ジュビロ磐田の低迷と映し出される過去とのギャップ

J1

4月21日のJ1第8節、対名古屋グランパス戦はここまでのジュビロの歯車の噛み合わなさを象徴するような試合内容に思えた。前節の静岡ダービーに次いでの敗戦、今季2度目の連敗となったこの日の戦いぶり、煮え切らないようなサッカーにみえてしまうのは何が足りないのか。

ゴールに迫るも得点を奪えず、ミスから失点

試合開始より常にボールを動かしキープを続け、相手のデフェンスを崩し切る名古屋のパスサッカーを目の前で繰り広げられたジュビロ。攻め込まれながら自陣でボールを奪うと前線のロドリゲスへめがけてのロングボール、または足元から足元へという展開力の乏しいパスばかりのため、すぐにカットされるという状況が続いた。後半、セットプレーから最後は名古屋FWジョーにゴールを許し1対0で敗れたこのゲーム、圧倒的にボールを支配され、シュート数は名古屋5本に対し磐田は13本と形は作っていたものの決め切ることが出来ないというちぐはぐさが目立っていた。

試合後、名波浩監督は「2試合連続でクリアミスからの失点なので、改善しなくてはいけないところだと思っています」と語っている。

足りないもの、取り戻さなければならないものとは

ピースは十分に揃っている。

山田大記や小川大貴ら生え抜きとも呼べるプレーヤーの他、外国籍選手もクラブの低迷期を知っているカミンスキーやアダイウントンはスタメン出場を続けており、新加入のロドリゲス、エレンもピッチ上でのパフォーマンスは期待以上と言える。最近では中村俊輔や大久保嘉人といった日本を代表する大ベテランの加入もあり、選手の顔触れは申し分ないように感じられる。

それでも、実際にフィールドに立つ選手たちから自信が欠落しているように見えてしまう。競い合いではもう一歩が出せず、ミスからの失点も目立つ。技術はあるものの強いリーダーシップを発揮する選手が見当たらないのだ。
2016年に復帰以降、常に選手を鼓舞し続けてきた大井健太郎、そして過去2年間で25得点を挙げているFW川又堅碁といった現在負傷により戦線離脱している二人のプレーヤーの復帰が特効薬となるのだろうか。それとも、昨年の参入プレーオフという土壇場で切り札としての存在感を示した五輪世代の小川航基をロドリゲスの相棒として起用し、前線の活性化を図るべきなのか。

指揮官である名波浩監督は今年で就任6年目を迎えた。J2所属時より指揮を執り、指導者としての優勝経験こそないものの、言わずと知れた『ミスタージュビロ』とも言える存在だ。首脳陣は他に、ヤマハ時代から現在まで選手・指導者として在籍する鈴木秀人ヘッドコーチや田中誠、大神友明両コーチも黄金期を生き抜いたメンバーだ。

勝ち方を見出し「ジュビロらしさ」を取り戻すにはこちらも申し分ない面子のように見えるのだが・・・。

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