タバコ、改造車、サボり…といった不良な雰囲気が蔓延していた流通経済大学サッカー部は現在、大学界屈指のプロサッカー選手輩出校として、一大ブランド化しています。2002年にFC東京へと入団した阿部吉郎を皮切りに、その後10数年間で70人を超えるプロ選手を輩出。中野雄二総監督の指導や言葉の節々に、名門たる由縁がありました。
プロ選手輩出が目的ではない
by SOCCER KING
たまたまサッカーの資質を持った選手達が入部しているだけのことで、特にプロ選手に仕立て上げようとしている訳ではないという中野監督。ボランティアや少年サッカーの指導、審判活動、障害者との触れ合いなど、「人」としての成長を心掛けている点に、育成の鍵があるようです。
個を伸ばす自由なスタイル
その時に預かった選手の能力を発揮するために、決まったスタイルではなく自由で不安定でも個を伸ばしていきたいと語ります。大学での授業の必要性も大事にしており、サッカー以外の勉強に力を入れる日本のスタイルが、世界のスタンダードになればとその思惑を覗かせます。サッカーのみに限定しない物の見方が、多くのプロ選手輩出に繋がっているのかもしれません。
代表的な流経大OB
阿部吉郎(松本山雅→引退)FW
タバコや遊びの誘惑に流されず、流経からのプロ第一号に
難波宏明(FC岐阜)FW
Jリーグ最速ハットトリック記録保持者
三門雄大(横浜FM)MF
08年全日本大学選抜
宇賀神友弥(浦和)MF
強豪浦和のレギュラーメンバー
武藤雄樹(浦和)MF
日本代表のシンデレラボーイ
ロメロ・フランク(新潟→水戸 期限付き移籍)
林彰洋(鳥栖)GK
U23北京・ロンドン五輪バックアップメンバー
山村和也(鹿島)DF/MF
U23ロンドン五輪代表,A代表
比嘉祐介(ジェフ千葉)
U23ロンドン五輪予備登録メンバー
充実の施設
ロッカルーム、スタッフルーム、応接室、監督室等がある工費8,000万円のクラブハウスや、周囲が壁で覆われたドイツ製の永遠とプレーが続くサッカーコート、足腰鍛錬の為のビーチサッカーグラウンドなど、一風変わった施設の充実も強豪と評される由縁です。
by CAHNT
壁がある事で、ハードかつ頭脳的な要素が養われる。by CAHNT
現在では主にGKの練習用に使用されている。by CAHNT
「人」の総合プロデュースに長ける流経大サッカー部。今後の人材に期待です。