バイエルン・ミュンヘンのキャプテン、フィリップ・ラーム選手(33歳)が今シーズン限りでの引退を表明しました。
今シーズンもトップレベルのパフォーマンスを見せており、またバイエルンとの契約も2018年まで残していることもあり周囲からは驚きと引退を惜しむ声が相次ぎました。
歴代のドイツ人レジェンド、ベッケンバウアー、G・ミュラー、ルンメニゲ、マテウスらとも肩を並べる存在とも言われるラーム選手、その凄さはどこにあるのでしょうか?
チームを優勝に導く名キャプテン
バイエルン・ドイツ代表での主な獲得タイトル:
ブンデスリーガ:7回
DFBポカール:6回
UEFAチャンピオンズリーグ:1回
FIFAクラブワールドカップ:1回
FIFAワールドカップ:1回
ラーム選手は11歳でバイエルンの下部組織に入団、途中レンタル期間はありますがバイエルン生え抜きの選手として活躍し2011年からはバイエルンの主将となりました。
上記の通り国内リーグを筆頭に様々なタイトルを獲得しておりますが、2012-2013シーズンにはブンデスリーガ、DFBポカール、そしてチャンピオンズリーグの3冠を達成、バイエルン黄金期の象徴となりました。
また、キャプテンとしてチャンピオンズリーグとワールドカップ両方で優勝した史上4人目の選手でもあります。
ちなみに先日バイエルンでの出場数が500試合を超えましたが(史上6人目)、ラーム選手が出場したこの500試合のうち、実に477試合が先発出場、そして333勝という素晴らしい数字を残しています。
最もインテリジェンスのある選手
世界最高の右サイドバックの1人と言われるラーム選手。
サイドバックながらゲームメーカーとしての役割を担い、パスやドリブルで攻撃の起点として機能します。特にキープ力に秀でており、彼がボールを奪われるシーンは滅多にお目にかかりません。
また守備力も高く評価されておりますが、2014年9月から2015年11月まで1年以上ノーファールだったという記録が残っており、いかにクレバーに守備をこなしているかが分かります。
また、2013年バイエルンの監督に就任した名将グアルディオラの元では中盤でも活躍しました。
戦術家として知られるグアルディオラ監督のサッカーに瞬時に適応したラーム選手、同監督は彼を「出会ってきた中で最もインテリジェンスのある選手」と称えました。
翌年のブラジルワールドカップでも試合に応じてMFとDF両方でプレー、まさに大車輪の活躍でチームを優勝に導きました。
ちなみにラーム選手のゴールといえば、2010年南アフリカワールドカップ初戦で決めたこのミドルシュートが有名ですね。
トップパフォーマンスを維持できなくなった
まだまだ十分プレーできるであろうラーム選手、その引退の理由は何なのでしょうか。
自身のFacebookでラーム選手は、「キャプテンとして常にトップパフォーマンスを維持することが重要だが、来季以降も維持することが困難であると気づいた」と綴っており、ベストな状態でなければ引退という彼の潔い姿勢がコメントから見て取れます。
また、将来はバイエルンに戻り仕事をするとも公言しています。
世界の名将をうならせた頭脳派プレイヤー、今度は監督として活躍する姿が見たいですね!