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奇跡の大逆転勝利。なぜバルサは勝つ事ができたのだろうか。

舞野隼大

2017/03/18 12:57

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NEWS


by edition.cnn.com

「バルサなら6ゴール奪える」ルイス・エンリケ監督が試合前日に会見で発言したコメントは現実のものとなった。
先月行われたUEFAチャンピオンズリーグRound16の1stレグではバルセロナはパリ・サンジェルマン(PSG)に0-4の大敗を喫した。そのため2ndレグで5点差以上の勝利がRound8進出の絶対条件となり、実現はほぼ不可能な状態だった。しかし結果は6-1の大勝。2戦合計6-5で、バルサが勝ち上がったのだ。

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前半戦の2得点はどのようにして生まれたのか。

バルセロナのフォーメーションは中盤に厚みのある、攻撃的な[3-4-3]中盤をダイヤモンド型にし、ピボーテにブスケツ、両サイドハーフに、イニエスタとラキティッチ、トップ下にはメッシが配置された。

バルサは試合開始早々最終ラインをハーフエラインよりも高い位置まで上げ、積極的に攻め込んだ。そのため中盤はコンパクトで、厚みが増しポゼッション率が高まった。しかしPSGも中にボールを入れさせまいとルーカス、カバーニ、マテュイディらがプレスをかけバルセロナの侵入を妨害した。そうなった時、バルサは中に無理やり通すのではなく外に張った両ウイングのネイマール、ラフィーニャにボールを預け中に切り込むドリブルとクロスで突破を図った。

この超攻撃的なオフェンスにPSGは押され、結果的にスアレスにこぼれ球を頭で押し込まれて先制点を許してしまったのだ。2点目のオウンゴールが生まれたのも同様の理由で、前へと追いやられすぎたため結果としてオウンゴールが誘発されてしまったのだ。

奇跡の8分間と決勝ゴールの陰の功労者


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後半62分にカバーニにアウェイゴールを決められてしまいあと3点が必要になってしまった。勝利がほぼ絶望的なってしまったが、後半88分にネイマールのFKでゴールすると立て続けに得点を決め奇跡的な勝利を挙げた。
 
終了間際の決勝点には陰の功労者がいた。それはゴールキーパーのテア・シュテーゲンだ。後半94分にメッシがバイタルエリア左でファールを受け、FKを得る。どうしても得点が必要な状況で危険を顧みず、シュテーゲンはゴールを無人にし、相手ゴール前まで上がってきたのだ。FKは結局クリアされてしまい、ボールは相手の手に渡ってしまった。しかしカウンターを阻止するためシュテーゲンは後ろから全速力でボールを奪い返しに行き、ファールをもらう。このファールが明暗を分けた。ここで得たFKが起点となりセルジ・ロベルトの決勝点が生まれたのだ。
 
4点差という大きな差を最初から諦めることなく、攻め続けたことで奇跡的な勝利を呼び寄せた。正直、PKやFKの判定には微妙なところもあった。それでもこの絶望的ともいえる差を覆した勝利は称えられるべきではないだろうか。

垣間見えたバルセロナの衰退


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 この奇跡の大逆転に水を差すわけではないが、今のバルセロナは全盛期と比べて確実に衰えている。この試合でも、6ゴールを決めたが3得点がPKとFKによるものだ。得点らしい得点と言えば6点目のセルジ・ロベルトの決勝ゴールのみ。主審が判断しづらいジャッジが多く、運に助けられた部分もある。大勝したとはいえ、衰えたといわれても仕方ないようなゲーム内容だった。奇跡的に勝ち上がることができたが次の準々決勝のユベントス戦、もしくはその先の準決勝で勝利することは更に困難だろう。

2015年にシャビが退団し、チームの中心メンバーであるイニエスタ、ブスケツ、メッシらの年齢も高くなっている。この試合のスタメンには、下部組織「カンテラ」上がりの若手選手はセルジ・ロベルトとラフィーニャのみ。
最近は大金を積み、スアレスやウムティティなど、他チームから即戦力を引き抜くことが多い。世代交代が近づいている今、バルサの哲学を叩き込まれたカンテラ出身の若手の台頭が望まれる。そのため、かつてのグアルディオラのように下部組織から若手をトップチームでデビューさせ、経験をさせることがバルサ復興のカギになるのではないだろうか。

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