サッカーというスポーツにおいて、定位置を掴むまで最も困難を極めるのがGKというポジションだ。たった一つしかないその座を得る為には技術はもちろん、監督やチームメイト等の信頼も含め、多くのライバルたちの中で誰よりも上まらなければならない。
東京五輪の日本代表正GK候補の一人、大迫敬介は今季、所属のサンフレッチェ広島で開幕からレギュラーとして出場を続けている。来月には20歳を迎えるが、十代最後の半年間でプロデビューからフル代表まで登り詰め、現在もまさに未知の戦いにその身を置いている真っ只中だ
レギュラーを掴み連続無失点のクラブ記録も
リーグ戦では中断前までの全ての試合でゴールマウスに立ち、第2節の磐田戦から5試合連続で無失点を記録した。ACLでもPK戦で勝利した2月19日のチェンライユナイテッドとのプレーオフをはじめ3試合にも出場、アウェー戦も経験しており「背番号38の守護神」は2019年、想像を超える飛躍を遂げている。
Jリーグの激戦を潜り抜けてきた大迫には6月、さらなるステージが待っている。日本で行われる国際親善試合、さらにコパ・アメリカと、両代表にメンバー入りを果たしており、言うまでもなく指揮官である森保監督の期待の表れといって良いだろう。6月5日のトリニダードトバゴ戦では出場は無かったものの、ベンチから初めてのフル代表のピッチを感じていた。国内でのAマッチ、また世界中からスターの集うコパ・アメリカを経て、GKとしての経験値を高めることは間違いない。
日本代表の守護神を目指しての戦い
もちろん、ともに来年の東京五輪を目指すGKは猛者揃いだ。
コパでもチームメイトとなる大分の小島亨介はこれまでU22世代各大会でレギュラーを張り続けた。
トゥーロン国際に出場しているオビ・パウエルオビンナや波多野豪は190㎝を越える長身を誇り、スペインを主戦場にする山口瑠伊など、何れも強力なライバルが居並び、それぞれの舞台で持ち味を発揮し続けている。
その中でも大迫は初の国際Aマッチ後、「チームでのパフォーマンスが評価されここ(A代表)にきていると思っている。」「オリンピック、ワールドカップで自分がピッチに立たないといけない」と語り、自身を覗かせるとともにしっかりと先を見据えた。クラブでの戦い、そして代表というステージで磨かれることで大迫敬介のポテンシャルはこれまで以上に発揮されていくはずだ。若き守護神の成長がみられるのはこの上なく楽しみであり、そして、頼もしい。
同じ大迫。同じ鹿児島県出身。
代表の地で一緒にサッカーができるとは。
次は同じピッチに立てるように頑張ります。 pic.twitter.com/GyTK6hYTC8
— 大迫 敬介 / Keisuke Osako (@keisuke_0728) 2019年6月10日