イングランドで、ユニフォームの胸に医療機関への感謝のメッセージを入れるクラブが出てきている。下部リーグでは先日、トッテナムのイングランド代表FWハリー・ケインが医療機関への寄付のために4部のレイトン・オリエントの胸スポンサーになることが発表されて話題になった。
プレミアリーグでも、ブライトンがNHS(イギリスの国民保健サービス)に「THANK YOU」と伝える特別ユニフォームを発売して寄付を募っていた。そんな中、英紙『Daily Mail』によるとボーンマスも胸に医療機関へのメッセージを入れる可能性があるという。
Bournemouth consider NHS thank you message on the front of their shirt for remainder of the Premier League season after ending sponsorship deal https://t.co/U74xwIEEfW
— MailOnline Sport (@MailSport) May 31, 2020
ボーンマスのこれまでの胸スポンサーは『M88』というオンライン賭博だったが、同社との3年契約は5月31日をもって満了した。年間500万ポンド(約7億円)の契約だったが、同社がイギリスの賭博委員会から調査を受けていることもあり、クラブ側が契約延長を控えたようだ。
「M88との契約は日曜日(5月31日)に満了するため、新しいウェアで残りの試合を行う」とクラブは声明を出しており、新たなスポンサーを探しているようだが、どうやら胸スポンサー不在のままリーグ再開を迎える可能性がある。
というのも、今季の残り試合は全てTVやネットで生中継され、マンチェスター勢やトッテナムとの対戦を控えているボーンマスは露出度も高そうだが、コロナ禍による不況が大きく響いてスポンサー探しが難航するという。さらに彼らは現在18位の降格圏におり、来季の見通しが立っていない。そのため、新スポンサーが見つからないときは、空白にせずにNHSへの感謝のメッセージを胸に入れるようだ。
実は、近年イギリスではギャンブル業者とのスポンサー契約を問題視する声がある。今季プレミアリーグでは20チームの半数にあたる10チームがオンライン賭博と胸スポンサー契約を結んでいた。さすがにイギリス政府もこの状況を懸念し、賭博企業の広告を制限する動きを見せている。一部報道によると、近いうちに賭博企業の胸スポンサーが禁止になるそうだ。