今シーズン下位に沈む両チームの対決。ここまで結果が出ない中で、ともにシステム、メンバーを固定できず悪循環に陥っている印象を受ける。
しかし水曜のルヴァンカップではベガルタはグループステージ突破を決め、そしてガンバは勝利を挙げるなど、その良い流れをこのリーグ戦にも継続させたいなかでの試合となりました。
マッチレポート
ホームの仙台は4バックの布陣でルヴァンからの流れを継続。対するガンバは快勝したルヴァン磐田戦から矢島が今季リーグ戦初先発となるなど前節から5人入れ替え
を行い、MF遠藤保仁は今季初のベンチスタートとなりました。
前半は仙台MF松下のゲームメイクから仙台両サイドバックの攻め上がりや、FWジャーメイン良、ハモンロペスの2トップがよくボールを引き出しゲームを優位に進めていました。
2トップへのロングボールで何とかチャンスを窺うかたちとなったガンバでしたが前半32分相手のミスから先制に成功します。MF矢島の蹴ったCKに対してGKシュミットダニエルが飛び出すも
ボールに触れることができず背後にポジショニングしていたDFキム ヨングォンのヘディングが決まりガンバが先手を取ります。
その後も攻め続けた仙台でしたがGK東口の好セーブもあり前半終了間際まで無得点で進みます。
このまま終了かと思われたアディショナルタイムに仙台DF永戸のミドルシュートがガンバDFにあたりゴール。同点として折り返すことに成功します。
後半はやや盛り返しアデミウソン、倉田などの細かなパスワークからチャンスを作り出すガンバに対して仙台は交代カードを効果的に使いながら
逆転狙います。ゲーム終盤ガンバはアデミウソンに代えてトップ下の位置に遠藤を投入し、仙台はジャーメイン良に代えてターゲットマンにもなる
長沢を投入してともに勝ち越しを狙います。
試合を決めるゴールは後半アディショナルタイム、仙台MF石原のクロスに長沢が合わせ古巣相手に逆転ゴール決め土壇場で試合を決定付けます。
そのままタイムアップとなり仙台が逆転勝ちで勝利を収めました。
明確な戦術を示し今後に向けて価値のある勝ち点3を手にした仙台
4バックシステムとボランチの松下のゲームメイク、2トップのコンビネーション、手数をかけたサイド攻撃など1試合の中で様々なポジティブなプレーが見られ、さらに機能していた2トップの一角
ジャーメイン良に代わって投入された長沢の決勝ゴールで勝利を手にし監督の采配も冴えたといえるゲームとなりました。今シーズン出場機会を増やしているDF常田など若手も多く起用されている中で
中身の濃いゲーム内容から勝ち点3を得られたことは今後のリーグ戦の中で大きな意味を持つのではないかと思われます。
この勝利を手にしても未だに下位に沈む状況に変わりはないが、仙台サポーターも間違えなく浮上への手応えの感じられるゲームとなったでしょう。
減らない失点… 模索続くガンバ大阪
このゲームの中で失点シーンに限ってだけ見てもわかる通り、前後半のアディショナルタイムという一番失点を避けたい時間帯に、守備の引き渡し、マーカーへの詰めなどから失点をしており
チーム全体がゲームへの執着心というものが欠けているとみられても仕方がないでしょう。さらに試合の中でも目立ったのが相手の攻撃に対してクリアが不十分で2次攻撃を受けるかたちで
ピンチを招いてしまう場面。これは押し込まれるとボランチを含めてラインを下げてしまう部分も大きく関係していると考えられます。
攻撃陣も布石の状態とは程遠いが、まずは失点数リーグワーストを記録している守備の改善あ急務となるでしょう。
守備陣の中には韓国代表DFキム ヨングォンをはじめ、日本代表にも継続的に招集されている東口、三浦など揃えるだけにチーム全体の守備意識を見直し90分を通して相手に隙を見せない
守備を見せてくれることを期待したい。
J1第9節 ベガルタ仙台 2 − 1 ガンバ大阪
得点者 前半32分 キム ヨングォン(ガンバ大阪)
前半45+1分 永戸 (ベガルタ仙台)
後半45+1分 長沢 (ベガルタ仙台)