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ん?どこかで聞いたことのあるメロディ...。“夢の劇場”で流れる曲の正体とは?

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2017/02/17 21:04

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NEWS

Busby babes とは?悲しい過去を乗り越えた「赤い悪魔」


by pinterest

歌詞の中に出てくるバスビー・ベイブスとは、1945年2月19日に監督となったマット・バスビーが育て上げた教え子たちのことです。彼らが現在のマンチェスター・ユナイテッドの礎を築いたと言われています。

1930年代、マンチェスター・ユナイテッドは1部リーグからの降格を2度経験し、財政面に関しても破産寸前まで追い込まれていたという。加えて、第二次世界大戦中の1941年にはオールド・トラッフォードがナチスドイツによって破壊されてしまいました。この苦境に立たされたチームの監督に就任することは「エベレストに裸足で登るのと同じ」と言われるほどの難題でありました。

名門復活のためには、若手の育成が必要不可欠であるとユースチームの強化に着手。バスビーの改革は1948年に早くも実を結びます。自慢の攻撃的サッカーを武器に、40年ぶりのタイトルをFA杯で獲得しました。
その後、1952年にはリーグチャンピオンに輝き、見事に名門復活を遂げました。

バスビー・ベイブスのボビー・チャールトンやダンカン・エドワーズらの活躍で、1956年からはリーグ2連覇を達成し、チームの将来は明るいと思われていた。

しかし、突然の悲劇がマンチェスター・ユナイテッドを襲います。
1958年2月6日、UEFAチャンピオンズカップを戦うためにユーゴスラビアを訪れたチームは、試合を終えマンチェスターへの帰路の途中、燃料給油のためミュンヘンの空港に立ち寄った際、ヨーロッパを襲っていた大寒波の影響で、首脳陣や選手、スタッフを乗せた飛行機が離陸に失敗してしまいます。
主将を務めていたダンカン・エドワーズを含む選手8名とチームスタッフ3名の計11名が死亡。バスビー監督自身も重傷を負い、生死の境を彷徨いました。この出来事は、“ミュンヘンの悲劇”として今でも多くの人々の胸に刻まれています。

一時はフットボールへの情熱を失ったバスビーでしたが、ボビー・チャールトンを柱に据え、クラブの再建に取り組みました。1960年代に入ると、ジョージ・ベスト、デニス・ローが頭角を現し、新たな黄金期を作り出しました。ボビー・チャールトン、ジョージベスト、デニス・ローの3人は「The United Trinity」と呼ばれ、マンチェスター・ユナイテッドのレジェンドとして語り継がれています。

24シーズンに渡って指揮を執ったサー・マット・バスビー。1159試合581勝271分け307敗と勝率5割を超える驚異的な数字を残しました。

彼は1994年1月20日に84歳でこの世を去りました。
“夢の劇場”と呼ばれるオールド・トラッフォードの現在の住所は“Sir Matt Busby Way”となり、正面玄関には左手にボールを抱えた名将が笑みを浮かべながら待ち構えます。
「我が家へようこそ。」と言わんばかりに、今日もスタジアムにやってくる多くの人々を迎えています。

オールド・トラッフォードに佇むSir Matt BusbyとThe United Trinity。

by 4travel.jp


by wikipedia

目指すは聖地ウェンブリー。歌詞に登場するケ・セラ・セラって?


by jp.uefa.com

ウェンブリー・スタジアムと言えば「フットボールの聖地」と呼ばれるスタジアムです。サッカーイングランド代表の公式戦や、世界最古のカップ戦であるFAカップのセミファイナルとファイナルが開催されるスタジアムです。サッカーだけではなくコンサート会場としても利用されています。

ウェンブリー・スタジアムのキャパシティは驚異の90000を誇ります。バルセロナの本拠地である「カンプ・ノウ」に次いでヨーロッパ第2位の大きさです。
現在のウェンブリー・スタジアムは2007年に旧スタジアムを解体したのちに建設されたものです。
1番目を惹くのは、シンボルとなっている屋根のアーチではないでしょうか。このアーチは地中35mに根を張り、地上135mの高さに位置し、ロンドンの空に見事な放物線を描いています。

歌詞に登場する、ドハーティーとアトキンソンは当時マンチェスター・ユナイテッドを指揮していた監督であり、FAカップを制覇しています。
この大会はFA(サッカー協会)に加盟しているチームであるならプロ・アマ問わず出場することが出来る大会です。下のカテゴリーのチームが上のカテゴリーのチームを倒すジャイアント・キリングが起こることが魅力のひとつです。現在ベスト16が出揃っています。史上初の5部リーグのチームが2チーム残っている今シーズンのFAカップ。リンカーン・シティ(5部)はアウェイでバーンリーと、サットン・ユナイテッド(5部)はホームでアーセナルと対戦します。ジャイアント・キリングは起こるのか?要注目です!!

マンチェスター・ユナイテッドは昨シーズンのFAカップを制し、アーセナルと並んで最多の12回の優勝を経験しています。
イングランド最強を決するこの大会を制覇することがいかに重要であるかは、歌詞の中に何度も登場することが物語っています。
ユナイテッドはアウェイでブラックバーン・ローヴァーズ(2部)と対戦します。連覇に向けてサポーターの応援にも熱が入ることは間違いないでしょう。

「ケ・セラ・セラ」、これは1956年にアメリカで公開された「知りすぎていた男」という映画の主題歌で使用されたフレーズです。1度は耳にしたことがあると思います。「なるようになる」との意味が込められているそうです。

「Glory Glory Man United」の歌詞の中では、ユナイテッドの強さを目の当たりにした人たちが「ケ・セラ・セラと歌うだろう」と記されてあり、ここでの解釈は、「なるようになる」=「強いユナイテッドが結局勝つ」つまり、とやかく言っても仕方がないと言わせるほどのビッグクラブであることを表現しているのではないかと考えています。
このように、クラブを愛するサポーターが誇りを持ち、クラブを支えようという思いがこの「Glory Glory Man United」には秘められていると感じました。

日本においては浦和レッズのサポーターの皆さんが、さいたまスタジアムで試合後に選手と一緒に歌う素晴らしい光景を目の当たりにしたことがあります。
是非他のJクラブでも、スタジアムに観戦に訪れたサポーターが一体となれるようなクラブソングを作ってもらいたいと思っています。そして日本のサッカー文化が生活の一部として根付くことを心から期待したいと思います。

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