点だけなんです。そして現在大宮アルディージャの選手として活躍している事からみても、ムルジャ選手は日本に縁があるのだと思わずにはいられません。
又2010年Wカップ南アフリカ大会でもセルビア代表に選出されているんです。残念ながら南アフリカ大会では出場は叶わず、セルビアもグループ・リーグで敗退してしまいましたが、Wカップメンバーだったのは間違いない事実です。
面白いデータとしては、2011年10月のEURO2012のグループCでは、スロベニア代表と対戦していて、その後大宮アルディージャでチームメイトとなる現浦和レッズのズラタン選手と、両チームのストライカーどうしとして対戦しています。このゲームは1対0でスロベニア代表が勝利。ムルジャ選手もズラタン選手も得点できませんでした。

ドラガン・ムルジャ4
by SOCCER KING

元イタリア代表の闘将ガットゥーゾと共に戦う

かつて在籍したスイスのFCシオンでは、2012年の一時期元イタリア代表のガットゥーゾ選手とチームメイトでした。翌年ガットゥーゾ選手がチームの監督になってしまいましたから、チームメイトとして一緒に戦うと共に、監督と選手という関係でもあったのです。

ドラガン・ムルジャ5
ガットゥーゾby SOCCER KING

軽やかで万能なプレイスタイル

ムルジャ選手のプレイスタイルはとても軽やか。身長187cmの長身ながら、運動神経の高さからあらゆるプレイが軽やかで、パス、ドリブル、ヘディング、シュートの全てに渡って高レベルのサッカーを展開します。つまり万能な能力のある選手と言えます。
この運動神経の高さは、相手にすれば捉えどころを掴みきれない、嫌な存在として映る選手と言えます。それだけに、得点能力が高く、チームからもサポーターからも、安定した得点を期待される存在だとも言えます。
得点能力だけでなく、いつも穏やかで紳士的な人柄もサポーターの気持ちを掴んで放さない存在です。

ドラガン・ムルジャ6
by Jleague.jp

今シーズンはまだ開幕したばかりですが、第3節を終えてムルジャ選手は2得点で4位につけています。間違いなく今シーズンの得点王争いに絡んでくる筈の、注目選手です。

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう