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奥寺暫定監督、21年ぶりJ采配は手痛いドロー「勝つことは難しい。」明治安田生命 J2 第38節 横浜FC2-2町田ゼルビア<マッチコラム>

勝村大輔

2017/10/21 11:04

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明治安田生命 J2 第38節 横浜FC2-2町田ゼルビア

©︎Shooty

プレーオフ進出へ向けてもう負けられない。8位横浜FCは、前節の山形とのアウェー戦に敗れ、その後、中田 仁司監督を解任。今一度の奮起を促したフロントの決断は吉と出るか、あるいは凶と出てしまうのか。

仕切り直しの舞台は、奇しくもホーム ニッパツ三ツ沢球技場ではなく、代替え地、川崎フロンターレのホーム等々力競技場となり、暫定監督として、この試合の指揮を執った奥寺 康彦監督の21年ぶりのJ采配に注目が集まった。

得点ランキングトップのイバの負傷に伴い、奥寺監督はベテラン大久保 哲哉を登用、今シーズン3度目の先発出場となった。

(奥寺監督) 「ジャンボ(大久保)は、これまで中々出るチャンスはなかったが、イバが負傷している中で、彼は頑張ってくれた。いつも途中出場ながらも得点を取ってくれていた選手だったので、期待はしていました。」

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開始3分、吉田 眞紀人のゴールで先制を許した横浜FCだが、試合開始から果敢にゴールに迫る大久保 哲哉に好機が訪れる。

19分、小刻みにパスを繋ぐ横浜FCは左サイドに展開、野村 直輝が中に仕掛けて中央にクロスを放り込む。相手ディフェンダーの前にタイミング良く飛び込んで来た大久保 哲哉がヘディングシュート。横浜FCが早々に同点に追いつく。

(相馬監督)「立ち上がりに良い形で先制しましたが、今日の横浜FCさんは普通の状況とは違っていて、選手たちもそう言って送り出しましたが、相手はかなりハイペースで、両サイドがどんどん追い越してくるような形で、押し込まれる展開の中、高さを生かされる形で点を取られてしまった。更に前半はそれだけではなく、押し込まれる時間帯が長く続いてしまい、苦しい展開になったと思っています。」

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(奥寺監督) 「良いリズムになって来た、この流れを続けよう。」
(相馬監督) 「後半45分間が勝負になる。最後までやりきろう。」

ハーフタイムの両監督の談話のとおり、後半から互いに決定機を連発するスリリングな展開となった。

テンポ良く攻撃を仕掛ける横浜FCは、後半開始早々に決定機を迎える。相手のクリアをブロックし、そのこぼれ球を拾った大久保 哲哉がそのままシュート。ゴールネットを揺らすがオフサイドの判定、逆転弾は幻のゴールとなった。

試合が動いたのは67分、4本のダイレクトパスを繋いだ横浜FCは、テンポ良くペナルティーエリアに侵入、最後はレアンドロ・ドミンゲスが相手を引きつけて、右サイドを駆け上がってきたフリーの大久保 哲哉パス。これを冷静にゴールに流し込んで横浜FCが逆転に成功する。

残り時間10分を過ぎた辺りから、再び町田の猛攻が始まる。前へ前へ、推進力を高める町田の攻撃は85分に結実する。

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右サイドを駆け上がった井上 裕大が中央にアーリースロスを放り込むが、一旦はディフエンスに弾かれてしまうものの、相手クリアボールに競りがち中央に繋ぐ。最後は中央で待ち構えてた戸島 章が右足を振り抜き町田が同点に追いつく。

(相馬監督) 「最後、追いつけたこと、もう少しでひっくり返せそうだったこと、選手を最後まで走らせてくれたのは、サポーターの声援だったと思う。」

試合終盤に猛攻を仕掛けた町田、守勢に回る格好となった横浜FCは、リードを守り切れず手痛いドロー決着となった。

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この日の観客動員数は2943人、平日の夜開催であること、小雨が降りしきる寒空の中であったなど、攻守が拮抗した好試合に見守ったスタンドは余りにも寂しかった。ホームの利を発揮できなかった横浜FC、

「勝つのはやはり難しい。」

奥寺監督がこぼした一言が染み入る試合となった。

本ライター勝村大輔氏のサイトではフォトギャラリーを掲載されております。是非、ご覧くださいませ。

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