エヴァートンを率いるカルロ・アンチェロッティ監督(61歳)の記者会見が話題になっている。英国営放送局『BBC』などが伝えている。
エヴァートンは今月1日、3位につけるレスターを2-1で下した。これで再開後は2勝1分と無敗を維持しており、本格的にヨーロッパリーグ出場権を目指せるわけだが、そのレスター戦に向けたリモート会見でちょっとした“事件”が起きていた。
6月下旬、プレミアリーグの各クラブは放出選手リストを発表した。エヴァートンも3選手が6月いっぱいで退団することを発表しており、その中には生え抜きの古株の名前もあった。そのため会見でBBCの記者が「11年も在籍したルーク・ガーバットを放出しましたが、理由を教えてください」と指揮官に質問をぶつけたのだ。
するとアンチェロッティは「誰?」と聞き返したのである!
記者が「ルーク・ガーバットです」と再度伝えたのだが、アンチェロッティ監督は困惑した様子で隣に座っているクラブ広報に確認。そのやりとりでもアンチェロッティは「ルーク、誰?」と聞き返していた。そしてリモートの画面に向かって「申し訳ないが、分からない」と告げたのだ。
27歳のガーバットは、2009年にリーズからエヴァートンのユースチームに加入して以降、11年間も所属してきた古参だ。2012年にデビューを果たし、14/15シーズンにはプレミア4試合に出場した。しかし近年は出番がなく、昨季はオックスフォード・ユナイテッド(3部)、今季はイプスウィッチ(3部)にローン移籍。そのまま6月末でエヴァートンとの契約が満了して退団したわけで、昨年12月に監督に就任したアンチェロッティが彼を知らないのも無理はない。
とはいえ、ガーバットからすれば、監督から「誰?」と言われて放出されたのだからショック以外のなにものでもない。それでも同選手は大人の対応で「誤解しないで欲しいが、他の選手なら失礼だと思うところを僕は面白いと思うようにしたのさ」とツイート。さらにアンチェロッティの会見の動画をアップして「監督に非はない。クラブの責任だ。それにしても爆笑だね」と書き込んだのだ。
It’s not his fault its the clubs however it’s a belter tho 🤣🤣🤣🤣 https://t.co/04DUp6M20Q
— Luke Garbutt (@luke_garbutt) June 30, 2020
そのあとで「カルロ、あなたが手放したのはこれさ」と自身のプレー集までSNSに投稿した。
There you go Carlo look at what your missing @Everton 😅 pic.twitter.com/kh0Q51lj8K
— Luke Garbutt (@luke_garbutt) June 30, 2020
実は会見の当日、ちょうどエヴァートンとの契約が満了したガーバットは、こんな書き込みをしていたのだ。「今日、11年間過ごしたエヴァートンとの契約が正式に満了した。エヴァートンは僕の人生において大きな存在だし、誇りを持ってプレーしたクラブだ。浮き沈みはあったけどね。エヴァートンのますますの活躍を祈っている。」
その直後にアンチェロッティの会見があったわけだが、11年間もお世話になったクラブに対しては、感謝こそあれ、恨みなどないのだ。