精彩欠くドロー決着も、気持ち切り替わっている。「アジア王者へ」埼スタは既に戦闘モード。J1 第29節 浦和1-1神戸

マッチレポート

明治安田生命 J1 第29節 浦和レッズ1-1ヴィッセル神戸/埼玉スタジアム2002

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J1 第29節 7位浦和が10位神戸をホームに迎えての一戦。浦和は代表戦に出場した遠藤 航と槙野 智章を休ませ、ラファエル・シルバがベンチスタート。阿部 勇樹がセンターバックに入り、4バックの左に久しぶりのスタメンとなった宇賀神 友弥を置き、アンカーに青木 拓矢、右サイドハーフにズラタンを起用、堀監督は4-1-4-1のフォーメーションを採用した。

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翌週の水曜日に控えているACL準決勝に向けて、この試合に勝って勢いに乗りたい浦和レッズだが、試合開始早々に、いきなり出鼻をくじかれてしまう。

GKキム・スンギョンのロングキックに走り込んだ小川 慶治朗が右サイドから中央へ切り込む。マークに付いていた宇賀神 友弥がはじき飛ばされ、GK西川 周作との一対一を難なく制されて先制点を献上してしまう。

しかし、19分に中央から右スペースに流れた柏木 陽介がズラタンからのパスを受け中央にクロス、相手ディフェンダーに弾かれたボールに、宇賀神 友弥が走り込み豪快に振り抜く。中央で待ち構えていた矢島 慎也が巧みにシュートコースを変え、浦和が同点に追いつく。

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その後、一進一退の攻防が続くが、決定機が訪れることがなく試合は終盤へ。

ペナルティーエリアに侵入したルーカス・ポドルスキーがチャンスを演出すれば、相手パスをカットした興梠 慎三がシュートを放ち、マウリシオのヘッディングシュートがバーを叩くなど、両チーム共に好機を逸し、試合はそのままタイムアップ。1ー1のドロー決着となった。

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相手の倍の数のシュートを放ちながらもゴールを決め切れなかった浦和レッズだが、試合後、選手を迎えたゴール裏から巻き起こったのは、労いの拍手ではない、鳴り止むことのないブーイングだった。

レッズサポーターが爆発させたフラストレーションの矛先は、不甲斐ない戦いに終始したチームに対する鼓舞に他ならない。この日の浦和は、余りにもレッズらしくなかった。

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記者会見に登壇した堀監督の言葉は非常にネガティブなものだった。

(堀監督) 「自分たちの今のリーグ戦での立ち位置を考えたら、勝点3は本当に欲しい。それを取ろうとゲームに入ったが、実際にゲームを戦った内容としては、引き分けることができて良かったというのが正直なところ。

多くの決定機を作られたわけではないと思うが、中々ボールを奪うことが難しく、自分たちの攻撃も中々機能しなかった部分があると思う。」と反省を口にしながらも、

「ただ、粘り強く守備をして一点に抑えられたことはポジティブに考えて、自分たちは次に中3日でACLを戦わなければいけないので、そこに向けてしっかりコンディションを整えていきたい。」と、必死に前を向こうとしている。

淡々と語る堀監督に対して、記者から質問もいつも以上に鋭いものだった。

——ネガティブなところを言われていたが、原因はどう考えているのか。
——自分たちの攻撃が出来なかったことが一番のテーマだと思うが。

もう一人が入って行く動きや、もう一人の誰かが裏に抜けだす動き。つまり、3人目の動きが皆無であったと記者たちは指摘する。

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つい一昨年前、首位を独走していた浦和レッズ、彼らが誇る圧倒的な強さと現状が余りにも掛け離れている。水曜日に控えている決戦前だからこそ、この日の姿を糧にして欲しい。会見を聴く限り、サポーターの願いは選手に届いているはずだ。

「アジア王者へ」気持ちは既に切り替わっている。

本ライター勝村大輔氏のサイトではフォトギャラリーを掲載されております。是非、ご覧くださいませ。

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