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浦和レッズのFWズラタン選手はスロベニア代表歴の長い凄い選手なんです!

扇ガ谷 道房

2016/03/21 21:46

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NEWS

Jリーグ創世記は外国人のビッグネーム選手が多くのクラブに在籍していました。今の中国サッカーがその状況に似ています。現在のJリーグは日本人選手を中心としながら、ビッグネームではないけれど、高レベルな代表レベルの外国人選手をスカウティングしている傾向にあります。
浦和レッズのズラタン・リュビヤンキッチ選手(以降ズラタン選手と記載)もその一人。10年間スロベニア代表選手を務めたFWです。

ズラタン1
by ゲキサカ

スロベニアの首都リュブリャナ出身

ズラタン選手はセルビアの首都であるリュブリャナの出身。生まれた時はユーゴスラビアという国でした。歴史的には複雑で、第二次世界大戦後に社会主義国家になったものの、その後6つの国に分裂します。その一つがスロベニアなんです。
1983年生まれの32歳。スロヴァン・リュブリャナというクラブのユースに所属しサッカーを始めました。2002年にNKドムジャレというクラブに入団しプロサッカー人生がスタートします。1921年に創設されたスロベニアで最も歴史のあるサッカー・クラブのひとつなんです。
奇遇なことに、現在浦和レッズの監督であるミハイロ・ペトロヴィッチ氏も、1999年から2001年の短期間ですがこのNKドムジャレの監督をされていたんです。しかし、ズラタン選手の在籍は2002年から2008年なので、同じクラブにいたとは言え完全にすれ違っています。
このクラブ在籍中、2006年と2007年の2年連続で1.SNL(スロベニア・リーグ)に優勝します。ズラタン選手は2006年に初の10得点を達成し、2007年はリーグMVP‎も獲得しました。

ズラタン2
by zurnal24

初の海外移籍はベルギーのヘント

2008年シーズンからは、ベルギーのヘントに移籍し、初の海外リーグデビューを果たします。
ヘントはNKドムジャレよりも更に歴史が古く、1864年に陸上競技クラブとして創設されたスポーツクラブです。その後サッカー・クラブが創設されたのは1900年の事ですから、既に1世紀以上の歴史があるサッカー・クラブなんです。
歴史は古いクラブなのですが、優勝回数はこれまで一回のみ。クラブ創設1世紀以上経過して、ようやく昨シーズンに初めてリーグ優勝を遂げました。ですから、ズラタン選手在籍時は優勝経験はありません。
4年半の在籍期間で合計得点は27点でした。

ズラタン3
by サッカーマニアのblog

スロベニア代表としてWカップも出場

NKドムジャレで初のリーグ優勝を遂げた頃、ズラタン選手はスロベニア代表選手として初召集されます。デビューはアウェイのキプロスとの親善試合。デビュー戦でいきなりゴールを決めるという快挙を成し遂げています。
その後昨年までの10年間スロベニア代表FWとして活躍します。特筆すべきは2010年のW杯南アフリカ大会への出場です。イングランド、アメリカ、アルジェリアと同組で、初戦のアルジェリア戦でスロベニア代表はW杯史上初勝利を挙げました。アメリカ戦ではズラタン選手が先取点を奪いますが、残念ながら引き分け。イングランドに敗戦し、グループリーグは突破できませんでした。
直近のスロベニア代表としてもゲーム出場は昨年11月に行われたEURO2016出場をかけたプレーオフのウクライナ戦。ズラタン選手は2試合共に途中出場を果たしますが得点することはできず、チームも1分1敗でEURO2016の本選出場を逃してしまいました。
そしてこのゲームの後に、ズラタン選手は10年間のスロベニア代表を引退することを示唆しました。

ズラタン4
by ドメサカブログ

そして日本へ

2012年7月、いよいよズラタン選手は日本にやって来ます。J1の大宮アルディージャに移籍したのです。時を同じくして、スロベニア代表としてチームメイトのミリヴォイェ・ノヴァコヴィッチもブンデスリーガの1FCケルンから大宮アルディージャに移籍します。極東の日本で、スロベニア代表どうしが同じチームに所属することになりました。
ズラタン選手は2年半の大宮アルディージャ時代に17得点をあげますが、2014年シーズン終了時点でチームはJ2へ初の降格が決定してしまいます。そして昨年から浦和レッズに移籍し、貴重な長身外国人FWとして活躍しています。

ズラタン5
by SOCCER KING

浦和レッズでの活躍

2015年浦和レッズに移籍したズラタン選手は、J1リーグ29ゲームに出場して8得点でした。
ワントップで使われる事も多いのですが、プレイスタイルはどちらかと言えばスペースを狙って流動しながら得点するストライカーと言えます。献身性も高く、先日のACLアウェイでの広州恒大戦では、敗戦濃厚の終盤ギリギリに槙野選手からのクロスを絶好のポストプレイで落として、値千金の興梠選手のゴールに繋げたプレイなどは、周囲をうまく使ってチームに得点機会を与える典型例でした。
レッズの中ではひときわ高い身長186cmを活かして、空中戦でもどんどん得点をして欲しいですね。

ズラタン6
by J’s GOAL

同郷選手との縁

現在浦和レッズでチームメイトのブランコ・イリッチ選手とは、NKドムジャレでもスロベニア代表でもチームメイトでした。又前述のミリヴォイェ・ノヴァコヴィッチ選手とは、スロベニア代表と大宮アルディージャでチームメイトでした。
又、大宮アルディージャ移籍時点の監督はスロベニア人のズデンコ・ベルデニック元スロベニア代表監督でもありましたし、前述のミハイロ・ペトロヴィッチ現浦和レッズ監督も同郷です。
大宮アルディージャでチームメイトとなるドラガン・ムルジャ選手とは、厳密には同郷ではありませんが元ユーゴスラビアという意味では同郷で、2011年10月のEURO2012予選のグループCセルビア代表とのゲームでは、両代表チームのストライカーどうしとして対戦しています。このゲームは1対0でスロベニア代表が勝利。ズラタン選手ムルジャズラタン選手共に得点はできませんでした。

ズラタン7
by 超ワールドサッカー

ビッグネームとは言えませんが、ズラタン選手はヨーロッパのサッカー・リーグや代表としてのキャリア豊富な、頼りになる外国人FWなんです。今シーズンの更なる活躍に期待がかかります。

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