Shooty

バルサを支えた男プジョル

MK

2019/04/16 12:00

2019/04/15 22:53

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NEWS

サッカーにおいて花形ポジションは、やはりフォワードだ。チームを勝利に導き最も目立つ。一方、ディフェンダー特にセンターバックは最も地味なポジションではないか。
筆者がセンターバックになったのは中学1年の時だった。所属クラブチームでは、入団テストではFWだったが、チームメイトが皆前線の選手で弱小チーム出身の筆者に選択権はなかった。DFは難しい・・の一言だった。何よりヘディングが重要と当時認識していた為、身長が低い、伸び代がない、と判断されたか?と悲観的になっていた。そんな時、小学生時の所属チームのコーチにどのような意識をして練習すればいい?など相談すると、一人のプレーヤーを紹介された。カルレス・プジョルである。筆者が選ぶ世界最高のセンターバックの一人である。
カルレス・プジョルを紹介しよう。
バルセロナのカンテラ出身で現役を通してバルセロナに身を捧げたプレーヤーである。

1999年にルイス・ファン・ハーレー監督にトップチームに収集されデビュー。2003年夏本格的にセンターバックに転向。2004年からキャプテン。2013-14シーズンに引退するまで不動のCBとして活躍。5度のリーガ・エスパニョーラ優勝、3度のUEFAチャンピオンズリーグ優勝に導いている。
スペイン代表にも選出されており、2008年のUEFA EURO2008で64年ぶりの優勝、2010年FIFAワールドカップ初優勝に貢献した。個人としても6度のUEFAチーム・オブ・ザ・イヤー、3度のFIFAチーム・オブ・ザ・イヤーなど数々の賞を受賞している。

プジョルの凄さ

彼の経歴を振り返ると、バルセロナカンテラからトップへと栄光の日々を進んだエリートにしか見えないだろう。しかし、CBとしてこれらの結果を成し遂げたからこそ価値がある。FWはゴール数で評価される。しかし、DFは、守ることが仕事である。死守して当たり前。当たり前だからこそ、目立たないポジションと評される。
CBはチームで背が高い人の担当になることが多い。味方のゴールに一番近くにいるため、空中のボールを跳ね返すためだ。プジョルは178センチとプロ選手の中だと大きくない。世界のプロ選手の中でDFは180センチ以上がほとんどだ。CBとして決して恵まれた身長ではないプジョルは、世界最高のチームで試合に出場し続けた。
彼が出場し続けた理由は何か。筆者がCBに重要と考えたのは、1vs1の強さ、危険察知の能力、安定感だ。プジョルに憧れ、何度も彼のプレーを見て、意識したすえに感じたことだ。そしてこれらは、プジョルが他の選手より突出した点である。
彼は1vs1では決して負けない。ゴール前、決して抜かれない強さを持っていた。

次に危険察知能力だが、いかに予測して動くことができるかだ。相手のキックモーションからボールの落ちどころの予測、敵の動きから次の展開の予測、危険地帯を先に考え指示をだす。1試合通して考え動き続けるクレーバーさを彼は持っていた。
最後に安定感だが、これは一言でまとめるとだ。CBはチームで最も賢くなくてはいけない。試合中考え続けなくてはいけない。味方の動きから全員のコンディション、疲労具合、試合の流れから相手選手との相性、審判の判定、時には試合を落ち着かせたり、試合をコントロールする。自分のミスは失点につながる為、ミスないプレーの徹底。前の選手が、後ろは大丈夫と安心して攻撃にスイッチできる安心感をチームにあたえる役目。
プジョル選手は非常にこれらが卓越していた。前線の選手のバルサの美しい攻撃は、彼が後方を制覇しているからこそであり、チームとしての完成はそれぞれがパーツとして役割を全うしていた。
勝利を支えたCBである。

すでに彼は引退してしまっているが、再びピッチに今度は監督として戻ってくることを私は期待している。

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