20日に行われた今季最初のビッグ6直接対決では、退場者を出したチェルシーを相手に王者リヴァプールが2-0で貫録の勝利を収めた。その試合で注目を集めたのはレッドカードの判定と、プレミアリーグデビューを飾ったリヴァプールのMFチアゴ・アルカンタラだった。
ハーフタイムに投入された新加入のチアゴは、データ提供会社『Opta』によると後半の45分間だけで75本のパスを成功。これはフル出場したチェルシーのどの選手よりも多かったという。何より、プレミアリーグ出場時間が45分以内の選手としては、パス本数の集計が始まった2003/04シーズン以降で最多記録だという。
Thiago time 🤩
A boss Reds debut for @Thiago6 🔥 pic.twitter.com/4BmiCqUhmR
— Liverpool FC (@LFC) September 20, 2020
一方、前半終了間際に一発退場となったDFアンドレアス・クリステンセンだが、『Opta』によるとチェルシーの選手がリーグ戦で退場になるのは2年半ぶりのこと。2018年2月のティエムエ・バカヨコ以来だという。さらにリヴァプール戦での退場は、2009年のフランク・ランパード以来だったそうだ!
そんなクリステンセンの退場について、両チームのファンが意見をぶつけている。クリステンセンは、抜け出そうとしたサディオ・マネを抱え込むようにして引き倒した。ポール・ティアニー主審は当初、イエローカードを提示したが、ピッチ脇のモニターで確認してレッドカードに変えた。ロンドンのフットボール情報サイト『football.london』によると、一部のチェルシーファンは「馬鹿げた判定だ」とSNS上でティアニー主審の判定を非難したという。
一方でリヴァプールの地元紙『Liverpool Echo』によるとリヴァプールのファンは「間違いなくレッド」「VARを確認するまでもなくレッドだ」「VARが有益に使用されて良かった」と判定を擁護しているそうだ。今季からプレミアリーグではVARの使用法について若干の変更があり、ピッチサイドのモニターの使用回数を増やすことになり、今回の判定変更に至ったわけだ。
そうなると気になるのがモニターに流れる映像だ。今回も、確認しやすいようにスローモーションの映像が流れ、それを見てティアニー主審はレッドカードと確信したのだ。しかし本当にスローモーションを信じていいのだろうか?
昨季までトッテナムに所属していたヤン・ヴェルトンゲンは「VARのせいで守り方が変わる。スローモーションの映像だと、どうしてもPKに見えてしまうからね」と『BBC』に語ったことがある。今回はPKの判定ではないにしろ、スローモーションは実際のプレーとは印象が違って見える。特に、あのプレーの焦点はGKケパ・アリサバラガが先にボールに追いつけたかどうかであり、実際のスピードで確認すべきだったと思う。
それでもレッドカードだというのなら誰も何も文句を言わないはずだ。現にチェルシーOBのアシュリー・コールも『Sky Sports』にて「正しい判定だ」と認めているのだから、チェルシーファンだって納得するはずだ。そもそも、彼らには強く誤審を主張できない理由があるようなのだ。
というのもチェルシーでは、GKケパがこの試合でも大きなミスを犯して完全に信頼を失っているのだ。そのためなのだろう。「ケパが先にクリアしそうに見えたのは僕だけの妄想?」と書き込むチェルシーファンがいたそうだ……。