現在日本で開催されているFIFAクラブW杯。開催国王者として出場している鹿島アントラーズがアジア勢として大会初の決勝進出を果たしている事もあり、大きな盛り上がりを見せています。
そんな鹿島の決勝の相手となるのは、欧州王者のレアル・マドリー。
準決勝からの登場となったレアル・マドリーは、スタートから攻守にアグレッシブに入った北中米カリブ王者のクラブ・アメリカを相手に苦戦。それでも前半終了間際にフランス代表FWカリム・ベンゼマ選手が待望の先制点を挙げ、後半は相手がペースダウンした事もあり、テンポを落として試合をコントロール。追加点も奪って2-0と危なげなく決勝進出を決めました。
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その追加点を奪ったのは、バルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ選手と並ぶ世界最高のサッカー選手=ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド選手。
今週月曜日には2年ぶりに4度目となる『バロンドール』(今季からFIFA最優秀選手から分裂。「欧州クラブに所属する最優秀選手」)を受賞し、先週は肖像権などに脱税の疑いをかけられたため、自身の年間収入を約270億円である事を公表。
話題性に事欠かない誰もが知るスターであるロナウド選手は、今年5月にレアル・マドリーの選手としてUEFAチャンピオンズリーグを制覇。7月にはポルトガル代表としてEURO2016フランス大会でも優勝。2年ぶり4度目のバロンドール受賞も当然となる結果を残し続けています。
プレースタイルには徐々に変化が見られるCR7
このベイル(左)加入後はより得点に専念する効率重視の動きに変化したロナウド。ベイル加入後に3年間で2度もCLで優勝している。by Daily Express
それでも現在31歳となったロナウド選手には、年齢と共にプレースタイルには変化が見られます。
18歳から24歳までを過ごしたイングランドのマンチェスター・ユナイテッド所属時には、1試合の中でも何度も50m前後の長距離をドリブルで持ち上がる超人的なプレーも多く、24歳となった2009年の夏に加入した現在のレアル・マドリーでも当初はそのようなプレーが頻繁に見られたロナウド選手。
しかし、年齢的な事もありますが、特に2013年の夏にウェールズ代表FWギャレス・ベイル選手が加入後は、そういったロングカウンター時の高速ドリブルは少なくなりました。
ロナウド選手と並んで世界最高選手と称されるメッシ選手のドリブルは、よりサッカー的な要素のテクニック型ですが、ロナウド選手やベイル選手のドリブルはスペースを”走破”するようなアスリート的な能力による要素が多分に含まれています。
また、ロナウド選手はそうしたドリブル突破に魅力があるウインガーでしたが、2008年度に初めてバロンドールを受賞した際には、「僕のようなストライカーポジションではない選手がゴールを量産した事に価値がある」と語ったように、ウインガーである以上に得点力が際立つ選手へと進化して来ました。
ベイル選手加入後は、そうしたチャンスメイクの部分は4歳若いベイル選手に任せ、ロナウド選手はより効率的にゴールを狙う動きを最優先する形にシフトしています。ゴール前でシンプルに決めるような得点パターンが増えているのは、そのためでしょう。経験値も半端ないロナウド選手はポジショニングに磨きをかける事で、その変化を「進化」へと繋げています。
1試合平均1ゴールを越える脅威の得点率
『レアル・マドリー加入後のCロナウドの成績』通算の1試合平均得点は約1.03。
そんなロナウド選手の実績の凄さは上記したレアル・マドリー加入後の圧倒的な数字に現れています。特に1試合平均1ゴールを越える得点率(1.03)の高さは驚異的です。
しかし、それ以上に驚異的なのは、この数字を毎年安定させている事、つまり長期離脱を伴うような故障が少ない事です。
現在6年連続の公式戦50得点以上を続けられるのは、超人的なサッカーの能力以上に頑丈な身体作りが必要不可欠です。
そして、その鋼の肉体と良質のコンディションを維持し続ける秘訣は、彼の『試合後の1時間』にあります。
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