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東京五輪世代期待のプレーヤー① 法政大学 上田綺世

佐藤文孝

2019/06/03 07:45

2019/06/02 22:08

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NEWS

東京五輪を1年後に控え、様々なメンバーに大きな注目が集まっていく中、大学生の上田綺世がコパ・アメリカへの日本代表に選ばれた。「これまでの積み重ねが実を結んで、大きな一歩を踏み出せる」と喜びを語った。想像を超えるであろう大舞台において、相手ゴールを脅かす存在としての期待が大きい。
 

記憶に新しい韓国との120分に及んだ激闘

 昨年9月に行われたジャカルタアジア大会。決勝の韓国戦でスタメンでの出場を果たした上田綺世は最前線にポジションを取り、序盤から身体を張る役割をこなし続けた。

21歳以下の選手で構成された日本に対し、大会の年齢上限となる23歳までの選手の他、オーバーエイジも加えた韓国は序盤から日本を圧倒し攻め続ける。攻め込まれる日本の攻撃は自陣からのロングボールが増える中、そのボールの受け手となる上田が競い合いにおいて尽く相手に競り勝つシーンが繰り広げられた。さらにパスを繋ぐ場面でも、上田は前線でキープしながら、相手を背にボールを収め攻撃の起点となる等、屈強な韓国DFに決して当たり負けしないフィジカルの強さを発揮した。そして延長後半、セットプレーからヘディングで一矢報いるゴールを叩き込んだ際も、身体をぶつけ合いながらの力強いゴールだった。

現在、法政大学2年の上田綺世は2021年からの鹿島アントラーズ入団が内定しており、コパ・アメリカには大学生として9年振りにA代表に選出される等、大きな話題となった。アジア大会の死闘から数ヶ月で若き点取り屋は一気に日本代表まで駆け上がった格好だ。

未知の戦いの舞台でもゴールの期待

今回のコパ・アメリカへ挑むチームは様々な制約によりメンバーの半数以上を来年の五輪世代が占めている。発表後、海外メディアからは「Bチーム」とも評され、権威のある大会に参加する一国の代表として疑問の声も少なくなかった。そして当然の如くJリーグ勢や海外組で構成されるチームの中、上田は唯一の大学生である。

但し、カテゴリーがフル代表であることは揺るがず、紛れもない国際Aマッチとしてカウントされる。他の初代表のプレーヤーと共にピッチを踏んだ瞬間、キャップ数が選手としてのキャリアに刻まれることとなる。そして目の前の相手は規格外の世界トップクラスだ。だが、怯むことなく「自分がどの程度の選手なのか自分の中で測るチャンス」と冷静さを失わずに大会への意気込みを口にしている。

昨年の韓国戦ではヘディングだけでなく、ドリブルやスペースへの動きなどでのチャンスメイクもあり、ストライカーとしてのポテンシャルの高さを証明してみせた。さらには大会を通して途中出場が続いた中、試合を決める劇的なゴールも奪っている。

勝負強さも備えている東京五輪世代のエースが、まずはコパ・アメリカの舞台で、居並ぶ南米の強豪を相手にどれだけ爪痕を残せるか楽しみでならない。そして劣勢が予想される日本に救世主が表れるとしたらこの男になる予感も、大会が近づくにつれ膨らんでいる。

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