今シーズン柏レイソルに所属していた元日本代表MF細貝萌選手が来シーズンからタイ・リーグのブリーラム・ユナイテッドに移籍する事が発表されました。
細貝選手は浦和レッズでプロサッカー人生を開始して以降、ドイツのクラブを中心にキャリアを積んだ後に昨シーズン柏レイソルに移籍し、7年振りにJリーグに復帰したばかりでした。
甘いマスクからは想像できないワイルドで粘り強いプレイスタイルの持ち主の選手ですが、サッカー選手としての人生もワイルドな選手の一人と言えます。スマートな容姿とは裏腹なプレイスタイルとプロサッカーキャリアが魅力的な選手です。
来シーズンはアジア・チャンピオンズ・リーグで古巣の浦和レッズと対戦する事も決まっています。
Jリーグを離れ、活躍の場をアジアに求めたことから、日本のファンのお目にかかれる機会は減ってしまいますが、まだまだ忘れて欲しくない選手の一人です。
そこで、今回は容姿に似合わずワイルドな細貝選手についてご紹介致します。
サッカー・エリートが直面した初めての壁を越えたのはオリンピック
細貝選手は群馬県の県庁所在地である前橋市の出身。前橋育英高校というプロサッカー選手を多数輩出しているサッカー名門校出身で、高校三年生の時に浦和レッズの特別指定選手に指定されて、卒業後の2005年にそのまま浦和レッズに加入しました。
浦和レッズは2006年にJリーグ初優勝、翌年の2007年はアジア・チャンピオンズ・リーグ初優勝という浦和レッズ史上最強の時代を迎えており、高校卒業のルーキーが出場機会を得るには非常に困難な時代でした。
浦和レッズ加入の翌年である2006年からはU23日本代表に選出されて、北京オリンピック出場に向けた戦いに主力選手として臨み、2008年の北京オリンピックに見事出場を果たします。浦和レッズではレギュラーを獲得できていなかったにもかかわらずオリンピック日本代表のレギュラーに定着したことで、細貝選手は飛躍的に成長を遂げます。結果的にこの2008年にはリーグ戦26試合に出場するなど、一躍存在感を発揮し、浦和レッズの主力選手として多くのサッカーファンに認知される選手になりました。
《男子サッカー部優勝記念写真展》
この度、前橋市役所様ご協力のもと写真展を開催することになりました!
「一年越しの景色」
場所:前橋プラザ元気21
展示場所:元気21と駐車場をつなぐ通路
期間:2月17日(土)~2月26日(日)生徒目線の写真を多く展示しますので、是非お越しください⚽️ pic.twitter.com/4rgrxOJl9D
— 前橋育英高校 写真部 (@ikueiphoto6) 2018年2月2日
顔に似合わずワイルドなプレイスタイル
細貝選手はどこか貴公子然としており、一見すると格闘系ボールゲームであるサッカーには馴染まないのではないかとさえ思える容姿の選手です。
いわゆるイケメンであり、ジャニーズ系と言っても良い位に、闘うアスリートよりも芸能人的なイメージを覚える容姿が際立っています。
ところが、その容姿とは裏腹に、プレイスタイルは意外にも泥臭く、ワイルドと言えます。当たり負けせず、あきらめず、粘り強さが特徴的なのです。
容姿が容姿ですから、ピッチ上の細貝選手のプレイスタイルに接すると、余計に意外性を感じるのです。
本職はボランチの選手ですが、浦和レッズ在籍時代は監督が頻繁に変わった影響もあり、CB、SBなど複数のポジションをこなしましたが、守備のプロとしての堅固さは勿論、積極的に攻撃参加するなど、常に前を向いている意識の高い選手と言えます。
浦和レッズから2008年にブンデス・リーガに挑戦した長谷部誠選手にどこか通じる共通性があります。自らも積極的に攻撃参加するボランチ。それが細貝選手の特徴です。
14日(日)、ドイツ ブンデスリーガ1部 ヘルタ・ベルリン所属の細貝萌選手が、大原サッカー場を訪れ、かつてのチームメートや親交のある選手たちと楽しい時間を過ごしました。 #urawareds pic.twitter.com/WO51nxWY2I
— 浦和レッズオフィシャル (@REDSOFFICIAL) 2015年6月14日
ヨーロッパで5クラブの経験
浦和レッズのレギュラーに定着して三年、2010年末に浦和レッズの先輩であった長谷部選手と同様に、ブンデスリーガに旅立ちます。
名門クラブのレバークーゼンに完全移籍し、同時に当時二部のFCアウクスブルクにローン移籍して2010-2011(二部)、2011-2012(一部)シーズンの一年半、初の海外リーグを経験しました。
今では多くの日本人選手が所属するブンデスリーガですが、長谷部選手や香川真司選手も所属する中、2011-2012シーズンでは日本人選手として最多の32試合に出場を果たしました。初の海外移籍がヨーロッパ三大リーグの一つであるブンデス・リーガでありながら、移籍直後から活躍したのですから、見事な初海外スタートでした。
2012-2013年シーズンは原籍のレバークーゼンに復帰しフルシーズンを過ごしますが、レギュラーを確保することはできず、ボランチとして出場する機会を求め翌年にヘルタ・ベルリンに完全移籍します。
2013-2014年シーズンはボランチとしてレギュラーを獲得し、フルシーズン33試合に出場を果たす事ができて、チームの主軸としての存在感を発揮します。
しかし浦和レッズから原口元気選手が加入した翌2014-2015年シーズンは監督交代によりレギュラーの座を失い、2015-2016年シーズンはトルコ・リーグのブルサスポルにローン移籍することになってしまいました。2010年から招集され続けていた日本代表にも、2015年からは招集される事がなくなってしまいます。
2016年シーズンはブンデスリーガ2部に降格したVfBシュトゥットガルトに完全移籍しますが、又もや監督交代や怪我により出場10試合に終わり、2017年に柏レイソルに完全移籍でJリーグに戻って来ました。柏レイソルで2シーズンを過ごしますが、出場機会は僅かで、2018年シーズン満了後にタイのプリーラム・ユナイテッドへの移籍が発表されたのです。
移籍先はタイ有数のビッグクラブ
来シーズンから細貝選手が移籍するタイ・リーグ1のブリーラム・ユナイテッドは、タイを代表するビッグ・クラブとして知られています。
1996年から創設されたタイ・リーグ1において5回の優勝を誇り、アジア・チャンピオンズ・リーグに7回も出場している事からも、実力の一端を知ることができます。
既に来シーズンのアジア・チャンピオンズ・リーグも出場が決定しており、北京国安、全北現代と共に、今年の天皇杯王者である古巣の浦和レッズと対戦することが決定しています。
ブリーラム・ユナイテッドの本拠地であるサンダー・キャッスル・スタジアムは3万2600名を収容することができるタイ有数のサッカー専用スタジアム。タイ有数のサッカー専用スタジアムと、日本を代表するサッカー専用スタジアムである埼玉スタジアム2002で、浦和レッズと対戦するブリーラム・ユナイテッドの細貝選手の雄姿を観る事ができるのは、来年のアジア・チャンピオンズ・リーグの楽しみの一つと言えます。
Jリーグを離れてしまいますが、来年埼玉スタジアム2002に帰って来る細貝選手の雄姿を是非観戦してみて下さい!
Buriram United sign former Bundesliga and Kashiwa Reysol ace Hajime Hosogai ahead of #ACL2019! pic.twitter.com/TPJLBe9LXa
— AFC Champions League (@TheAFCCL) 2018年12月7日
高校生からサッカー界で注目を集め、いわばサッカー・エリートとして順風満帆にプロ・サッカー選手として存在して来た様に見える細貝選手ですが、意外にも多くの壁に直面して来ています。
ブンデスリーガで揉まれ、久しぶりに帰って来たJリーグのピッチで、円熟したプレイを披露する機会に恵まれませんでしたが、海外にチャレンジした経験値の高いプロ・サッカー選手として、まだまだ忘れ去られてしまう存在とは思えません。
日本、ドイツ、トルコに次いで4か国目のプロ・サッカー・リーグとなるタイ・リーグ1で、”俺を忘れちゃ困るぜ!”という程に、日本のサッカー・ファンが唸る活躍を遂げて欲しいと願わざるを得ません。
容姿に似合わずワイルドでチャレンジングなサッカー人生を選択し続ける細貝選手は、まだまだ多くのサッカー・ファンに注目していて欲しい選手です。
来年は、タイ・リーグ1も注目リーグとしてチェックして下さいね!