ワールドカップでコロンビア、セネガル、ポーランドと対戦する日本にとって、2戦目のセネガル戦は是が非でも勝ち点3を奪いたい相手だ。
そのセネガルを想定して組まれたマリ戦との試合だったが結果は1−1。
ハリルホジッチ監督も試合後に「セネガルに対して準備はできていない」という捨て台詞を残して去るなど課題が多く残る1戦となった。
攻撃にある程度の改善
FINAL| Japón 1-1 Malí. (Nakajima/Abdoulay Diaby).
Nakajima ✅
Japón ❌
Halilhodzic y sus pruebas ❌ #VamosJapón #RoadToRusia pic.twitter.com/r6i2V4TX3G— Selección Japonesa (@SeleccionJapon) 2018年3月23日
この試合監督は左サイドに宇佐美を先発起用。
また中盤もトップ下に森岡、そしてダブルボランチに長谷部と大島という組み合わせで臨んだ。
マリが積極的にボールを奪いに来ないため日本がボールを持つ時間が長くなったこの試合。
攻撃については相変わらず「戦術大迫」と言いたくなるような攻め方ではあるものの、前線の4人(大迫・森岡・宇佐美・久保)の距離感もよく、前半から何度もゴール前へ迫る展開に。
少なくとも、11月の欧州遠征の時のような攻撃面でのチグハグさはある程度解消されていた。
その後は宇佐美が左サイドから何度か質の高いパスを供給しチャンスを演出するが、攻撃のリズムを作っていた大島が負傷交代で退くと日本の攻撃は徐々に停滞。
失点を喫した後の後半には中島、三竿、小林、本田を投入。本田は右サイドで起点となる一方、左サイドは中島の単独突破が最後に実を結び最終的にはその中島本人がゴールを決めて存在感を見せた。
疑問の残る采配
右SBに宇賀神を起用した監督の判断は、残念ながら失策と言わざるを得ない。
酒井宏樹と遠藤の負傷があったのは事実だが、結果的に浦和のベテランSBはスピードで相手に翻弄され続け終始劣勢。18分にはイエローカード、そして41分には痛恨のPKを献上してしまった。
また後半途中には森岡に替えて小林をトップ下に投入、大迫と縦関係のFW2枚でゴールを奪いに行くも良い形は作れず。結果的に中央のポジションでの本田が見れなかったのも残念でならない。
11月時点で懸念だった右サイドの人材についても課題は残るままとなった。久保も本田も以前より調子は上がっているものの、どちらもこのポジションを確保できたとは言えない。
個人的には所属するデュッセルドルフでのポジション同様、宇佐美を右サイドで試して欲しかったと思うと同時に、今でも現状の適材は武藤(マインツ)もしくは岡崎(レスター)と思っている。
さらに、負傷した大島に替えて投入した山口という選択も不満だ。攻撃のリズムを作る大島の代役としては山口は適役ではない。
必ず勝利を目指すべきセネガル戦という想定であれば、プレーメーカーの柴崎をテストするべきではなかったか。
PKシーンの日本の守備
PKシーンの守備についても記述しておきたい。
まず右サイドの宇賀神がボールをクリアするも、再度ボールを奪ったマリはそのまま左サイドに展開。数的不利な状況からクロスを中央に入れられ、マークのズレもありPK献上につながっている。
このシーンは11月のブラジル戦での2失点目と3失点目に実は似ている。
2失点目はカウンターから左サイドからのクロスを許し、マークのズレから対応が遅れ山口がPKを献上。
3失点目はこの日同様一度はクリアするものの、再度ボールを拾われ左サイドへ展開→クロスを許しての失点だ。
日本VSブラジル ゴールハイライト
この日を見る限り、日本は守備においてもまだ修正すべき点があるのは明確だ。
27日のウクライナ戦では本戦に向けた明るい兆しが見られるのだろうか。