土壇場の逆転弾でFC岐阜が今季2度目の3連勝
明治安田生 J2 第32節 水戸ホーリホック1ー2FC岐阜(ケーズデンキスタジアム)
じわりじわりと試合の流れを手繰り寄せ、いつの間に勝ってしまう。
大木監督の下で生まれ変わったFC岐阜のサッカーの真骨頂を目の当たりした。
試合は序盤から水戸ペースで進む。
試合開始2分、ロングボールを林 陵平がヘディングで後方へそらす、そのボールを走り込んでいた前田 大然が持ち込む。
圧倒的な加速で瞬時にディフェンダー3人を置き去りすると、前に出ていたGKの立ち位置を見極めGKの頭上を狙いを済ます。
早い時間帯での先制に成功した水戸は、前線からの積極的なプレスでボールを奪い岐阜ゴールに猛進するも決定機を決めきれない。
前半を終えて1ー0。終始水戸ペースで進んでいった前半戦だった。ところが後半に入ると試合の流れは一転する。
「気持の部分が変わっただけ。具体的な指示は出していない。」試合後の記者会見で大木監督はこう語っていたが、岐阜は後半に入ると、相手のカウンターを封じ込め、素早い攻守の切り替えからワイドに展開し、相手ゴールに襲いかかる。
しかし、再三の決定機も水戸GK笠原 昴史が好セーブを連発。粘る水戸だったが、70分、古橋 亨梧が放ったクロスがディフェンダーの足に当たりそのままゴールに吸い込まれる。
ラッキーな形で同点に追いついた岐阜は更に勢いづく。対する水戸も得意のカウンターから幾度となく相手ゴールに迫る。見応えのある攻防戦は、土壇場で決着がつくことになる。
90分、岐阜は左CKを中央に放り込むが、一旦相手に弾き返されてしまう。再び左サイドをボールを持った風間 宏矢が中央にクロスを上げ、青木 翼がヘディングで決勝ゴールを叩き込んだ。
「うちはポゼッションサッカーを目指しているなどとは一言も言った覚えがない、もっと守備の部分を見て欲しい。」さらに、弱点を補うことでストロングポイントを失ってしまっては元も子もない、特長を活かすことが大事。自らの哲学を例え話を交えながら付け加えた。
この勝利で、今季2度目の3連勝を挙げた岐阜、今季10試合を残して、早くも昨季挙げた勝点まで3ポイントに迫る。変革をもたらした大木監督の信条は着実にチームに浸透しているようだ。
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