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日本最古のサッカー専用スタジアムは大宮アルディージャの本拠地NACK5スタジアム大宮って知ってました?

扇ガ谷 道房

2017/05/11 07:43

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NEWS

サッカーの観戦には大きく分けて三つの観戦方法があります。それは、スタジアムでの観戦、テレビでの観戦、PCやスマホでの観戦の三つのスタイルです。
最もお手軽に観戦できる方法はテレビ観戦ですが、如何せん放映されるゲーム数が少ないのが難点です。

DAZN等ゲームを生中継してくれる会社と契約すればPCやスマホ等でいつでもどこでも観戦できますが、画像の大きさに制約があります。
やはり最もお勧めしたいのがスタジアムでの生の観戦です。

そのスタジアムですが、サッカー専用スタジアムかそうではないか、規模、立地、完成時期等によって、自ずと違いがあります。
今回は、日本のサッカー専用スタジアムと言う観点で、最も古いスタジアムについてご紹介致します。


by wikipedia

実は競技場によって違う広さ

以外に知られていない事からご紹介して参りますが、実はサッカーのピッチの広さは、競技場によって違いがあります。つまり、全てのサッカー場の広さは同じではないのです。

サッカーのピッチは長方形で、縦横一定の幅をもって長さの基準が設定されています。縦のラインをタッチライン、横のラインをゴールラインと呼び、タッチラインは90m~120m、ゴールラインは45m~90mの範囲である事が決められています。
  
この様に、どのスタジアムでも同じ広さに見えるサッカーのピッチは、実は微妙に広さが違うというのが実態です。
  
この基準寸法のピッチで競技が行われる訳ですが、プロの場合は観客を動員する必要がありますから、競技の行われるピッチの周囲に観客席がある施設が使用されます。これがスタジアムです。
  
クラブによって、本拠地とするスタジアムが、サッカー専用スタジアムなのか、他のスポーツとの共用競技場なのかの違いがあります。

  〈引用出
by サッカーのルールと用語の紹介サイト

サッカー専用スタジアムと共用競技場の違い

サッカー専用スタジアムと共用競技場の違いは、ピッチの外側にトラックがあるか否かで一目瞭然です。
  
サッカー専用スタジアムの場合、サッカーに特化している競技場なので、ピッチの外側はスローインやコーナーキックができるスペース、両チームのベンチとウォーミングアップスペースがあるだけで、トラックはありません。
  
つまりピッチと観客の距離はとても近いという特徴があります。観戦がし易いと共に、ピッチ上の選手の躍動感も伝わり易いという大きな特徴があります。
  
一方共用競技場の場合は、ピッチはサッカーのみならず、ラグビーやアメリカンフットボール、陸上競技等が行われ、ピッチの周囲には陸上競技用のトラックがあり、施設によっては走り幅跳びや、その他ボールゲームのコートがある場合もあります。
  
つまりピッチと観客席の距離は、サッカー専用スタジアムに比べて遠くなりますから、観客席から選手の距離は遠く、躍動感の伝播力も減少してしまいます。
  
この様に、サッカーのゲームが行われているスタジアムは、サッカー専用スタジアムなのか、共用競技場なのかによって、観客席から受け取る感覚に違いが現れます。
少なくとも、プロのサッカークラブの場合は、本拠地のスタジアムは必ずサッカー専用スタジアムであって欲しいと、筆者は願っています。
  
Jリーグ各クラブ毎のスタジアムの大分類については、概略をまとめてありますので、こちらをご参照下さい。(https://shooty.jp/6487


by wikipedia

アルファベット名なのに国内最古のサッカー専用スタジアム

では、国内で最も古いサッカー専用スタジアムは何処なのかと言うと、J1大宮アルディージャが本拠地としている”NACK5スタジアム大宮”なんです。
  
NACK5スタジアムというアルファベット名からは国内最古のイメージが湧きませんんが、このスタジアムは”さいたま市大宮公園サッカー場”が正式名称です。
1960年に”埼玉県営大宮公園サッカー場”として開設され、2003年にさいたま市に移管されました。その後2007年に地元のFM局であるエフエムナックファイブがネーミングライツを取得した事により、”NACK5スタジアム大宮”になったというのが経緯です。
開設当時の姿は現在の姿とは大きく違って、葦が生えていた湿地に土砂で埋め立ててサッカー場にしただけの簡素な姿だったと伝えられています。
  
その後1964年の東京オリンピックのサッカー会場の一つに選ばれた事により、観客席を有する本格的な施設に改修されました。
  
国体、全国中学校サッカー大会、ワールドユース日本大会、日本リーグ等の会場として利用された、日本有数の歴史を刻んでいるサッカー場と言えます。
Jリーグ発足後は、駒場競技場を本拠地としていた浦和レッズの準ホームスタジアムとして一定期間使用され、1996年からは大宮アルディージャのメインスタジアムとして知られています。
  
武蔵一宮の大宮氷川神社、県営大宮公園の一角に所在している事から、県民市民の憩いの場であると共に、緑に囲まれた落ち着いた環境にあります。
収容人員15500名と大きなスタジアムではありませんが、この規模で且つサッカー専用スタジアムである事から、どこから観ても観やすく、観客席とピッチは極めて近く、選手の声や息吹を直接感じられる距離感がとても魅力なスタジアムです。
  

by 浦和フットボール通信

あの世界的な名選手もこのピッチに

1979年に日本で開催されたワールドユースの会場として、埼玉県営大宮公園サッカー場も使用されました。そしてこのサッカー場で、その後世界的なスター選手になる逸材が国際デビューを果たしました。
  
その選手の名前はディエゴ・マラドーナ。世界中の多くのサッカーファンなら誰でも知っているスター中のスター選手です。マラドーナ選手の世界デビューは、現在のNACK5スタジアム大宮から始まったという事は、余り知られていない事実です。
  
2002年のワールドカップ日韓大会では、埼玉スタジアム2002が本大会の会場に使用されて、NACK5スタジアム大宮は練習用グランドとして使用され、準決勝前のブラジルチームが練習を行いました。
  
今もロッカールームの壁には、当時のブラジル代表メンバーであるロナウジーニョ選手等のサインが残されています。 


by wikipedia

世界最古は我が国よりも100年以上も前

日本で最古のサッカースタジアムの開設よりも100年以上も前に、世界で最古と呼ばれるサッカースタジアムが生まれています。それはイングランドの”ブラモールレーンスタジアム”と言われています。1855年に開設されて、現在もイングランドフットボールリーグ1のシェフィールド・ユナイテッドFCの本拠地として使用されています。
  
一方で、ギネスブックには”サンディゲートロードスタジアム”と認定されています。設立は1804年という事なので、こちらの方が古い訳ですが、プロサッカーの試合を行うスタジアムで最も古くから稼働しているスタジアムと言う観点でみると、1860年にハラムFCとシェフィールドFCが対戦した”ブラモールレーンスタジアム”という事になるのだそうです。
  
どちらにしても流石サッカー発祥の国、我が国よりも100年以上も前からサッカー専用スタジアムが存在し、稼働していたという訳です。凄いですね。


by I love stdiums

NACK5スタジアム大宮は、意外にも歴史があるサッカー専用スタジアムだったんです。今シーズンは本拠地としている大宮アルディージャが苦戦を強いられていますので、大宮アルディージャの応援を兼ねて、是非足を運ばれてみては如何でしょうか。
歴史ある中規模サッカー専用スタジアムであるNACK5スタジアム大宮は、サッカーの楽しさが実感できる場所です。

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