J1第27節 湘南ベルマーレvsセレッソ大阪は1-1
セレッソに押し込まれる展開がつづいていたが、87分に挙げた大野 和成のゴールでホームの湘南が先制、このままタイムアップを迎えようとしていたアディショナルタイム4分、ラストワンプレーでソウザが押し込み土壇場でのドロー決着となった。
湘南は前節鹿島戦から大幅なメンバー変更を実施。ダブルボランチに秋野 央樹と齊藤 未月を戻し、U-21代表の杉岡 大暉がスタメンに復帰、ワントップには5月以来のスタメンとなるイ・ジョンヒョプを据えシャドーに梅崎 司を起用。その梅崎がゲームキャプテンを務めた。
対するセレッソ大阪とはこのところルヴァンカップのホーム&アウェーでの連戦がつづいている。互いに手の内を知り尽くす同士の対戦となった。
試合は開始1分、山根 視来との競り合いの際に負傷した杉本 健勇がピッチ外へ、そのまま途中交代を余儀なくされるなどアクシデントに見舞われたセレッソだが、序盤から持ち前のハイプレスから秋野がシュートを放つなど積極性が際立った湘南だが幾度となく訪れたチャンスも決めきれない。
尻上がりにペースを取り戻しつつあったセレッソに対し、曺 貴裁監督は早々にカードを切る。40分、小川慶治朗に代え石川 俊輝を投入。この交代について曺監督は「戦術的な狙い、コンディション的な狙い、調子が良い選手を使う狙い、その3つを当てはめて交代しただけです。」と振り返る。
後半に入ると試合は完全にセレッソペースになったが、それでも湘南は守備陣がギリギリのところ足を伸ばしゴールを死守。苦しい時間帯がつづいていたが、87分、湘南は右FKからのこぼれ球をつなぎ、最後は浮き球を大野がアウトにかけたダイレクトボレーでゴール左隅に突き刺し待望の先制点を奪う。(大野はこの試合でJリーグ200試合出場を達成、この得点はメモリアルゴールとなった。)
試合はこのままタイムアップを迎えようとしていたが、後半アディショナルタイム4分、ゴール前の混戦からソウザがねじ込み、その直後にタイムアップ。土壇場で追いつかれた湘南は勝点3を取り逃がす格好となってしまった。
試合後、曺監督は会見で「勝点1が取れたので、最良の結果でも最悪の結果でもないというのが素直な印象」としながらも、「勝点を落としたと見るのか、1を取ったと見るのか、いずれにしても次に繋がるようにしていかないといけないと思うし、終わったものをああだこうだ引きずっても何も生まれないと思う。」と悔しさを滲ませながらも気を引き締めた。
今節を終え、J1は残り7試合(湘南と川崎は8試合)となった。今シーズンは例年になくハイレベルな残留争いがつづいている。ワールドカップの中断期間あけから調子を上げてきた名古屋につづき、徐々に復調しつつあるG大阪と鳥栖。長崎も最下位ながら粘りを見せている。残留圏界隈を彷徨う柏や横浜FMをはじめ磐田、浦和も決して安全圏とは言えない。
残留確定へのボーダーラインを勝点40に据えた場合、少なくとも2勝を挙げなければこの地点に到達することはできない。そういう意味でも痛すぎた今節だが、次戦、水曜日開催となる川崎との神奈川ダービーを勝利し一気に安全圏に登りつめたいところだ。