乱打戦の神奈川ダービーはドロー決着!リードを守り切れなかった我々はまだ子ども。
J1 第9節 横浜FMvs湘南ベルマーレ 同県同士の対戦「神奈川ダービー」は4-4、乱打戦はドロー決着に終わった。
湘南曺監督が送り出したスタメンは、負傷明けの菊地 俊介が復帰、調子が上向きのアレン・ステバノビッチが名を連ねた。
試合は序盤からオープンな展開となった。
ハイラインを保ち自陣から丁寧にパスをつなぎビルドアップを試みる横浜FM、対する湘南は前線から果敢にプレスに奔走し、ボール奪取と同時に全員が矢印をゴールへ向ける。
持ち味を発揮したのは湘南の方だった。8分、敵陣で菊地がスライディングタックル、こぼれたボールをアレンがそのままドリブル突破。左サイドから放たれたクロスが中澤 佑二の頭をかすめゴールに吸い込まれる。
対する横浜FMは右サイドからオリヴィエ・ブマルがドリブルで中央に持ち込み中央のウーゴヴィレイラに預ける。巧みなトラップで振り向いたウーゴヴィレイラ・がアンドレ・バイアの股を抜く技ありゴールで同点に追いつく。
そのわずか1分後、ロングボールの処理にペナルティーエリアを飛び出したGK飯倉大樹の中途半端なクリアボールを菊地がダイレクトに蹴り込み無人のゴールへ。湘南がすぐさま突き放す。
さらに湘南は41分、ダイレクトのつなぎから岡本 拓也が浮き玉でスルーパス、ニアに走り込むイ・ジョンヒョプの頭を超えて、その裏を抜け出したアレンにボールが収まる。GKとの一対一を制したアレンが3点目を挙げる。
前半41分の時点で3-1。この後の展開が悔やまれたと曺監督は語った。
「2点差になった時点で、相手がリスクを冒して前に出て来ることがわかっている中で、我々はその状況を読みきれなかった。一言で言うと慌てる必要が全くなかった。」
2点のリードがあったにもかかわらず、前半終了間際に、似たような形でウーゴ・ヴィレイラの個人技で立て続けにゴールを奪われてしまう。
それでも湘南は前半アディショナルタイムにさらに相手を突き放すことに成功する。ボール奪取からの素早いカウンターで松田 天馬から相手を交わし中央のイ・ジョンヒョプにパス。相手を引きつけたイ・ジョンヒョプがフリーで走り込むアレンにパス。アレンがダイレクトに流し込み4点目を奪取、自身もハットトリックを達成する。(後に1点目はオウンゴールの判定となる。)
一点リードで折り返した湘南は後半9分、早い時間帯で松田に代えて秋野 央樹を投入。中盤の活性化を試みるも、後半12分にCKからミロシュ・デゲネクに押し込まれまたもや同点に追いつかれてしまう。
その後息を吹き返した横浜FMの猛攻を凌ぐ湘南だったが、追加点を奪うことなく力尽きた。
「我々はまだ完全に成熟した大人ではなくて子どもであること、そしてそれを指揮しているのは自分だということ。」
曺監督は4点取りながらも勝ち切れなかった試合に反省を口にした。
湘南は次戦、水曜日にG大阪をホームで迎える。
本記事はライター勝村大輔氏のサイトからの転載記事となります。