21日(日)に行われたマージーサイド・ダービーは、無観客のせいで“音”が気になった。
現地放送局はゲーム会社と協力し、試合展開に応じてファンの歓声やチャントを流すなどの努力をしている。そして“偽歓声”が気に入らない人のためには、選手や監督の声が鳴り響く“会場音声”の放送も用意している。まさに至れり尽くせりだ。
Explanation behind plane that disrupted Sky Sports coverage of Everton and Liverpool #EFC https://t.co/jZFTpacjuf
— Everton FC News (@LivEchoEFC) June 21, 2020
しかし今回は、どちらで観戦しても気になる“音”があった。試合開始時に「ブ~ン」という音が鳴り続けていたのである。それは日本の放送でも聞くことができ、とりわけキックオフ前の黙祷で会場が沈黙したときには、耳ざわりに感じるほどうるさかった。
実はこれ、グディソンパークの上空を飛び回ったセスナ機のエンジン音だという。飛行経路を確認できるウェブサイト『Flight Radar』にも、スタジアムの上空を何度か旋回するセスナ機の経路が記録されていた。
地元紙『Liverpool Echo』によると、このセスナ機を飛ばしたのはエヴァートンのサポーターグループ『The Blue Union』だという。同グループは、セスナ機の写真と共にツイッター上でこんな声明を発表。「恥を知れ、ブリティッシュ・エアウェイズ。4万2000人もの忠実な従業員を“クビ&再雇用”しようとするなんて。彼らにレッドカードを。」
#WSAG When Skies Are Grey…. at Goodison Park.
Shame on British Airways in its attempt to #FireAndRehire 42,000 loyal employees.
The Scouse Nation support you every step of the way.
Its time to give #BA the Red Card#Solidarity Bothers and Sisters pic.twitter.com/NEdFB2KR8J
— The Blue Union (@TheBlueUnion) June 21, 2020
コロナ禍の煽りを受けたイギリスの航空会社『ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)』が、多数の従業員を一度解雇し、賃金を下げて再雇用する案を検討中だという。今回のセスナ機は、それに対する抗議活動だったのだ。そのため機体には「#BA 裏切り行為」というバナーが付けられていたのである。
プレミアリーグの再開で、平穏な日常が戻ってくるかに思えたが、それにはまだまだ時間がかかりそうだ……。