「ロイ・キーンをやっつける」
今から16年前、プレミアリーグであるトッテナム・ホットスパーの入団会見で聞こえてきた一言。
元日本代表・戸田和幸氏が放ったこの一言は、欧州の名門への移籍という期待を膨らませるには十分すぎる程、強烈なインパクトを放っていた。
その戸田氏が現在、解説者の立場としての注目をにわかに集めてきている。
■独自の解説者としてのスタイル
先日行われたJ1リーグ、ヴィッセル神戸対サガン鳥栖の中継でも解説を行っている。イニエスタやフェルナンドトーレスなど両チームのスター選手についてはもちろん、ピッチ上で起こる出来事を的確に、尚且つ聞くものの耳にすんなりと入り込む、わかりやすい表現で伝えていた戸田氏。外見、コメントともに際立つ個性が光った現役時代とは真逆と言って良い解説者としてのそのスタイルはもはやファンの間ではお馴染みとなっている。
戸田氏の試みの一つとしてサッカーファンの間で広まってきているのが「URA-KAISETU」(裏解説)と呼ばれる独自のサッカーコンテンツだ。
これは映像とは別に、試合の展開を戸田氏の言葉を通じて解説をし続けることでより深くピッチ上でのプレーを紐解いてゆくものとなっている。「サッカーを言語化」し、ほぼ絶え間なく続く戸田氏の解説を聞くことで、プレイヤーのそれぞれの動きの役割などが驚くほど細かに伝わってくる。ファンは聴いて考えることで
より深くピッチ上の出来事を理解し、またそれまで以上にサッカーへの新しい捉え方を見出せるはずだ。
■指導者としての期待も
2016年12月には日本サッカー協会のS級ライセンスを取得している戸田氏。イングランドやオランダ、韓国やシンガポールなど多くの国々でのプレー経験を持つ現役時代、独自のスタイルでその魅力を世間に伝え続けている解説者としての現在など、あらゆる角度からサッカーというスポーツへの向き合い方を自身の中に積み上げてきており、サッカーへの研鑽は今後も継続されていくはずだ。
そして戸田氏の築き上げたサッカー観が今後の日本サッカー界においてどのような形で反映されていくかも見てみたい気もする。何より、Jリーグが誕生して20年以上が経ち、ピッチ外においてもまた一人、優れた個性が現れたことに胸躍るのは私だけではないだろう。その存在により我々はさらに、サッカーを楽んでいける。
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今回も小澤君・DAZN制作スタッフの皆さんと骨太な素晴らしい時間を過ごす事が出来ました。
全ては日本サッカーをより豊かにしていくために。
Jリーグの振り返り動画を動画付きで配信出来る日が来る事を心待ちにしながら引き続き一つ一つの仕事に全力を尽くしていきます。 pic.twitter.com/FK94YByEtT— 戸田 和幸 (@kazuyuki_toda) 2019年3月5日