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「足りないものが多すぎる……」トルシエも絶句のシリア戦敗北の中身。

編集部

2020/01/15 09:30

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NEWS

AFC・U23選手権グループB、シリア対日本の試合は、誰もが予想しえなかった結末を迎えた。

日本のグループリーグ敗退が決まったこの試合を、フィリップ・トルシエはどう見ていたのか。試合終了直後、元日本代表監督フィリップ・トルシエに話を聞いた。

 ――アロー、フィリップ。

 「ムッシュウ・タムラ。私には理解できない。信じられない」

 ――試合をどう見ていますか? 

 「まず言いたいのはこれが本当の日本代表ではないということだ。そうだろう。チームに加わっていない選手がまだたくさんいる。しかし同時に本物の日本代表ではないにせよ、少し心配せざるを得ない。五輪本大会まではあと6カ月しかない。このチームには足りないものが多すぎる。

 まず野心が足りない。

 たしかにサウジアラビア戦とは少しだけ異なった試合運びではあった。よりプロフォンダー(速さと深さをもった縦への攻撃)を多用し、クロスも多かった。シュートも放った。森保(一監督)がボールをよりスピーディに前に運びたがっていたのは見て取れた。

 しかし正確性を欠くプレーが多く、ミスも目立ちボールをよく失った。右アウトサイドの22番(橋岡大樹)を別にすれば――彼は本当に素晴らしかった。彼だけが他の選手たちのレベルを大きく超えていた――選手たちはインテンシティも低くリズムも欠いていた。

 このチームは組織を欠いたし、オートマティズムの欠如も明らかだった。チームがひとつになってプレーしていなかった。

 バラバラの印象だ。

 本当に驚いた。こんな日本代表を見たことはほとんどないからだ。だから試合には失望した。日本はボールをキープしてパスによる崩しを図った。だが残念ながら、それは試合開始直後を除き、相手を危険な状態には陥れなかった。あとは試合終了直前の5分間ぐらいだが遅すぎだ。

 日本はグループリーグで敗退したというのが事実であり現実だ。大きなサプライズであるのは間違いない。たとえこのチームが五輪代表チームのBチームであったとしても、もっとましなことができたはずであるからだ。

 監督はこの敗北からいろいろ学ぶだろう。様々な選手を試して、例えば22番は及第点を得た。しかし他の選手たちは……今日はとても凡庸だった」

「選手同士のコミュニケーションを欠いている」

 ――トップで起用された上田綺世も弱さを露呈しました。

 「その通りで、彼には得点機が何度かあり、決めるべきだった。

 だがそれよりも私が気になったのは、このチームはひとつになってプレーしておらず選手同士のコミュニケーションを欠いているように見えたことだ。チームがまだ手探りの状態にあるように感じた。

 まったくオートマティズムが確立されておらず、それぞれが自分のプレーをしている。コレクティブにプレーしようとする意志が感じられなかった。いや、そもそもコレクティブな戦略もなかったように感じた。今日の日本はチームとしてプレーしていなかった。

 奇妙なことに、結論としては……試合の入りはともかく、この試合もサウジ戦と似ていたことになる。最終的に、私には同じ試合に見えた。

 シリア相手にもサウジ相手にも日本のプレーは基本的に変わらなかった。だから同じ欠点を示した。相手が低いブロックを敷いたときに日本は攻めあぐむ。相手の守備に穴を開けることができない。

 この敗北は、日本でも大きな驚きだろう?」
.

「しかしベストチームではなかった」

 ――アジアレベルではありますが、五輪本番に向けてのシミュレーションの大会でもありましたから、本番を想定したテストにしくじったと言えます。

 「しかしベストチームではなかったのも確かだ。他に誰がこのチームに加わる可能性があるのか。GKを別にして、このチームから誰か五輪のスタメンに入る選手はいるのか。ひとりもいないのではないか?」

 ――何人かは可能性があります。森保監督はグループはすでに作りあげていますが、まだ絞り込んではいませんから。

(転載元)続きは以下より。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200114-00842172-number-socc
1/14(火) 19:01配信

20200114-00842172-number-000-3-view[1]

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