現在、J2では昇格クラブである町田ゼルビアの快進撃が続いています。町田ゼルビアは2012年にJFLへ降格、JFLで1シーズン過ごしてから新規開設されたJ3に舞台を変えて戦ってきたクラブです。去年J2昇格を決めて、首位に立つ躍進を果たしています。今回、町田ゼルビアの紹介や快進撃の理由に迫ります。
by FC町田ゼルビア
町田ゼルビアとは?
町田ゼルビアは1977年に設立された少年サッカーチーム「FC町田トレーニングセンター」を前身としており、1989年に創設されたトップチームの「FC町田トップ」がクラブの母体となっています。2009年からJFLへ参入し、MLSのD.C.ユナイテッドと業務提携するなど画期的な施策を行ってJリーグ加盟を目指しました。2011年にランコ・ポポヴィッチ氏を監督に招聘し、Jリーグ昇格圏内の3位に食い込んでJ2へ昇格。ゼルビアキッチンなどユニークな取り組みを行っており、経営面においてもJリーグに新たな風を生んでいます。
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苦節の降格と昇格争いの果てに
町田ゼルビアは初参戦した2012年シーズンで、Jリーグの難しさを知ることになります。第3節鳥取戦でJリーグ初勝利を果たしますが、第12節から第27節まで16試合連続無勝利(5分11敗)と苦戦しました。最終的に最下位でシーズンを終え、Jリーグ正会員資格消失という辛酸を舐めることになりました。翌年のJFLではホームゲームで苦戦するなど順調にはいきませんでしたが、新設されたJ3への参入を決めて舞台を移します。2014シーズンは序盤は首位に立つ健闘しますが、終盤失速して3位に終わり昇格できませんでした。次年度は2位にフィニッシュし、入れ替え戦で大分トリニータを破って念願のJ2復帰を果たしました。
スタジアム問題と課題も残るが
快進撃の説明前に、読者様達に一つ紹介したいことがあります。快進撃の裏に、スタジアム問題があるのはご存知でしょうか?順調にJ1昇格圏内入ってシーズンを終えたとしても、町田がJ1に昇格できない可能性があります。それは町田のホームスタジアムである町田市立陸上競技場がJ1のスタジアム規格に入っていないからです。J1のスタジアム条件は1万5千人以上の収容キャパシティーがあり、トイレ数や屋根付き席など条件が多くあります。一方、町田市立陸上競技場の収容人数は1万600人が限度となっています。このスタジアム問題を解決しなければ、J1昇格が実現できません。日本では、スタジアム問題で苦しんでいるクラブやサポーター様達が多くいます。そして、スタジアムを改修するには多くの税金が必要になるため、簡単な問題でありません。そのため、多くの人達がサッカースタジアムを考える必要があります。この記事を読んで頂いた上で、スタジアムに少しでも多くの目が向けばなと筆者は考えております。
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J2での快進撃とその理由
現在、町田ゼルビアはJ2首位に位置しています。12試合で7勝をあげ、2012シーズン終了時点の勝ち数と並びました。開幕節では強豪セレッソ大阪に敗れはしたものの、その後は5連勝10戦負けなしと驚異的な強さを誇っています。なぜ、町田はここまで強いのか?次に、その理由に迫ります。
今季の町田は強さは、粘り強い守備にあります。基本的に4-4-2でフォーメーションを形成し、選手間の距離を近づけるようなコンパクトな陣形で積極的にプレスをしかけるサッカーを行っています。ボランチの李漢宰選手が激しいプレスでボールを奪い取り、相方のレフティ森村昂太選手がボールを散らしてゲームメイクしています。さらに、サイドプレイヤーの谷澤達也選手が攻撃にアクセントをつけてカウンター攻撃を加速させています。トップの中島裕希選手は高い決定力でフィニッシャーを努め、J3初代得点王に輝いた鈴木孝司選手も攻撃に厚みを作っています。そして、鉄壁の守備陣を形成する土岐田洸平、畠中槙之輔、三鬼海、金聖基、カルフィン・ヨン・ア・ピン(敬称略)らDF陣と不動の守護神であるGK高原寿康選手の距離感が非常によく、GKのコーチングとDF陣の統率がしっかりしています。相馬直樹監督の「距離感を大切にする」マネジメントが定着しているため、安定した守備が形成できるのです。
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このように、各選手達は定められた役割を全力で遂行することで堅守速攻の4-4-2が成立します。どこかで観たことがあるサッカーだと思うかたもいるかもしれません。そう、今季プレミアリーグで優勝したレスター・シティに近いサッカーをしています。有名選手がいなくてもチームワークや戦術次第でセンセーションを起こすことができるのです。チームワークや戦術はサッカーの醍醐味の一つであり、それを体現する町田には大きな期待を持てそうです。