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信州の熱き想いとおもてなしの精神を観た!アルウィンに集結した松本山雅サポーターとスタジアム

扇ガ谷 道房

2016/12/03 12:01

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NEWS

2016年11月27日(日)15時半。2016年J1昇格プレーオフ準決勝の松本山雅vsファジアーノ岡山戦がキックオフされました。
天候はあいにくの雨模様。この時期の信州の夕方は流石に寒い。しかも雨。しかし集った両チームのサポーターの熱気にスタジアムは包まれていました。
松本山雅は一週間前のJ2最終節に勝利して84点もの勝ち点を物にしながら、得失点差で自動昇格の夢が断たれていたので、この一戦は必勝の戦いと言えました。
一方のファジアーノ岡山は6戦勝ち無しの状態ながら何とか昇格プレーオフに滑りこんでいました。
J2の3位と6位で争われる昇格プレーオフ。筆者は雨の中アルウィンに脚を運びました。

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飛行機がピッチの横を降り立つスタジアム

舞台は松本平広域公園総合球技場。通称アルウィン。アルプスの風を意味する造語が示す通り、このスタジアムからは信濃の山々を見渡す事ができる、爽やかな場所にあります。あいにくこの日は雨の為、アルウィンから信州の山々が見渡す事ができなかったのはとても残念でした。
しかし、驚くべき光景が飛び込んで来ました。バックスタンド後方に何と飛行機が降り立って行くのです!キックオフ後の90分間で二機が着陸して行きました。
流石に観戦に集中していた為、着陸する飛行機を撮影することができませんでしたが、キックオフ前に撮影した飛行機の姿をご覧下さい。

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この松本平広域公園総合球技場は、松本空港に隣接しているのです。空港に隣接しているスタジアムというのは、日本全国でもアルウィンだけ。大きな特徴です。
しかし、夏以外は福岡便と札幌便が一日二往復だけの就航なので、サッカー観戦中に飛行機が離着陸する様子を観る事ができる事はなかなかありません。それだけにこの日は貴重な経験ができました。

無料駐車場とシャトルバス

アルウィンは松本の中心部からはかなり離れた場所にあります。車で行くのがベストですが、心配は無用。ゲームのある日には、アルウィンからは少し離れた場所に無料の駐車場が用意されます。
大芝生駐車場と名付けられたその場所は、広大な芝生の駐車場。歩いてすぐの場所にシャトルバスの発着場があって、無料でアルウィンまで往復しているんです。とても便利で気が利くサービスです。

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相手チームのサポーターをもてなすスタジアム

キックオフの前には、アルウィンでは必ず相手チームのサポーターに向けたのアナウンスが流れます。それはこの日も同じ。
11月下旬の雨の信州。松本山雅のサポーターが終結することでさえ素晴らしい事ですが、遠路はるばる岡山から松本まで集まったファジアーノ岡山のサポーターの姿にも心打たれました。
そしてキックオフ前に、いつものあのアナウンスが流れます。
「ファジアーノ岡山のファン・サポーターの皆様、本日はアルウィンにお越し頂き誠にありがとうございます!」
この一戦、互いに最高のパフォーマンスを出し合い、よりエキサイティングに更に熱く、素晴らしい試合を作りましょう!」
何と心温まるアナウンスでしょう!雨で寒いスタンドに座っていましたので、余計に胸が熱くなりました。
地元クラブを愛するという事は、同じく対戦するJリーグクラブにも敬意を表するという、アルウィンの姿勢に頭が下がりました。

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暖かく熱い山雅サポーター

どのサッカークラブのサポーターも、応援するクラブの選手を心から応援しています。スタジアムで観戦していると、ホームであれアウェイであれ、サポーターの皆さんの真摯な声に胸打たれます。
サッカー観戦はサッカーのゲームを生で観るのが最大の目的ですが、スタジアムの爽快感や、スタジアムグルメに打つ舌鼓、サポーターの真摯な応援の姿も含めて、大きな意味でサッカーのゲームを感じに行っているのだと思います。
自分もその一人であるのですが、客観的にスタジアムを見渡してみると、自分以外のサポーターの真摯な姿に感じ入る事ができます。
松本山雅のサポーターは常に暖かく熱い声援をピッチ上の選手に送り続けていました。この日は負けたら終わりの昇格プレーオフ。しかも雨のホームです。置かれている状況から、自ずと今年最も心から声援を送った筈です。
筆者にはそれがよくわかりました。キックオフ前からゲームセットするまで、松本山雅のホームゴール裏の声援は一度も止む事が無かったからです。
多くのJリーグのゲームを観戦して来ましたが、この日筆者は松本山雅サポーターに対して、今までに無い深いシンパシーを感じる事ができました。
何としても松本山雅を勝たせてJ1に復帰させたいと願いながら、雨に濡れて寒い体を、松本山雅サポーターとシンクロさせていました。

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