2017年5月20日に開幕を迎えるFIFA U-20ワールドカップ韓国大会。
2007年以来5大会ぶりの出場を決めた日本代表のメンバーとして、セレッソ大阪下部組織出身のルーキー舩木翔選手が出場します。
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幼稚園からセレッソ大阪
元々は野球少年だった舩木翔ですが、家族旅行中に旅先でずっと松ぼっくりを蹴っている姿を見た父親が「もしかすると」と勧めた事をきっかけに、セレッソ大阪スクール長居校で本格的にサッカーを始めます。
するとそこからセレッソ大阪U-12、U-15、U-18と順調にステップアップ。当初はボランチで起用されていましたが、左サイドバックに転向するとコンスタントにアンダーカテゴリー日本代表にも選ばれるようになっていきました。
そして2016年、バーレーンで行われたU-20ワールドカップのアジア予選にあたるAFCU-19選手権ではチームメイトにプロとして活躍する選手もいる中、高校生ながらポジションをしっかりと確保し日本代表の初優勝に貢献。
2017年には念願だったセレッソ大阪のトップチームに昇格します。
by まいど!セレッソ
精度の高い左足のキック
舩木の武器は何と言ってもその左足のキック。左足から繰り出されるキックは柔らかいボールと鋭く曲がり落ちるボールを蹴り分ける事ができ、オーバーラップからのクロスだけでなく前線の選手への縦パス、攻撃の組み立てにあたるビルドアップでもその威力を発揮します。
また、2016年には左サイドバックというポジションながら高円宮杯プレミアリーグWESTでなんと得点王争いにも加わるという得点力も見せていました。
最終的には現在セレッソ大阪でチームメイトとなった当時サンフレッチェ広島ユースの山根永遠らが12得点で得点王、舩木は10得点に終わりましたが、日本代表の遠征やJ3に参加するセレッソ大阪U-23にも出場していた事で出場した試合は13に過ぎず、その中でしかも左サイドバックというポジションで10得点は驚くべき成績です。
尹晶煥監督が抜擢
by まいど!セレッソ
トップチームに昇格した今シーズン、舩木は同じポジションを争うライバルに下部組織出身の先輩温井駿斗や、実績のある田中裕介、椋原健太らがいる中で、尹晶煥監督により丸橋祐介に次ぐ2番手の座に抜擢。リーグ戦ではまた出場はありませんが、ルヴァンカップでは5節までの全試合に先発出場を果たしています。
身長177cm、体重65kgと決して恵まれた体格ではなく、尹晶煥監督も「可能性がある選手だが課題もある。」と指摘しているように、対人のコンタクトやプレースピードの部分では課題も多く、本人も十分それを自覚している様子。デビュー戦となったマリノス戦ではアシストで結果を残したものの、それ以降の試合では常に反省の弁が先に立っています。
しかし、このトップチームでの経験により徐々に成長の跡を見せているのも事実。
突然恵まれた体格になることはありませんが、正しいポジショニングを取り、正しい判断を下す事で、パスコースを防ぎ、素早い出足で相手のパスをカットすることは出来ます。尹晶煥監督の下、徐々にそういったプレーが見られるようになってきています。
そしてこの正しいポジションを習得しつつあることで、5月10日のルヴァンカップ新潟戦ではいくつか攻撃の起点となるパスを出し、前半終了間際には鋭く曲がり落ちるクロスで新潟ゴールに迫る場面も作り出すなど、単発ながらも徐々に舩木の武器を発揮する場面が見られるようになってきました。
FIFA U-20ワールドカップへ
by まいど!セレッソ
5月10日のルヴァンカップ新潟戦を最後にFIFAU-20ワールドカップに望む日本代表に合流した舩木。同グループには、ウルグアイ、イタリア、南アフリカがおり、さらにその後も勝ち進んでいく事ができればさらなる強豪国との対戦もある。今後にとっても大きな財産となりえる世界大会です。
ルーキーシーズンにしてトップチームで経験したルヴァンカップの5試合。そして普段から日本代表の清武弘嗣や山口蛍、柿谷曜一朗、杉本健勇、山村和也らとマッチアップしているトレーニングは間違いなく進歩につながっているはずです。
トップチームで得た経験を活かし、舩木の左足から繰り出されるクロスや縦パスで攻撃の起点となることができれば、U-20日本代表の躍進にもつながっていくでしょう。