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なでしこジャパン世界への船出!アルガルベ杯の注目は、『個の見極め』

hirobrown

2017/03/01 12:35

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NEWS

カナダW杯から総入れ替えの攻撃陣~結果次第で”実績組”の復帰も視野に


若手攻撃陣が今大会でプレッシャーを感じる理由は、アメリカでも大活躍中のMF川澄。現代表にも必要なピース。代表復帰はあるのか。by thebold.net

より個性が問われる攻撃陣について論じる前に確認したいのは、上記した今回のアルガルベ杯の招集メンバー23選手の内訳として、2015年のカナダW杯登録メンバーが9選手になっている事。

多いのか?少ないのか?ただ、そのカナダW杯でレギュラーを担ったDF有吉・熊谷・鮫島、MF阪口・宇津木の5選手は残っており、GK山根、DF川村の両選手もカナダW杯では先発出場の機会は与えられた選手。(下記の図参照)


『カナダW杯からの変化』後方の7人にはあまり変化がないものの、前線の4人が総入れ替えに。

つまり、今回のメンバー構成は、カナダW杯のレギュラー5選手+控え組2選手でGKからDFライン・ボランチまでの7枠は埋められる構成になっており、実はさほど早急な世代交代でもない印象も抱かせる人選である事。アジアのどこかの国は「家を屋根から作る」ようなチーム作りをしていますが、なでしこは土台から作っているという証明です。

しかし、後方の7人とは打って変わり、前線の4人を構成する攻撃陣でカナダW杯から今回も招集されているのは、岩渕真奈・菅澤優衣香選手という控え組だった2選手のみ。完全に総入れ替えになっています。

<4-4-2>を継続採用し、個人よりも組織で崩す傾向が強かった佐々木則夫前監督時代。前体制から高倉監督体制への大きな変化は、<4-2-3-1>や<4-1-4-1>をメインに据え、1トップに個の能力で打開できる選手を置きたい意向にあります。

その変化の中で様々な可能性を模索する段階ですが、結果を伴わない場合は”実績組”の復帰は濃厚。クラブでの活動を優先させて今大会を欠場するFW永里優季選手や、高倉体制以降は招集外が続いているものの、アメリカでも活躍を続けるMF川澄奈穂美選手(シアトル・レイン/アメリカ)もどこかのタイミングで代表復帰すると考えられるだけに、今大会に招集されている攻撃陣にはインパクトのある結果が求められます。

【無名の逸材が台頭のトップ下】1トップ採用なら千葉が固定か?


2部のハリマ所属ながら代表に定着しているMF千葉。今大会で定位置獲得の可能性もあるシンデレラガール的存在。by h-albion.jp

その中でもトップ下のポジションが生まれる<4-2-3-1>の採用時、この役割を担うのは、2部のASハリマ・アルビオン所属のMF千葉園子選手。

1トップにこれまでの主軸だったFW永里選手のような大柄でポストプレーが巧みなタイプではなく、高倉監督は岩渕選手や横山久美選手のような個人技に長けた選手を起用。これまでは守備負担の多かったサイドでの起用により、活かしきれていなかった彼女たちの”個”を全面に出すチーム作りが高倉監督のカラーとなっています。

個人技に長けた岩渕選手らが1トップに入る際、それを支えるのがトップ下の千葉選手。これまで2トップ制でFWがこなしていたポストプレーや空中戦、攻撃の起点作りをこなし、1トップの守備の負担を軽減させる。外国人選手相手にも競り負けない身体能力の高さも活かせる千葉選手には、この役割が見事にハマっています。

他にも候補選手はいますが、オーソドックスな<4-2-3-1>で試合に入る際は千葉選手以外にこの役割を担える選手はいないため、トップ下は彼女の指定席になる可能性が高いです。

【関連記事】『2部・ASハリマ所属のFW千葉園子がなでしこジャパンの主力へ!無名選手の逆転物語!』

【有望株を脱しきれないアタッカー勢】「高倉チルドレン」長谷川に期待感!


2014年のU17W杯優勝時には準MVPに選出されたMF長谷川。恩師・高倉監督の下、フル代表でもブレイクなるか!?by fifa.com
 
そして、最も人材不足な印象が強いのが両サイドハーフやウイングに入るアタッカー。確かに個性的な若手タレントが揃うものの、前体制での世代交代の遅れもあって国際経験が不足しがちなため、”有望株”から抜け出しきれていない印象。また、右サイドに川澄選手、左サイドに宮間あや選手という偉大なる前任者とどうしても比べられてしまうため、より小粒感を漂わせてしまう部分もあります。

ただ、ここにも期待の「高倉チルドレン」として、2014年のU17W杯優勝・昨年のU20W杯3位入賞の主力だった20歳のMF長谷川唯選手が合流しています。

左サイドMFを主戦場としている長谷川選手は、豊富な運動量を前提とした中でのドリブル・パス・シュートをバランスよく使い分ける判断力や、周囲の選手と連動してFWを追い越す流動性・機動力が持ち味のチャンスメイカー。

確かに偉大なる前主将MF宮間選手のようなパスの「出し手」としての精度を誇る司令塔ではありませんが、パスの「受け手」としてオフ・ザ・ボールの動きに優れている現代型のサイドMFです。

そして、サイド起用では中島依美選手と増矢理花選手のINAC神戸コンビも有力。所属クラブで偉大な代表選手と共に過ごした時間では他の選手と比べ物にならない彼女達。中島選手はセットプレーのキッカーやミドルシュート、増矢選手は代表でも鋭さではNo.1のドリブル突破をどこまで出せるか?が注目。

前述したように、川澄選手の復帰も予想されるだけに、今大会で最も熾烈な競争が予想されるポジションです。

【個々のポテンシャルは特大のFW陣】岩渕が遂にエースに名乗り出る!


FW岩渕がエース待遇で迎えられる今大会。不動の存在となるための明確な結果が欲しい!by newspicks

最後にFW。先発の1トップには前述したようにドリブルでの打開力がある岩渕選手と横山選手の何れかが優先されそうです。

また、この2選手は共に途中出場から流れを変えるスーパーサブ役としても機能するのはすでに実証済みなだけに、今後も現代表のフィニッシュワークで重要な存在となり続けるでしょう。

フィジカル勝負の相手やリードを許す展開、相手のプレッシングに押されて中盤が作れない時、そんな時はFW菅澤選手の投入で攻撃パターンを変化。ロングボールやクロスを使った攻撃にシフトします。

そして、昨季のなでしこリーグ1部で18試合の出場で18得点を挙げ、得点女王に輝いたFW田中美南選手。彼女のスピードを活かした突破力と決定力を活かすには、所属する日テレ・ベレーザで(縦関係の)”最強2トップ”を組み、パスセンスやチャンスメイクに優れるFW籾木結花選手とのセットで観たいところ。

1トップ・岩渕&トップ下・千葉、岩渕&横山の2トップ、田中&籾木の2トップ、1トップ・菅澤&左ウイング・横山&右ウイング・岩渕などなど、様々な組み合わせが試される前線で誰が、またはどのコンビ・トリオ・ユニットが結果を残すのか?

守備陣には経験者が多いだけに、攻撃陣には思い切ったプレーを仕掛け続けてもらいたいところですね。

【関連記事】
『リスタートを共に。岩渕真奈が新生なでしこジャパンを牽引する』
『新生なでしこジャパンFW横山久美~11戦13得点で得点ランク独走の22歳新鋭FWの成長を促す「自由」と「責任」』

3月1日開幕!アルガルベ杯日程


アルガルベ杯日本戦はフジテレビ系列で全国生中継。by フジテレビ

以上のような『”個”の能力診断テスト』が実施されるアルガルベ杯は、フジテレビ系列で全国生中継(一部地域を除く)。

高倉監督体制初の国際大会となる、なでしこジャパンを応援しましょう☆

<アルガルベ杯 グループB日本戦日程>

【第1節】VSスペイン
2017年3月1日14:45(日本時間 2017年3月1日23:45)

【第2節】VSアイスランド
2017年3月3日14:45(日本時間 2017年3月3日23:45)

【第3節】VSノルウェー
2017年3月6日14:45(日本時間 2017年3月6日23:45)

<【順位決定戦】VS 未定 >
2017年3月8日14:45(日本時間 2017年3月8日23:45)

連載『今年から見よう!なでしこリーグ1部全チーム紹介』バックナンバー


by nadeshikoleague
 
そして、アルガルベ杯が終わると、3月25日からはプレナスなでしこリーグが開幕。
当サイトでは、1部全チームのクラブの成り立ちやチーム状況、注目選手などを1チームずつ紹介した連載を掲載しております。

こちらも是非、ご一読ください。

(バックナンバーは以下からご覧ください。)
【①マイナビ・ベガルタ仙台レディース編】
【②浦和レッドダイヤモンズレディース編】
【③ちふれASエルフェン埼玉編】
【④ジェフユナイテッド市原・千葉レディース編】
【⑤日テレ・ベレーザ編】
【⑥ノジマステラ神奈川相模原編】

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