今夏に行われるEURO16フランス大会の注目選手を挙げていく当連載。第2回はクリスティアーノ・ロナウド…ではなくそのロナウドの出身クラブ、スポルティング・リスボンで活躍を見せたMFジョアン・マリオを取り上げます。
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例えるならマルキージオの万能型攻撃的MF
現在イングランド・プレミアリーグ強豪のチェルシー、同胞モウリーニョ氏を招聘したマンチェスター・ユナイテッド(マンチェスター・U)、リーグ・アン王者パリ・サンジェルマン(PSG)への移籍が噂されているマリオ。
13-14シーズン後半にセトゥーバルで台頭し、その翌シーズンからスポルティング・リスボンで活躍するこのMFの武器は万能性です。運動量に得点力、さらにはパスセンスも兼備しているというマルチツールプレイヤーである彼は更に中盤全域に対応できるポリバレンスも併せ持ち、ポルトガル人選手ではバルセロナで活躍した司令塔デコや現モナコのジョアン・モウチーニョに例えられます。もっとも、タイプが1番近い有名選手はイタリア代表のクラウディオ・マルキージオでしょうか。
アンカーにも対応できる点を含め、全ての仕事を平均以上にこなせる特徴はマルキージオを彷彿とさせます。今季のスポルティングではMFながら7ゴールを挙げ、一気にメガクラブから注目を集めるように。先ほども触れたように、特に中盤の得点力を重要視する傾向のあるプレミアリーグのクラブからの引きが強く、チェルシーは、プレースタイルから鑑みて、フランク・ランパード(現ニューヨーク・シティ/元イングランド代表)の後継者として狙っていると思われます。
マンチェスター・Uは狙っていたレナト・サンチェス−こちらもポルトガル代表、なんと18歳−がこのほどバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)に移籍したことでターゲットをマリオに切り替えたようです。PSGに関しては手薄な中盤のバックアッパーとしての獲得を考慮しているようで、戦力的には噂の上がっているクラブでは最上位ですが適切な移籍先ではないかもしれません。
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大会中の成長に期待できる素養あり。
そんな目下評価上昇中のマリオでも、競争力の高いポルトガル代表の中盤でスタメンを奪えるかどうかはわかりません。しかし、それでも今回取り上げたのは「大会中に伸びる可能性」を秘めているから。マリオのように一芸に秀でたタイプではないもののスタミナのある選手はあらゆる局面に絡むため、ハイレベルな大会に出れば周囲との刺激も相まって急成長する可能性が大いにあるのです。
EUROで完全開花してチェルシーなりマンチェスター・Uなどに栄転すれば世界的選手になる未来が見えてきます。選手品評会という側面も持つEUROをステップボードに大きく羽ばたけるか。”スーパーマリオ”のジャンプのような飛躍を、ポルトガル黄金世代と称される1993年生まれの代表格に期待です。
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