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不出場の経験を糧に -東口順昭のネクストステージ-

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「おっさんジャパン」「年功序列ジャパン」などと呼ばれたサッカー日本代表はワールドカップでの好成績を一区切りとし、本格的な世代交代のサイクルに突入することが予想される。その象徴として長谷部誠選手は代表引退を表明したが、コメントからはある種の“達成感”に近い感情を窺い知ることもでき、サッカーファンも次世代へ希望を託すのは自然なこととして受け入れている。

一方、不完全燃焼に終わったベテラン選手は難しい気持ちの切り替えが求められる。このワールドカップへ道のりが苦難に満ちたものであれば尚更、4年後はあまりにも遠い。

再出発

東口順昭選手は2018年ロシアワールドカップを出場時間0分で終えた。レギュラーとして出場した川島永嗣選手にミスが続き、自身の出場チャンスが高まる中、ベンチでチームメイトを応援して過ごす精神的な難しさは想像に絶する。

過去を振り返れば、ロシアワールドカップアジア最終予選・UAE戦とタイ戦で出場チャンスが巡ってきそうなタイミングに怪我をしてしまう不運があり、直近も4月下旬に右頬と右眼窩底の骨折と、数々の逆境を乗り越えて掴み取った日本代表メンバー入りだった。だからこそ、ワールドカップへの想いは強かったはず。Jリーグでは被決定機のシュートを止めて、止めて、止めて、止めて、止めまくっても立てなかったロシアの芝。一体、何が足りなかったというのだろう。

所属クラブのガンバ大阪には同じく2006年ドイツワールドカップ大会登録メンバーに選ばれながら出場機会がなかった遠藤保仁選手がおり、レジェンドの姿や言葉からは今だからこそ改めて学べることもあろうだろう。悔しさを糧に成長し、38歳まで最前線でプレーする姿はきっと勇気になる。

ワールドカップ“未出場の経験”から何を得たのか。言葉はいらない。答えはJリーグのピッチで示してくれるはずだ。ガンバユースへの昇格が見送られて以降、エリート街道とは言えないキャリアを重ねてきた東口選手。ただ、そうした経験を力に変えてきたからこそ今がある。そんな大阪の守護神をガンバサポーターは万雷の拍手で向かい入れ、これまで以上に声援を送るだろう。再び歩み始めるその道が、きっと4年後まで続くと信じながら。

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