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【連載】ワールドカップ初心者向けマニュアル 第2回 ここを見よう!大会展望(グループA〜D編)

Dr.Wildcat

2018/05/11 08:27

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ワールドカップ初心者向けマニュアルということで始めたこの連載も2回目となるが、今回からは本大会の内容に踏み込んで見どころとして、全グループリーグからA〜Dの展望をまとめさせて頂く。

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■2018 FIFAワールドカップ グループリーグ組み合わせ

【グループA】ロシア、サウジアラビア、エジプト、ウルグアイ

【グループB】ポルトガル、スペイン、モロッコ、イラン

【グループC】フランス、オーストラリア、ペルー、デンマーク

【グループD】アルゼンチン、アイスランド、クロアチア、ナイジェリア
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【グループA展望】不気味な開催国、古豪、アフリカと中東のダークホース

このグループAは開催国ロシアを中心に、バラエティかつ読めないチームが集まった。
ホームアドバンテージによるロシア優位ということもあり、ウルグアイ、エジプト、サウジアラビアの3国は他のグループリーグと異なるやりにくさを持つこととなる。

ただ、ロシアの実力面を考えると決勝トーナメントに進める可能性はそこまで高くないと考える。
エースのココーリン(ゼニト・サンクトペテルブルク)が、3月のヨーロッパリーグで右膝に大怪我を負ってしまい本大会の欠場が濃厚となった。3月の親善試合(vsブラジル、vsフランス)でも1得点6失点と攻守でピリッとしない内容となっている。

突破の大本命はやはりウルグアイではないだろうかと考える。
今季のリーグ1(フランス1部リーグ)得点王を確実にし、名実ともにパリの王となったカバーニ(パリ・サンジェルマン)、クラブでもメッシの相棒として大活躍のルイス・スアレス(FCバルセロナ)と南米随一にして大会屈指のツートップはあまりにも強力である。

守備においても、ムスレラ(ガラタサライ)という不動の守護神を持ち、最終ラインのゴディン(アトレティコ・マドリード)がリーダーとしてまとめる。過去2大会を経験するベテランと有望な若手が交じることにより、上位進出においてスキが無い布陣を敷けるチームの一つであろう。

ここで不気味な存在となるのがエジプト。サッカーファンにとっても良いサプライズとなった、今季のプレミアリーグ(イングランド1部)得点王のサラー(リヴァプールFC)の覚醒である。
35試合31得点(5月9日現在)という驚異的な得点力で世界屈指のストライカーとなった。
彼を最強の切り札としてどう攻め込み、このグループをかき乱すか見ものである。

残ったサウジアラビアであるが、スペインサッカー連盟とのパートナーシップにより、ラ・リーガ(スペイン1部リーグ)に選手を送り込んだが、実績を残しているとは言い難く代表に還元できるのかも疑問な状況。また、日本もびっくりの1年間で3人の監督をすげ替えるという荒業を行っている。よほどのことがない限り上位進出は厳しいと考える。

【順位予想】
 1位 ウルグアイ 2位 エジプト 3位 ロシア 4位 サウジアラビア

【グループ注目選手】
(ウルグアイ)
 エディソン・カバーニ(パリ・サンジェルマン)
 ルイス・スアレス(FCバルセロナ)

(エジプト)
 モハメド・サラー(リヴァプールFC)

【グループB展望】イベリア半島がもたらす世界水準の大決戦

2016年のEURO(欧州選手権)で涙の初優勝を果たしたポルトガル。2014年の前回大会はグループリーグ敗退となりながらも、2010年の南アフリカ大会優勝、2012年欧州選手権優勝後のメンバーから着実に世代交代を遂げ進化したスペインのイベリア半島2強があまりにも際立っているグループである。

ポルトガルには説明不要のワールドクラスのスーパースター、クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード)がおそらく年齢的にも最後のワールドカップとなることもあり気合は十分。
リーグ戦においても2位となる26試合25得点(5月9日現在)と相変わらずの大爆発である。
ただ、ネックなのは彼をレアル・マドリード時と同じくらい自由にプレーさせることができるかどうか?ポルトガルもタレント揃いだが、アンドレ・シウバ(ACミラン)、モウチーニョ(モナコ)、マリオ(インテル・ミラノ)がどれだけ彼のマークを散らせるかがポイントである。

そして、そのタレント力で言えば確実に今回のスペインは上であろう。
モラタ(チェルシー)、イスコ(レアル・マドリード)、シルバ(マンチェスター・シティ)、そしてここ数日日本でも話題のイニエスタ(FCバルセロナ)と攻撃陣は1人1人がワールドクラス。
守備においても、セルヒオ・ラモス(レアル・マドリード)、ピケ(FCバルセロナ)のツインタワーの向こうに、赤い悪魔の守護神であるデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)が控えるあまりにも恐ろしい布陣である。ワールドカップ初優勝を遂げた2010年以上のタレント力でもう一度世界一を奪還すべくロシアに乗り込む。

モロッコはベナティア(ユベントス)を中心にした守備が売りで、FIFAランキングでアジア最高順位をキープするイランもいるが、どうしても上位2チームへ見劣りしてしまう状況である。

【順位予想】
 1位 スペイン 2位 ポルトガル 3位 モロッコ 4位 イラン

【グループ注目選手】
(ポルトガル)
 クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード)

(スペイン)
 ダビド・シルバ(マンチェスター・シティ)
 イニエスタ(FCバルセロナ)
 イスコ(レアル・マドリード)
 セルヒオ・ラモス(レアル・マドリード)

【グループC展望】シャンパンサッカーに待ったをかける各大陸の曲者

1998年にワールドカップ初優勝を果たした際のキャプテンであるデシャンが率いて6年近くになるフランスは、近年稀にみるレベルで各ポジションに逸材が揃っている。
そこに待ったをかけるのは、確かな実力がありながら本大会に縁のなかった南米の雄ペルーと、デニッシュ・ダイナマイトと呼ばれる北欧の古豪デンマーク。そして、アジアにおける日本の天敵として立ちはだかったオーストラリアと各大陸の曲者が集まった。

まず実力が突出しているフランスだが、中盤の底から最前線にはとてつもない戦力が揃う。
中盤には、2016年に当時の移籍金世界最高額となる1億500万ユーロ(約140億円)で、イタリア王者ユベントス⇒赤い悪魔マンチェスター・ユナイテッドに移籍したポグバ。
2015-16シーズンにイングランドで「世紀の番狂わせ」と呼ばれた、レスター・シティが創設132年目でプレミアリーグ初優勝を遂げた際のMVPであるカンテ(チェルシー)がいる。
そして、最前線にはグリーズマン(アトレティコ・マドリード)、エムバペ(パリ・サンジェルマン)、ジルー(アーセナル)、デンベレ(FCバルセロナ)など誰を止めればよいのか分からないレベルである。

対するペルーは、同国のゲレーロ(CRフラメンゴ)がエースとしてチームを牽引する。
ゲレーロは昨年の12月にコカインの陽性反応が発覚し、危うくワールドカップ欠場となりかけたが、その後6ヶ月の出場停止処分へと軽減されなんとか本大会に間に合う形となった。
それ以外では、中盤のタピア(フェイエノールト)、クエバ(サンパウロ)、ベテランでロシアのクラブに在籍するファルファン(ロコモティフ・モスクワ)、英雄のピサーロ(1FCケルン)の復帰があるのかも見ものな実力国である。

そしてデンマークであるが、ここは正直言って対戦相手としては非常に厄介なチームである。
強固な組織力に裏付けられた攻撃と守備が大きな強みであるが、2016-17シーズンのエールディビジ(オランダリーグ1部)の得点王であるヨルゲンセン(フェイエノールト)、イングランドで確かな実績を誇る技巧派のエリクセン(トッテナム)が攻撃の鍵を握る。
守備においては、キャプテンのケア(セビージャ)が大黒柱としてバッチリと抑え、守護神には岡崎慎司のチームメイトであるカスパー・シュマイケル(レスター・シティFC)が控える。
個人的には、同国の伝説的存在であるピーター・シュマイケルの息子であるカスパーに注目している。かつては不安定なキーパーであったが、一昨年のプレミアリーグ優勝を経験してからは
父親に匹敵する実力を手にしたのではないかと感じている。

そして、アジアではトップクラスながらも世代交代の波で未だに39歳のケーヒル(ミルウォール)に頼らざるを得ないオーストラリアは苦戦が強いられると感じている。
ここも日本と同じく今年1月に監督を変えており、経験豊富なベルト・ファン・マルバイク監督(※オランダを率い2010年ワールドカップ準優勝監督)がどこまでチームの精度を上げているかが注目である。
ディフェンダーの主軸であるデゲネク(横浜F・マリノス)、ゴールキーパーのランゲラック(名古屋グランパス)といったJリーガーがワールドカップで戦う姿もぜひ見てほしい。

【順位予想】
 1位 フランス 2位 デンマーク 3位 ペルー 4位 オーストラリア

【グループ注目選手】
(フランス)
 アントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリード)
 キリアン・エムバペ(パリ・サンジェルマン)
 ポール・ポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)
 エヌゴロ・カンテ(チェルシー)

(デンマーク)
 クリスティアン・エリクセン(トッテナム・ホットスパー)
 ニコライ・ヨルゲンセン(フェイエノールト)
 シモン・ケア(セビージャFC)
 カスパー・シュマイケル(レスター・シティFC) 

(ペルー)
 パオロ・ゲレーロ(CRフラメンゴ)

(オーストラリア)
 ミロシュ・デゲネク(横浜F・マリノス)

【グループD展望】唯一神をいかに封印するか?

アルゼンチンの強さに関して今更何を言うかということもない。
未来永劫現れるかどうかも分からない唯一無二の神様リオネル・メッシ(FCバルセロナ)が、前回大会の準優勝という結果を胸に今大会に臨む気持ちは高いものがあるであろう。
そこにワールドクラスの中盤を誇り、実力は彼らに勝るとも劣らない東欧の雄クロアチア。
ワールドカップの常連にして熾烈なアフリカ地区最終予選を突破したナイジェリア。
そして2016年のEURO(欧州選手権)で世界に衝撃を与えたアイスランドと一癖も二癖もある国が揃った。

まず、アルゼンチンの戦力だがアタッカーが豊富過ぎるレベルにある。
神の領域に入っている説明不要の男メッシ(FCバルセロナ)を筆頭に、イグアイン(ユベントス)、アグエロ(マンチェスター・シティ)、ディ・マリア(パリ・サンジェルマン)など
誰が出ても点が取れてしまうような布陣が引けることである。
ただ、南米地区最終予選ではこのアタッカー陣がとてつもない不振に陥った。原因として替えのきかないメッシが不調に陥ると、ドミノ倒しの如くチーム力が落ちるのである。本大会も彼のコンディション次第ではグループリーグ敗退の可能性もある不思議なチームである。

安定性という面ではクロアチアが上手かもしれない。大ベテランにしてゲームメーカーであるモドリッチ(レアル・マドリード)、彼との相互作用で中盤の底から安定をもたらすラキティッチ(FCバルセロナ)やマンジュキッチ(ユベントス)、カリニッチ(ACミラン)の前線のアタッカー陣を中心にチームが円熟期を迎えている。
1998年フランス大会で3位を収めたボバン、シュケルら黄金世代を超える準備は整っている。

ナイジェリアもモーゼス(チェルシー)、イウォビ(アーセナル)、これまた岡崎慎司とクラブチームでレギュラー争いをしているイヘアナチョ(レスター・シティ)など前線のアタッカー陣は実績は十分。ここも勢いに乗せると非常に怖い存在である。

アイスランドはシグルドソン(エヴァートン)を中心とし、経験も実績もさらに上回る他国を相手にどこまで張り合うかが見ものである。世界のサッカーファンを2年前に驚かせたように、今大会でもジャイアントキリングを見せてくれるかもしれない。

【順位予想】
 1位 クロアチア 2位 アルゼンチン 3位 アイスランド 4位 ナイジェリア

【グループ注目選手】
(アルゼンチン)
 リオネル・メッシ(FCバルセロナ)
 セルヒオ・アグエロ(マンチェスター・シティ)
 アンヘル・ディ・マリア(パリ・サンジェルマン)
 ゴンサロ・イグアイン(ユベントス)

(クロアチア)
 ルカ・モドリッチ(レアル・マドリード)
 イバン・ラキティッチ(FCバルセロナ)
 マリオ・マンジュキッチ(ユベントス)
 ニコラ・カリニッチ(ACミラン) 

(アイスランド)
 ギルフィ・シグルドソン(エヴァートン)

(ナイジェリア)
 ヴィクター・モーゼス(チェルシー)
 アレックス・イウォビ(アーセナル)
 ケレチ・イヘアナチョ(レスター・シティ)

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