ロシアワールドカップアジア最終予選、日本代表は3月の2連戦(UAE戦、タイ戦)を見事連勝しグループ首位に躍り出ました。
グループB順位表:
1. 日本 勝点16 得失点差+9
2. サウジアラビア 勝点16 得失点差+8
3. オーストラリア 勝点13 得失点差+5
4. UAE 勝点9 得失点差-3
5. イラク 勝点4 得失点差-3
6. タイ 勝点1 得失点差-16
※上位2チームが本大会出場権獲得、3位はプレーオフへ
UAE戦はほぼ完勝と言っていい内容だった一方、タイ戦では圧勝にも関わらずその内容は決して褒められたものではなく今後に不安を残しました。
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特に直近のタイ戦では長谷部、今野と相次いで離脱したボランチのポジションで出場した山口・酒井高徳選手は、初めてのタッグということもあり機能したとは言えず苦戦の原因に。
次は6月13日アウェーでイラクと対戦する日本。この試合、ハリルホジッチ監督がどのような中盤の構成で挑むのかが最大の注目ポイントとなるでしょう。
今回、中盤のオススメの組み合わせを数パターン、筆者独自の視点でご紹介したいと思います。
ちなみに今野選手は復帰できる前提(現状5月上旬〜中旬復帰見込み、長谷部は復帰未定)、またシステムはチームが機能していたアンカー+インサイドハーフ2枚(4−1−2−3)の組み合わせで考えます。
※攻撃と守備の点数は、3選手の攻撃・守備力を筆者が独自に採点、合計したものです
①絶好調男+ベテラン2名で安定感UP
by JFA
<攻撃力10 守備力12>
両インサイドハーフはUAE戦から変更なく今野と香川を起用。この試合で大車輪の活躍だった今野はやはり外しがたい。
また、香川は所属するドルトムントで見事な復活を遂げており評価はV字回復中。この勢いをそのまま代表に持ってきてもらい、『背番号10』として真価を発揮して欲しいという希望を込めた起用です。
アンカーの位置にはベテランをもう一人、浦和の阿部を推したい。
35歳となった守備のスペシャリストは、今も安定したパフォーマンスで常勝軍団を支える存在。
また2010年南アフリカワールドカップ本戦でアンカーポジションでフル出場、ベスト16進出に大きく貢献した経験は他の選手にはないプラス要因です。
安定感という意味では最適な組み合わせと思われますが、34歳(今野)と35歳の組み合わせは物議を醸し出す可能性も・・
②原口のコンバートで運動量&攻撃力UP
いつも応援ありがとうございます。
もっと強い日本代表を見せれるように頑張ります。#原口元気 #JFA #8 #Herthabsc #24 #総力戦 pic.twitter.com/xWuasNQ3nk— Genki Haraguchi/原口元気 (@Haragen24) 2017年3月25日
<攻撃力12 守備力10>
今野をアンカーへ置き、原口をインサイドハーフへコンバートするプラン。
代表ですでにボランチやサイドバックでも起用されユーティリティ性を買われている原口選手。豊富な運動量で攻守に顔を出すプレーはインサイドハーフでも十分活きると思われます。
また前回タイ戦では攻撃面で空回りした点も踏まえ、この左ウィングのポジションにマリノスの斎藤、そしてエイバルの乾という最終兵器が加わればより攻撃面で厚みが出るのではないでしょうか。
今野はアンカーのポジションでも躊躇することなく仕事を全うするはずです。
得点が欲しいタイミングで、途中から導入しても面白い組み合わせではないでしょうか。
③G大阪セット
by ガンバ大阪オフィシャル
<攻撃力10 守備力10>
ハリルホジッチ監督自身がシステム変更のヒントを得た、とコメントしているG大阪の中盤をそのまま持ってくるパターン。
クラブと同じ組み合わせにより、連携面に問題がないのもプラス要因。
特徴はアンカーに位置する遠藤保仁選手。後方から高精度のパスで攻撃を組み立て、守備ではフィルターとしてスペースを消す役割を担い、両インサイドハーフが豊富な運動量で彼を支えます。
この配置は、中盤のマエストロと呼ばれたイタリアの名MF、アンドレア・ピルロを軸に中盤を構成(アンカー:ピルロ、インサイドハーフ:ビダル、マルキージオ)した数年前のユベントスの布陣と同じ形です。
また本来ならば右は倉田ですが、ここは同じG大阪所属の若手有望株、井手口(20歳)を個人的に推したい。
ハリルホジッチ監督は3月の会見で、柴崎、大島、小林らとともに井手口の名前を挙げ、彼ら若手のメンタル面の準備不足を指摘。結果井手口も選考から外れ、代わりにベテランが多く招集されました。
しかし日本代表メンバーからも「怪物」と称される井手口選手はアンカーでもインサイドでもプレーが可能、そして強みの1つは大舞台でも気負いしないメンタルの強さが挙げれます。
一度でいいから本番で使ってみて欲しい・・・!
ACLとの連戦による疲労がG大阪選手の懸念材料ですが、絶好調の香川が今度また調子を落とした場合にいかがでしょうか・・。
④再起を図る現代表トリオ
by Skysports
<攻撃力11 守備力8>
最後に少し変わった組み合わせを。
何かと注目(と批判?)が集まる本田選手ですが、本人はタイ戦後「今後インサイドハーフで勝負したいと思っている」と語りました。
また、ミランや日本代表で起用されている右ウィングのポジションでの起用についても、「自分が下手になっているんじゃないかと思う時がある」とコメントしており、本人もベストなポジションでないと自覚しています。
個人的にも彼は中央寄りで力を発揮する選手だと思います。同じ右ウィングのポジションに久保が台頭した今、本田選手のインサイドハーフは現実的な選択と言えるでしょう。
ミランでもどこでもいい、とにかく所属クラブで出場機会を増やすことが必須ですが、今まで日本代表を牽引してきた男にはまた新たなチャレンジを続けて欲しいと願いします。
逆のインサイドハーフにはコンディションが上がらず香川にポジションを譲った形の清武を。
負傷がちな点は気がかりですが、これから調子を上げてくることが予想されます。彼は万能型のアタッカーですが、タイ戦でアシストを記録したように、セットプレーでのキッカーとしてやはり捨てがたい存在。本田と起用すれば、左右両方からのセットプレーで攻撃に厚みを増すことが可能になるでしょう。
山口は、直近2連戦で評価を上げることはできませんでした。
しかし同じC大阪の清武とのコンビネーションと、前回のイラク戦で劇的ゴールを挙げたヒーローはイラクにとって最も嫌な存在になるのではないでしょうか。
他にもまだまだいる中盤の候補
この4パターンの他にも柏木、遠藤航、阿部の浦和セットもアリですが、この3名ならば柏木のトップ下、遠藤・阿部のWボランチが現実的なので今回は選外としました。
また今回この中には入りませんでしたが、候補としては他にも永木(鹿島)、大谷、細貝(レイソル)、高萩(FC東京)、原川(鳥栖)、藤田直之(神戸)、加藤恒平(ベロエ・スタラ・ザゴラ)と行った選手も面白い存在だと思っています。
他にも、テネリフェの柴崎、広島の青山と言った選手も今後復活を果たして欲しいところですね。
みなさんのオススメはどんな組み合わせでしょうか?