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サポーターの部室 -「CURVAさかゑ」店長インタビュー-

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天性の人たらしである。そこに飲食店店長としての打算はない。

「よくお客さんにあだ名付けちゃうんですよ。それで心の距離を縮める。すぐ仲良くなれる方だと思います。お客さんと遊びに行く機会も多いんです。ここに来る常連さんは独身も多いから誘いやすくて」と笑う柔和な表情からは常連客が多い理由が垣間見える。その物腰の柔らかさについつい話し込んでしまうお客様も多いという。「前に会話に夢中になって4時間くらい滞在したのにビール1杯で帰ったお客様がいて……」

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彼の名は手塚将之。心斎橋に店を構える串カツ屋「CURVAさかゑ」を経営して今年で11年目を迎える。同店はガンバ大阪サポーターの“溜まり場”としても有名。店内はお客さんから寄付されたというJリーググッズで溢れ、さながら部室のような居心地の良さを感じさせる。

「うちは口コミで来てくれる人が多いですね」というのも納得である。実はガンバサポーター以外のお客さんも多いという。転勤や結婚などで地元を離れたサッカー好きが店の噂を聞きつけて夜な夜な交流を楽しんでいる。そこには応援するクラブの違いや、常連・新規の垣根は存在しない。

「Jリーグサポーターは全員仲間だと思っているので、ガンバサポーター以外も是非遊びに来て欲しいですね」と話す手塚氏の気持ちは確実にお客さんにも届いている。カウンターのみ12席の店内は一見さんにとっては入りづらさもあるだろうが心配は無用だ。

「ここに遊びに来てくれれば社会的な立場は関係なく、フラットな関係性で会話を楽しんでもらえると思う。それがこのお店の良さ。ここでの出会いをきっかけに友人関係になったお客さんも多いんですよ。気軽な気持ちで一度遊びに来て欲しいですね」

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対戦相手を喰う!面白串揚げ

「僕は面白ければ何でもいいと思っているんです。笑いになればオッケー。近所にある吉本を見て育った影響もあるのかなぁ」。そんな手塚氏の性格が最も表れるのが一風変わったフードメニューだ。「対戦相手を喰う」をコンセプトに日本各地の名産を串揚げとして提供している。

「全クラブの串揚げをやったんじゃないですかね。好評だったのはガンバがJ2時代、ジェフ千葉との対戦前に販売した牛ロースに落花生をまぶした串揚げ。逆に失敗したのはV・ファーレン長崎戦前のカステラ。あれば揚げるものじゃなかった…。変わり種としては東京バナナなんてものもやりましたね」。

味よりもインパクト。インスタ映えはしないけれども、笑える。大切なのはお客さんと楽しめるかどうかなのだ。

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「儲けはあんまり気にしていない」というのは本心だろう。「お店は大きくしたくないですね。小さなお店だからこそのお客さんとの近い距離感が好きだから」。にわかファンに対する寛容性の低さを批判されがちなJリーグであるが、その批判は少なくともこの店には当てはまらない。

店内みな兄弟。サッカーファン拡大のヒントが手塚氏の接客には詰まっている。大阪を訪れる際は誰でも歓迎されるサッカー界のオアシスに立ち寄ってみては。きっとサッカーがもっと楽しくなる。

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【店舗情報】

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店名:CURVAさかゑ (クルヴァサカエ)
営業時間:ランチ 11:30〜14:00(L.O.) ディナー 17:00〜23:30(L.O.23:00)
定休日:日・祝
住所:大阪府大阪市中央区東心斎橋2-4-27 手塚ビル1F

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