日本を代表して戦った以上この敗戦が良かったと思える事は正直この先ないと思う。だけど無駄にするかしないかは自分次第。もっと上手く、そして強くなります。素晴らしい応援ありがとうございました。 pic.twitter.com/HjgrBYt4u8
— Ritsu Doan/堂安 律 (@doan_ritsu) 2019年2月5日
アジアカップでの激戦を終え、再びFCフローニンゲンに戻ってプレイしている堂安律(20)。オランダの1部リーグのクラブでレギュラー格の位置を確保し、2018年の若手版バロンドール候補の10名にも選ばれた世界屈指の逸材だ。2月に出演した『情熱大陸』(TBS系列)では、移籍候補として話に出ているのは「30チームぐらい」だと言っていたように、欧州各国のクラブから熱視線を浴びている。
アジアカップ:中島翔哉不在で振るわず
しかし、だ。1月のアジアカップで課題が露呈した。
アジアカップ以前、代表戦ですこぶる調子が良く見えた堂安は、アジアカップで思うように結果が出なかった。その要因の一つに、ケガで負傷離脱した中島翔哉の不在が挙げられるだろう。
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— Ritsu Doan/堂安 律 (@doan_ritsu) 2019年1月21日
中島と堂安、そして南野拓実を揃えた若手トリオのダイナミックな攻撃は、中島が起点になるプレイが少なくない。左サイドから中島がパスを供給したり中に切り込んだり、あるいは縦に突破したりすることで、堂安と南野はペナルティエリア付近でボールを触る回数が増え、得点チャンスが生まれる。
そんな中島の不在が影響してか、準決勝のイラン戦などで値千金の動きを見せた南野も、流れの中で得点を上げるシーンが減った。堂安は、右サイドから起点になるプレイが若干目立った。後述するが、これが堂安の課題を浮き彫りにした格好だ。
堂安は若く、高い水準の選手であるのは間違いない。だが、決勝のプレイは堂安の大きな課題を感じさせるものだったのではないだろうか。
左足極めるならロッベンのレベルに 成長止まれば“DFのカモ”になる
目に見えて明らかな課題は、利き足である左足に頼ったプレイだ。
利き足のみでプレイする選手は、DFのカモになりやすい。例えば、右サイドからカットインするのが得意な選手に対して、DFはあえて相手が左に流れるように守り、中央付近で味方の他DFと一緒に相手を囲めば、ボール奪取の確率が上がる。袋小路に誘い込む守り方がであり、極端な言い方をすれば、左足の動きを警戒して守ればいい。
たしかに堂安は、カットインから素晴らしいシュートを過去にいくつも決めている。ただし今後は、ヨーロッパ系、アフリカ系の身体能力に優れた1流のDFを相手に、“左足でのプレイが圧倒的に多いことが相手にバレた状態”で、結果を出せるかどうか問題になる。
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— Arjen Robben (@ArjenRobben) 2016年10月14日
状況を打開するには、強引に右側から抜けてDFの裏をかくか、袋小路に追い込まれてもなお状況を打破できるボールキープ力やドリブル力、あるいは追い込まれる前にパスを散らす……などのプレイが必要になる。
だが並のプレイだけではダメだ。堂安が求める1流クラブに行くには、アリエン・ロッベンらのように、カットインからシュートまでの流れが、分かっていても止められない、というような境地まで達する必要があるだろう。
ただし、カットインを極めるなら相当のクイックネスが要求される。技術はもちろん、身体能力の高さが求められる。アジアカップで上手く結果を出せなかったことを考えると、欧州の4大リーグで、堂安の左足に頼ったプレイが通用するのか不透明だ。
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