クラブW杯で来日のレアル・マドリーGKケイラー・ナバス~逆境に強いコスタリカの英雄の成功物語

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レアル加入後も実力に関わらず「2番手」「トレード要員」

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 それでもブラジルW杯直後、ケイラー・ナバス選手はレバンテの格では収まらないGKとなり、国内外の強豪クラブからのオファーが殺到。

 結局、「W杯で活躍した選手を必ず欲しがる」と有名なレアル・マドリーのフロレンティーノ・ぺレス会長が獲得を決め、この『世界最高クラブ』に加入しました。

 しかし、ここでも「政治力」を持たない彼はおそらく実力とは関係なく、衰えが顕著なカシージャス選手の「2番手」となりました。

 極め付けは加入初年度のオフに、フロントはその主力だったはずのカシージャス選手を戦力外のような形で退団させた上で、マンチェスター・ユナイテッドのスペイン代表GKダビド・デ・ヘア選手の獲得に動き、さらにその獲得条件に、「ケイター・ナバスをトレード要員にする」となっていた事が公となった事。

 さらに悪い事に、そのデ・ヘア獲得オペレーションは移籍市場最終日の「ファックスの不備」により失敗に終わると、「永遠の2番手」扱いで、「トレード要員」と、フロントからは全く期待されていなかったはずのケイラー・ナバス選手は一転してチームに残留することに。
 

ピッチ内外の逆境に強いコスタリカ人GKが『世界一』へ導く成功物語

05_%e3%82%b1%e3%82%a4%e3%83%a9%e3%83%bc%e3%83%bb%e3%83%8a%e3%83%8f%e3%82%99%e3%82%b9「トレード要員」からチームに残留し、CL優勝の原動力となったナバスがビッグイヤーを掲げる。そして、日本では『世界一』の称号を掴む!by ZIMBIO

 しかし、このピッチ内外での逆境に耐えた彼は、背番号「1」を身に着け、幾度もの想定外の末にレアル・マドリーのゴールマウスを守る事に。ここでも与えれたチャンスを絶対に逃さなかった実力派のコスタリカ人GKは、シーズン途中に監督交代も起きた苦難の中、最終的にはチャンピオンズリーグでも優勝を勝ち取りました。

 昨季リーグ戦で34試合に出場してPKを3本セーブするなど相変わらずのPKストッパーぶりも健在。チャンピオンズリーグでは11試合に出場して僅かに3失点に抑えました。決勝でもPKでの勝利と、決して順風満帆なまま決勝に辿りついたわけではないチームが優勝できたのは、出場11試合中9試合を完封してきた「完封率8割超」のコスタリカ人GKの大活躍があったからこそです。

 この大活躍により、シーズン前には「永遠の2番手」で「トレード要員」となっていたはずの彼は、欧州王者に至る原動力となり、『世界最高クラブ』レアル・マドリーで絶対的な地位を確立しました。それでもフロントは未だにデ・ヘア選手の獲得を狙っているのかもしれませんが、現在のチームにはこのクラブ史上初のコスタリカ人選手が必要不可欠です。

 レバンテやコスタリカ代表で常に相手チームから攻撃を受ける側だった彼は、圧倒的に攻撃する側のレアル・マドリーでも、その逆境の強さや謙虚な姿勢を失ってはいません。

 185cm78kgと欧州では大柄ではない体格ながら、中距離でも近距離でも凄まじい反射神経で神憑り的セーブを見せ、1対1やPKにも強い。それだけでなく、彼はブラジルW杯でのコスタリカが5試合で相手に41回の驚異的な数字のオフサイドを記録させたように、DF陣とも連携できる構成力も持つ現代型のGKです。

 クラブW杯では格下チームとの戦いが待つレアル・マドリー。PKにも強く、まさかの番狂わせが起きる確率を減らしているこのコスタリカ人GKが、世界一の座へ導くサクセス・ストーリーを見届けましょう!

 最後に下積み時代となるレバンテ所属時の彼の特訓メニューも有名なため、こちらをご覧ください。偉大なGKに成長する理由がここにあるはずです!!


下積みとなるレバンテ時代の特訓メニュー

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