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ペップ・グアルディオラ監督歴代ベストイレブン

日野遼太郎

2019/04/23 21:50

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ジョセップ・グアルディオラ。
愛称でペップとも呼ばれるこの稀代の戦術家は、08〜09シーズンに、バルセロナBの監督から昇格する形でトップチームの監督に就任すると、いきなりバルサをスペインサッカー
史上初の三冠に導いた。

それからも、メッシ、シャビ、イニエスタなどを中心とした、相手に全く付け入る隙を与えない完璧なフットボールで数多のタイトル獲得に導いた。その圧倒的なパスサッカーは遠い異国である日本の指導者の中で、「パスサッカーこそ至高」「パスサッカー至上主義」のような風潮を作り上げてしまう程のものだった。

12年にバルサの監督の座を退いてからも、13年から15年の二年間ドイツのバイエルンミュンヘン、そして16年から現在までをイングランドのマンチェスター・シティでタクトを振るい、クラブを変えてもその類まれなサッカー哲学で最先端の戦術を作り出し、サッカーファンを楽しませてくれている。

今回は、その複雑なペップのフットボールの中で輝いた選手を個人的に選抜してみた。

GK、DF編

GK マヌエル・ノイアー (現バイエルン)
バルデスと悩んだが、GKの新たな価値を作り出し、W杯でも優勝に貢献したドイツの守護神を選出。相手の裏へのロングボールに対して、ペナ外まで出て処理する桁違いの守備範囲に、攻撃の起点にもなる足元の技術。ペナルティエリアの外からは、ほぼゴールを許さないシュートストップ力などで、ペップバイエルンを後方から支えた。

右SB ダニエウ・アウベス (現PSG)
ペップの就任と同時にバルサに移籍してきた超攻撃的SB。その無尽蔵なスタミナで上下動を繰り返しながら、抜群のコンビネーションで多くのチャンスに関与。特にメッシとのコンビは最高で、2人でワンツーを何度も繰り返して相手を崩し、メッシのゴールをお膳立てした事もある。

CB ジェラール・ピケ (現バルセロナ)
彼もペップの元で才能を開花させた選手だろう。恵まれた体格を活かした空中戦、対人戦の強さはもちろんのこと、ペップサッカーに必要不可欠なCBの足元の技術を高次元に備え、世界中を震撼させたペップバルサの攻撃サッカーを支えた。

CB ボアテング(現バイエルン)
もう1人のCBは、ガーナ人の父を持つサラブレッドを選出。ペップの指導を受けた事でより足元の技術や戦術眼を成長させ、そこに持ち前の屈強なフィジカルやスピード、攻撃力を掛け合わせ現代サッカーでも最高レベルの選手に成長した。ペップが去ってからはあまり目立った活躍が見せられていないことを見ても、かなりペップサッカーに相性が良かったと言えるだろう。

左SB ラーム (引退)
左サイドバックには、幅広いポジションを高い次元でこなせる小柄なドイツ人を選出。サッカーIQが高いことで誰とでも同じサイドを組め、攻守のバランスが良いことで隙がなくリーダーシップもあるため、ペップバイエルンでも重宝された。現在はドイツサッカー連盟に身を置き、ユーロ2024のドイツ開催の招致に尽力しているという。

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MF、FW編

DMF セルヒオ・ブスケツ (現バルセロナ)
「ピボーテ」には川崎の中村憲剛選手も絶賛するバルササッカーの申し子を。とにかく「気が効く」選手で、攻撃が行き詰まった時や、相手のプレスを回避したい時、カウンターを食らいそうになった時など、いて欲しい時に適切な場所に、適切なプレーを行うことで、味方を気持ちよくプレーをさせてあげることができる貴重な選手。バルサにとってメッシに次ぐ非売品の選手だろう。彼のプレーを追うだけでサッカーを観る目を養えそう。

CMF シャビ (現アル・サッド)
ペップサッカーの体現者。ピッチを俯瞰して見ている様な広い視野で敵味方の位置をほぼ完璧に把握し、正確無比なパスを繰り出す天才MF。実際にテレビ番組で状況判断能力を測るテストを行い、専門家が驚く数値を記録。小さくても頭が良ければ違いを作れることを世界に示した。

CMF イニエスタ (現ヴィッセル神戸)
懐の深さとクイックネスで相手に触る隙すら与えない圧倒的なキープ力に、急所を突く自由自在なパス。彼が日本にいる事に慣れてきてしまっているが、冷静に考えるととんでもないこと。是非日本にいる内に生で彼のプレーを観に行って欲しい。ちなみに筆者は埼スタで2年連続ヴィッセル神戸戦に赴き、2度裏切られている。

ST デ・ブライネ (現マンチェスター・シティ)
MFは上記の3人に決まっていたので、一列前で選出。現在のマンCの1番のキープレイヤーで、その正確無比の両足から繰り出す鋭いパス、シュートに、強靭なフィジカルが備わるプレミア×ペップサッカーに完全にマッチした選手。今季は怪我がちだったが、先日のCL準々決勝2ndレグでは圧倒的なパフォーマンスを発揮。敗退したが3アシストと気を吐いた。

CF アグエロ (現マンチェスター・シティ)
レバンドフスキと迷ったが、選出バランス的にマンCのエースをスタメン起用。同クラブの歴代最多ゴール記録を持つアルゼンチン人は、豊富な得点パターンで攻撃陣を牽引。大事な所で点を取る勝負強さも備えるので、ペップマンCでも欠かせない存在であり続けている。レバンドフスキは、ペップ時代に途中出場した9分間で4ゴールを挙げた試合の再現を狙い、スーパーサブとして起用。

ST リオネル・メッシ (現バルセロナ)
最後はやはりこの男。シャビ、イニエスタがいる事で今よりもフィニッシュワークに集中出来たペップ時代は、それこそ不可能を可能にするような異次元のゴールを連発した。
ペップがバイエルン、マンCでCLを獲得出来ないのは、彼の様な本物のスーパースターがいないことが要因としてあるのかも知れない。

この手の記事は賛否両論を生むが、是非ここは違う選手の方がいいだろなどと自分の思うベストイレブンと照らしながら、楽しんで頂ければと思う。

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