今週末、ようやくイングランドのリーグ戦でもスタンドに観客が戻ってくる。しかし、国民は困惑しているようだ。
イングランドはコロナ禍の影響で未だにスタジアム観戦が禁じられているが、観客を入れ始めた他のリーグにならって解禁を目指している。8月末にはブライトン対チェルシーの親善試合で試験的に2500人を動員。さらにイングランド4部のケンブリッジ・ユナイテッドの試合でも人数制限をしながら試験的にファンをスタンドに入れた。
そして今週末、ようやくリーグ戦でも試験的に観客を迎えることになった。とはいえ、これはプレミアリーグの試合ではない。今回、試験的に1000人のファンを動員するのは、2部リーグの2試合、3部リーグの4試合、4部リーグの2試合の計8試合だ。
Ten EFL Clubs will be permitted to admit spectators into Sky Bet League matches this weekend as part of the ongoing ‘return of fans’ pilot programme.#EFL https://t.co/pksmO9Ppb4
— E F L (@EFL) September 16, 2020
これをきっかけにプレミアリーグでもスタジアム観戦が再開するといいのだが、今回の動きにイギリス国民は困惑しているという。というのも英国では今月14日(月)、感染者が再び増え始めたことを受けて「6人ルール」が導入されたばかりなのだ。
これは屋内外での「7人以上の集会」を禁止するというもの。それが発令されたにもかかわらず、試験とはいえ1000人の観客を動員することに国民は困惑しているそうだ。SNSで批判が集まっていると英紙『Daily Mail』は伝えている。
シェフィールド・ユナイテッドを率いるクリス・ワイルダー監督も「何が何だか分からない」とオンライン会見で首をかしげた。記者から「下部リーグで試験的に観客が入ります。ようやくトンネルの先に光が見えてきましたね。10月には正式に解禁されるかもしれませんね…」と聞かれると、少し笑いながら「正直、状況が全く見えてこない。わけがわからないんだ」とワイルダー監督は答えた。
家族や友人で集まることさえ禁止されたのに1000人のファンを集めるのは矛盾しているとワイルダー監督は主張する。「私は乳母に会いに行っていいのかい? 母親の元を訪れていいのかい? それがダメなのにスタジアムに1000人集めることは許されるなんてね。でも1万5000人はダメだってさ。6人を超えたら友人とさえビールを飲めない状況なのにね。」
「国民の大半と同じで、私も何が何だか分からない。私は試合で結果を残せるように努力する。選手やスタッフの力になれるように頑張る。でも、それ以外のことは何も分からない。誰かに教えて貰いたいくらいさ!」
プレミアリーグでも10月から観客動員を再開する案が出ていたが、果たしてどうなるか。今週末の下部リーグでのテストが重要な意味を持ちそうだ。
The Gaffer on the return of fans 👇 pic.twitter.com/YxMWnkLUxN
— Sheffield United (@SheffieldUnited) September 16, 2020